兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
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2016年01月4週
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01月4週
【推移】

18日(月):
日経平均は週間で550円の下落。週足では2週連続で陰線。結論は今年の大発会以来先週水曜の1日しか上昇した日はない。週末のNYは大幅続落。

週末金曜の21時からの金曜ロードショーは「ジブリ」。15日(金)が「天空の城ラピュタ」。そして今週22日(金)は「魔女の宅急便」。金曜ロードショーのHPでは「2週連続冬もジブリ」。昨年の1月はルパンシリーズで株価は安かったが今年はジブリ。
昨年8月のジブリの呪い復活の時は3回放映で日経平均は3500円の下落。今回は2回放映だからこのアノマリーで行くと2000円余りの下落?
週末終値17147円から2000円下落すると15147円。
2・5・8の法則の18000円→15000円のレンジの下限が残念ながら見えてくる。もっともこのレンジまではまだ平時。ココを過ぎると「乱世」の域となってしまう。

日経平均の25日移動平均からのかい離率はマイナス7.6%。騰落レシオは59.71%。「60%割れは1996年からの20年で10回。直近では2012年6月、2009年9月、08年10月など」との声も聞こえる。
日経平均株価は191円安の16955円と3日続落。JR東、ブリジストンが上昇。国際帝石、ソフトバンクが下落。

19日(火):
「下げ渋っても17000円は保てず」とか「今度は16500円を意識」というのが市場関係者の声。「年明け早々の相場は今日も下落。これで年初からのサイコロは1勝9敗。長いこと相場を見てきたが、こんな相場は初めて見る。
何かが変調をきたしているのだろう」とも。考えてみればタッタ5〜6センチの積雪で3〜4時間も通勤にかかる都市が首都。どこかアンバランスがあっても不自然ではない。元と原油で元気なし。
乱高下の展開で結局日経平均株価は今年2回目のプラス。前日比を挟んでのターンオーバーが都合15回。めまぐるしい動きだった。
日経平均株価は92円高の17048円と4日ぶりの反発。トヨタ、パナソニックが上昇。三菱UFJ、長谷工が下落。

20日(水):
いつもは下がる火曜の後場にショボく上がるからNYの戻りは不発。いつものように17000円レベルでのチョマチョマとした戻しでは物足りなさが残る。しかもNASDAQは続落。印象の悪いダウ輸送株指数も続落。2年3か月ぶりの安値を付けた輸送株指数。
鉄道のCSXや物流のフェデックスが鈍いということは経済活動停滞の表れとみる向きもある。これではまともなシナリオにはまだ程遠い。

日経平均採用銘柄のPERは14.23倍でEPSは1198円(前日1194円)。昨年12月8日の1270円からはだいぶ減った。解せないのは空売り比率。前日の日経平均は一応反発上昇。しかし空売り比率は昨年9月29日の43.4%以来の42.6%。これではまだデモニッシュな悪魔は跳梁跋扈の水準。スカッとした空は自然だけでなく、市場にも広がって欲しいもの。
日経平均株価は632円安の16416円と反落。2014年10月31日(黒田バズーカ第2砲が炸裂した日)の1万6413円以来の水準まで下落した。225採用銘柄のうち上昇は花王・日水の2銘柄。昨年来安値更新銘柄は461銘柄。タカキタ、津田駒が上昇。サイバネット、さくらネットが下落。

21日(木):
フツーは悲観材料だが好材料視したいのはIMFの世界成長率見通し。3.4%(マイナス0.2%)に下方修正だが、アメリカは2.6%、中国は6.3%。日本は2016年1%、2017年0.3%と2017年は完全に悪化見通し。これは当然ながら消費増税の影響に他ならない。だったら増税延期の選択も現実味を帯びてこようか。もっとも財務省の手先のようなIMFの試算であるからそのあたりは十分考慮しているのだろうが・・・。市場は都合の良い見解だけを求める場所でもある。

日経平均株価は398円安の16017円と続落。値上がり60銘柄、値下がり1860銘柄。昨年来高値4銘柄、昨年来安値746銘柄。東証1部の売買代金は3兆846億円。いい加減に「陰の極み」でもある。旭硝子、ステラケミファが上昇、みずほ、アルプスが下落。

22日(金):
24日の満月だったから、という理由もあるがECBドラギ総裁の追加金融緩和コメントを手掛かりにしての大幅反発。東証1部値下がり銘柄数は8。1997年2月3日以来で最少だった。先物では前日の夜間安値1万5780円から日中取引高値1万6990円まで1210円円高。ボラの高い上昇となった。
日経平均株価は941円高の16958円と反発。225採用銘柄のうち住友大阪セメントだけが下落。トヨタ、住友不動が上昇。タムロン、東洋シャッターが下落。

(2) 欧米動向
GSのアビー・コーエン女史は「今の株安は感情的は動きだ」と指摘する。
一方で「感情的に動揺するような局面ではまだない」との声。
狼狽している訳ではないが株価と実態のつじつまが合ってはいない。
株価が間違っているのか、実態が遅行で追いつくのか。
その判断の時はたぶん今なのだろう。

人気アイドルのSMAPは解散回避。
一方でマーケットのSMAPはまだ暴れている。
Sは上海・サウジアラビア。
MはFRBのマネタリーポリシー(金融政策)。
Aはいわずもがなのアップルの停滞。
Pはペトロリアム(原油)。
このアイドルではない世界経済の足かせのSMAPは解散して欲しいもの。

ここに乗じて今年のSWF(政府系ファンド)の株式売却は750億ドルとはJPモルガンの試算。
昨年が110億ドルだったから結構大きい。
これが虚像であればよいのだが・・・。

(3)アジア・新興国動向
先週土曜の日経朝刊1面では「市場混乱の真相。4兆元と4兆ドル」の副作用の記事。
考えてみればリーマンショック後の史上最大のカンフル剤だった4兆ドルと4兆元。
その緩和の副作用からの脱却が今とすればつじつまはあおうか。


【展望】
スケジュールを見てみると・・・。

25日(月):12月貿易統計、独Ifo景況感

26日(火):米FOMC(〜27日)、ケースシラー住宅価格指数、CB消費者信頼感

27日(水):米新築住宅販売

28日(木):日銀金融政策決定会合(〜29日)、米耐久財受注、英GDP

29日(金):黒田日銀総裁会見、日銀展望レポート、失業率、消費者物価指数、鉱工業生産、米10〜12月GDP

ベテラン市場関係者の論破。

年明けから世界一ヘッジファンドが一週間売りまくり。
理由は、世界のマネーが減りまくり。
そしてオイルに赤旗の外貨資産が無くなと。
確かにアメリカ発でグレートローテーションが始まってるのだから仕方がない。
アメリカはリバースレポ回収、中国と産油国は米債担保にリバースレポで調達。
ドル・円・ユーロを巻き込んでドタバタ。

ドルの代わりに円債で?
オイルのギャランティ売りのついでにアルゴが暴走してオペレーション終了から戻し?
仮に月末で日銀のバズーカ発射したら?

2月に臨時OPEC総会で減産発表したら?

アメリカが予定通りに利上げしたら?

消費増税中止でダブル選挙になったら?

あくまで仮定ですが・・・。

結論は「オモロイんとちゃいますかな〜」。
「誰かが売るから下がるし誰かが買うから株は上がるもの」。
あるいは「売りが多いから下がるし買いが多いから上がる」。
そんな話をすると多くの方は間違いなく笑う。
しかし、この単純な論理にこそ真実はたぶんある。
「誰が売っているのか、なぜ売っているのか」。
この中身が見えてしまえばそのトレンドはたぶん終わり。
そこに至るまでの時間が長く感じられたことだけは間違いない。
需給から見れば外国人売りの構図。
最大のヘッジファンドの売りとか政府系ファンドの売りという声がようやく聞かれ始めた。
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」ではありませんが、主役が見えれば脇役も消え始めるもの。
そして、その主役が売る要因は多くの場合は相場観などではなく「換金の必要性」。

株からキャッシュへの資金移動が終われば相場も静かになろう。
こういう主役には「相場を下げて儲けよう」なんて意図は全くない筈。
むしろ提灯チックな脇役が時に乗じて狡猾な商いを反復するもの。
脇役を主役と見間違えることが多いのも市場の歴史でもある。

「ここからの買い下がりは損も少ないでしょう」という安易な声。
そもそも買い下がりは負け戦の上塗りのようなもの。
FPチックに「株は安い時に買うもの」と言うことは簡単。
しかし、本来は「買ったら下がらないタイミング」という覚悟をもって臨んでいる筈なのが、株式市場。
リスク監理は必要でしょうが最初から負け戦の戦略というのはどうもいただけない。
たぶん重要なのは「平時」なのか「乱世」なのかの見極め。

「今は平時の最終的な下限」と考えれば25日線の第二次限界といえるマイナス10%かい離程度が射程距離。
しかし乱世となると200日線の45%程度が射程距離。
こういう時こそ普段は安易に使われる「見極め」ということが必要なのだろう。

株価はまぐろの一本釣りのようなもの。
逃げるマグロを釣り上げる間合いを図りながら釣り上げるのは押したり引いたりの繰り返し。
一気にリールを引けば糸が切れて相場は崩れます。
この緩急はそろそろ戻ってこようか。


(兜町カタリスト 櫻井英明)

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