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2017年04月1週
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04月1週
【推移】

3日(月):
週末・月末のNY株式市場は反落の動き。第1四半期末だったが売り優勢の展開となった。市場の焦点は第1四半期の業績動向。多少の懸念も登場したとみる向きもある。2月の米個人消費支出は前年同月比で約5年ぶりの高い伸びとなった。ただ前月比0.1%増と昨年8月以来の小幅な増加で市場予想の0.2%増を下回った。
3月の米ミシガン大消費者信頼感指数確報値は速報値から下方改定と経済指標はマチマチ。 ニューヨーク連銀のダドリー総裁、セントルイス地区連銀のブラード総裁、ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は米経済動向については慎重な姿勢。利上げを想定しつつも景気見通しはやや後退という印象となった。

週間ベースでNYダウは0.3%、NASDA総合指数は1.4%、S&P500は0.8%と2週ぶりに反発。月間ベースでNYダウは0.7%安、S&P500とともに5カ月ぶりの反落。NASDAQナスダック総合指数は1.5%高で5カ月続伸(累計13.9%上昇)。静かな期末ではなく前場高と後場安は天国と地獄。

3月期末は午後2時過ぎの欧州やアジアからの売り物観測で続落。1万9000円を割り込んでの終値となった。
2月末が19118円、3月始値が19393円。前月比マイナス、月足陰線。日足も週足も陰線で1〜3月足も陰線。「3月の最終売買日はこれで12年連続の陰線。12年連続の前日比マイナス」。アノマリーは成立すると登場することも多い。

完全失業率は1994以来、22年2カ月ぶりに2%台に改善。全国消費者物価指数も1年10カ月ぶりの水準に上昇。3日新甫の4月。「過去10年間外国人投資家は買い越しの4月」でもある。25日移動平均からのかい離はマイナス2.1%と今年のほぼ限界値。空売り比率は40.3%と2日連続での40%超。日経平均のPERは15.49倍でEPSは1220円。
週末は後場下落、週明けは後場上昇と連日で後場に変化の日々。153円安で73円高は半分戻しただけのことだが反発は反発。ショボかった日銀短観に惑わされず5年ぶりに期初初日の上昇となった。
週末期末は12年ぶりの日足陽線。2006年から昨年まで11年連続での「陰線」。2000年以降、3月最終日に「陽線」となったのは2005年のみ。「12年ぶり」の意義は大きかった。東証2部株価指数は初の6000ポイント台。東京エレクトロンは16年ぶりの高値。毎年サクラの開花日が違うように株式市場だって10年一日ではないということでもある。
イヤな指摘は「日経平均の25日移動平均(19307円)と75日移動平均(19257円)。早ければ10日にはデッドクロスの可能性」。前回のデッドクロスは昨年6月15日。ブレグジットの前だったと言うのは気にかかる。

引けの日経平均株価は73円97銭高の18983円23銭と反発。新年度初日としては2012年以来5年ぶりの上昇。後場大引けにかけての欧州投資家の買い物との声が聞こえる。東証一部の売買代金は2兆2691億円。任天堂、東エレ、キリンが上昇。ソニー、第一生命、りそなが下落。

4日(火):
週明けのNY株式は小幅に続落。金利の低下から金融株への売りと企業業績への期待からの押し目買いが交錯したとの解釈。もっともロシアではサンクトペテルブルグで地下鉄爆破事件が発生。ISM製造業景況指数は前月比マイナス。3月の自動車販売台数が全体として軟調だったことなど悪材料が多かった割には下げ渋りの印象。

週末発表予定の雇用統計や米中首脳会談を材料視した格好での様子見モードというところか。個別では1〜3月期の生産・出荷台数が四半期として過去最高となった電気自動車のテスラが7%上昇と大幅高。上場来高値を更新した。同社の時価総額はフォードを抜き時価総額第2位の自動車メーカーとなった。
10年物国債利回りは週末に比べて0.06%低下し2.32%。こちらは「景気への楽観的な見方が後退」との解釈。ISM製造業景況感指数は57.2。前月から0.5ポイント低下し市場予想(57.5)をやや下回った。
もっとも雇用指数は58.9と2011年6月以来5年9カ月ぶりの水準に上昇。強弱感は対立する。また1〜3月期GDPについても年率1.2%増〜3.7%増と市場予想の上下幅が拡大。強気弱気混在相場と言える。

安値試しと言う訳ではなかろうが日経平均はまた後場に崩れて2月安値18805円円を一時割り込んだ。
もっとも26週移動平均(18739円)で安値は確認し切り返した格好だ。その下には1月ザラバ安値(18650円)がある。TOPIXは1月24日の安値1506ポイントを下回ったことから「いよいよ剣ヶ峰」という声も聞かれた。
トヨタが連日の年初来安値で昨年11月14日以来4カ月半ぶりに6000円円台割れ。みずほFG株の200円割れなどメガバンク3行が年初来高安値更新。4月新年度入りで昨年来高安値が年初来高安値になった。これにより新高値は45銘柄(前日46)、新安値は394銘柄(前日268)。東証1部の売買代金は2兆5741億円と前日比1割増。
日経平均先物取引の日中商いは74400枚と前日の44900枚より6割以上増加。「先物主導の下げ」だった。ただボリンジャーのマイナス2σ(18811円)で皮一枚つながったという見方もできる。
日経平均株価のPERは15.43倍。3月期末の15.49倍を下回った。因みに12年11月14日にスタートしたアベノミクス相場以降の平均PERは15.67倍。ココを下回っている時間帯は少ないと読みたいところでもある。今年に限って言えば世界の主要株価指数で年初来マイナスなのはサウジとロシア。そして日本の3カ国だけ。東京市場はサウジやロシア並みの評価なのかは疑問が残るところ。

大引けの日経平均株価は172円98銭高の18810円25銭と大幅に反落。下落幅は一時270円を超えた。午後は欧州投資家の売りとの観測も聞かれる。東証一部の売買代金2兆5741億円。値下がり銘柄数は1620と全体の8割。しまむら。ニトリ、塩野義、JR東海が上昇、トヨタ、ホンダ。東芝、ソフトバンク、鹿島が下落。

5日(水):
NY株式市場は小動き。米中首脳会談や雇用統計、その先の決算発表待ちの状態となった。「仮に企業決算が好調でも株式は市場が大規模な減税がなければ過大評価となる」という声も聞こえる。トランプ大統領がインフラ整備計画の規模が1兆ドルを超える可能性があるとコメントしたことは好感される。
課題はその実行力と減税問題での進展となってこよう。2月の貿易収支の赤字額は前月比9.6%減の435億5700万ドル(市場予想は448億ドル)。輸出は2年2カ月ぶりの水準に増加。輸入は減少。モノとサービスを合わせた輸出が0.2%増の1928.72億万ドル。金額ベースで2014年12月以来2年2カ月ぶりの高水準となった。自動車・部品の輸出が14年7月以来の水準となったことが輸出に寄与した。

また産業用資材と原料は15年12月以来の高水準。一方でモノとサービスの輸入は1.8%減の2364.29億ドル。携帯電話や自動車、原油が減少した。中国からのモノの輸入は86.13億ドル減の327.63億ドル。減少率は20.8%。対中貿易赤字は26.6%減の229.66億ドル。ドイツに対する米国の貿易赤字は13年1月以来の低水準。一方、メキシコは46.0%増だった。
10年債利回りは2.364%。2.31%に近づいて反転したことからこの水準を抵抗地帯とみる声もある。

大引けの日経平均株価は51円02銭高の18861円27銭と反発。もっとも値下がり銘柄数の方が多く、指数への寄与度が大きいファナックやソフトバンクといった値がさ株が指数を支えた格好。この2銘柄で日経平均を約50円押し上げた。後場寄り直後に下げに転じ一時は1万8773円まで下落。1月24日の年初来安値18787円を下回る場面もあった。
東証1部の売買代金は概算で2兆2324億円。東芝、HOYA、大東建、セコム、SMCが上昇。トヨタ、ホンダ、SUBARU、三菱UFJ、コンコルディ、JAL、JXTGが下落。

6日(木):
NY株式市場は反落。スタートはADP雇用レポートの堅調さから続伸。S&P500は一時1%近く上昇。NASDAQは過去最高値を更新した。その後FOMC議事録の発表で相場は一転。「4.5兆ドルに拡大したバランスシートの見直し」や利上げスピードの緩慢さが示されたことから指数は下落。

ADP雇用レポートで民間部門雇用者数は26.3万人増。2014年12月以来の高水準で、市場予想の18.7万人を大きく上回った。3月の増加数は2014年12月以来最大となり労働市場の引き締まりは確認された。
週末の雇用統計で非農業部門雇用者数は約18万人増の見通し。前月の22.7万人増からは縮小見通し。ISM非製造業総合指数は55.2。
前月の57.6から低下し、昨年10月以来の水準で市場予想の57.0に届かなかった。FOMC議事要旨は利上げ方向だったものの「資産バブルの状態かもしれない」という指摘と解釈。市場が警戒感を強めたという見方もある。
あるいは「バランスシートの正常化の動きが成長の妨げになることへの懸念。利上げ回数の増加が見込まれることが嫌気された」いう声もある。利上げ回数に対する微妙な市場心理というところだろう。

「バイ・マイ・アベノミクス」から「バイバイ・マイ・アベノミクス」との揶揄。火曜日の15時47分〜16時34分まで浜田宏一内閣官房参与が首相官邸を訪問した。「次の手があるのかどうか」を市場は待っている印象。

考えてみれば日経平均の他にはサウジとロシアしか下げていない世界の株価指数。年初来安値水準まで売り込まれる義理はない。売り込まれている材料はと考えてみるとトランプ米大統領の政策運営能力への疑問。貿易摩擦に関する過度な要望に対する警戒感。
北朝鮮の挑戦的行動に対する警戒感。原油が下落している訳でも、企業業績は悪化している訳でもない。強いて言えばヘッジファンドからの資金流出に伴う需給の悪化も加わろうか。

08年が4269億ドル、昨年は607億ドルだったという。超低金利がヘッジファンドを弱らせたとうパラドックスさえ登場した。となると株価反転再上昇のための条件はトランプ氏が大人になること。金利を上昇させること。そして北朝鮮問題を地政学リスクから除去すること。
そんな構図になろうか。株価の低迷時は悪材料を並べてみてそれを消すシナリオが必要となってこよう。好材料を並べ立てても響かないならこれ以上悪くならないという悪魔のシナリオも必要だろう。

TOPIXに続いて日経平均も年初来安値を更新。3か月間もみ合った安値水準を下回った。東証1部の騰落銘柄数は値上がり73、値下がり1919と今年最大。前場に今年の安値を更新した日経平均は、後場に下落幅を拡大。また後場の悪魔に見舞われた格好。ドル円の動きがほとんどないのに株だけが大幅下落。アレコレと外部材料を詮索するよりも単に「売りたい向きがいる」と解釈する方が良いのかも知れない。市場を通過する多くの材料は所詮刹那的存在でしかなかろう。

日経VIは一時20.59ポイントまで上昇。2月6日以来2カ月ぶりの高水準を付けた。「海外勢によるプット買いに伴うヘッジの先物売り」との解釈が聞こえる。「ファンダメンタルズではなく、リスクセンチメントで動く相場」という指摘がもっともらしく聞こえてくる。
年初来の新安値銘柄は644(前日は307)。昨年2月12日には1000銘柄を越えていたがそれに匹敵する数。昨年2月19日に騰落レシオは76.22まで低下したが78.41(前日88.10)。
3月第5週(27〜31日)の投資部門別株式売買動向で海外投資家は7週連続で売り越し。空売り比率は45.2%(前比42.9%)。昨年9月15日の44.9%を越え昨年6月9日の47.0%に迫る水準。
昨年6月はその後ブレグジット問題で15000円割れの安値を約2週間後に付けた。空売り比率が先行指標とすれば「もうそろそろ」だろう。
昨年9月の場合は翌日から株価は反発だった。日経平均採用銘柄のPERは15.19倍でEPSは1224円とわずかずつ増加継続。「2ケタ増益連続でも売り込まれるほど東京市場は悪くない」という自信さえ芽生えれば良いのだろう。

大引けの日経平均株価は264円21銭安の18597円06銭と反落。1月24日以来2カ月半ぶりに年初来安値を更新し、昨年12月7日以来の安値を付けた。5日の米株安に加え、北朝鮮の弾道ミサイル発射をきっかけとした米朝関係の緊迫化への懸念が背景との解釈が聞かれる。FRB議事要旨のなかで、何人かのメンバーが足元の株価を「とても割高だ」と指摘しておりNY市場の金融株売りの流れが東京でも起こった。日経平均の下落幅は一時300円を超える場面もあった。
東証1部の売買代金は2兆4589億円。東証1部の値下がり銘柄数は1919と今年最多で2016年11月9日以来の高水準。値上がりは73変わらずは18銘柄。任天堂 、大塚HD、コンコルディ、ファストリが上昇。三菱電、富士通、ソニー、SMC、新日鉄住金、JFEが下落。東証2部株価指数は3日続落

7日(金):
NY株式市場は小幅に反発。原油価格の上昇を好感したエネルギーセクターが上昇。トランプ政策実施警戒感から下落していた金融セクターへの買い戻しも散見された。
もっとも上値は重く、今夜の雇用統計や米中首脳会談の結果を待つ動きもあった。

前日の下落への反動もあり、FOMCの姿勢への許容感も醸し出された格好。一喜一憂と過剰反応の意味の薄さがクローズアップされた。もっとも「S&P500のPERは18倍台で長期平均の15倍台を上回っており割高」という指摘も消えてはいない。米中首脳階段を控えたトランプ大統領。「北朝鮮の核開発問題について、中国が取り組みを強化しないのであれば米国として単独で行動する用意がある。中国が対応を強化することが望ましい」とコメント。またシリアのアサド政権に対しても「何らかの対応が必要」とコメントした。
仮想敵国に対する米国の地政学リスクは依然クローズアップされている。「トランプ大統領は中国のために失われた国内労働者層の雇用を確保するという公約の実行を迫られている。

一方米国債を大量に保有する国を相手にした強腰姿勢にはリスクが伴う」という指摘も聞こえる。北朝鮮の暴走、トランプノミクスの実現可能性、あるいは森友学園問題などに目が移行している株式市場。マスコミの大好きなネガ材料ではなく、ポジ材料を探してみれば結構ある。
例えば内閣府の消費動向調査。消費者態度指数は前月比0.7ポイント上昇し43.9ポイント。4カ月連続で上昇し2013年9月以来3年半ぶりの水準。基調判断も「持ち直してきている」と今年2度目の上方修正。雇用環境、暮らし向き、耐久消費財の買い時判断が上昇。そして公的年金は2年ぶりの黒字。国内株4.5兆円、外国株4.1兆円の利益。

逆に国内債04兆円、外国債0.7兆円の運用損。金利の低さはここでも悪材料だ。「4月は海外投資家が2001年以降16年連続で日本株買い越し。
ただも、前半は弱い場面の年もあったから4月の第2週半ばまでは注意。第1週〜第2週にかけて底値形成。4月の最終週に向かってあげてくる傾向も・・・」という声もある。

日経平均株価は65円高の18664円と反発。アメリカのシリア向けミサイル発射で一時マイナス展開となり先物主導で下落を加速する場面もあったが押し目買いに救われた格好。もっとも米雇用統計を控え様子見モードは漂った。東証一部の売買代金は2兆7654億円と拡大。値上がり銘柄数は1475で全体の7割だった。セブンアイ、楽天、ヤマト、花王が上昇。任天堂、村田、JALが下落。


(2) 欧米動向
証券界の不毛の競争がまた米国で繰り広げられつつあるようだ。
かつて通ってきた売買手数料の引き下げの過熱である。
背景はスマホ証券の登場。
かつてネット証券の台頭で登場した手数料の引き下げ。
最近では「取引のたびに10ドル払うのはもうやめよう」。
2013年創業のスマホ証券ロビンフッドマーケッツの合言葉だという。
信用金利などが収益源で株式委託手数料はゼロ。
これではネット証券も勝てずチャールズ・シュワブは取引手数料を9.99ドル→6.95ドル。
フィディリティは4.95ドルに引き下げた。
そしてシュワブも4.95ドルに値下げ。
証券会社はますます装置産業となり、販売する商品のバリューはますます低下するような印象。
利便性と経済効果は高い。
しかしこれでいいのかどうか。
自縄自縛の状況はまた世界を席巻するのだろうから、東京も他山の石とは考えられない。
ネットの次はスマホの世界にどう対応するのか。
ここは興味深いし、淘汰のあとにどこが最小に手数料を引き上げるのか。
ここも興味深い。
因みに米国の不毛競争の背景はベビーブーマーの高齢化。
彼らの世代の保有する資産が30兆ドル。
この相続争奪戦のゴングは既になっているということになる。
「バリューのないものプライスはない」。
この逆説は「バリューには必ずプライスがある」の筈。
無料で奉仕しボランティアで仕事をするのをプロと言えるのかどうか。
結構根源的な課題である。

(3)アジア・新興国動向
先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち15指数が上昇。
日米欧など先進国株は軟調な動きが目立った。
上位1位フィリピン週間騰落率3.72%、2位ポーランド3.33%、3位南アフリカ2.03%、
4位中国1.99%、5位メキシコ1.65%。
下位25位日本▲1.29%、25位イタリア▲0.94%、23位ドイツ▲0.71%、
22位ブラジル▲0.60%、18位米国▲0.03%。


【展望】
スケジュールを見てみると・・・

10日(月):国際収支、景気ウォッチャー調査、日銀支店長会議、G7外相会合(イタリア)
11日(火):独ZEW景況感、北朝鮮最高人民会議
12日(水):機械受注、国内企業物価指数、米輸入物価指数、財政収支、NY国際自動車ショー、トランプ大統領とNATO事務総長会談、中国消費者生産者物価、タイ旧正月
13日(木):都心オフィス空室率、マネーストック、米生産者物価、ミシガン大学消費者マインド指数、中国貿易収支、フィリピン、メキシコ休場
14日(金):オプションSQ、熊本地震から1年、米消費者物価指数、小売り売上高、聖金曜で主要市場休場

2016年度の売買代金トップは任天堂だった。
昨年夏のポケモンGO人気は記憶に新しいところ。
売買代金で12.6兆円だった。
2位はトヨタの13.9兆円。
3位は三菱UFJの13.2兆円。
以下、ソフトバンク12.4兆円、三井住友UFJ8.5兆円、みずほ7.3兆円、
ファーストリテ6兆円、ソニー5.7兆円、東芝5.5兆円、KDDI4.9兆円、
NTT4.5兆円、ファナック4.4兆円、JT4兆円、富士重工3.9兆円、
日産3.8兆円、ホンダ3.7兆円、野村3.7兆円、村田3.5兆円、
キーエンス3.2兆円、ドコモ3.2兆円。
これがベスト20となる。
時価総額上位、225寄与度上位に偏るのは事の性質上致し方ないがこれが現実。
どちらかというと個人というよりも機関投資家の売買に左右されている様子がうかがわれえる。

「上場企業の倒産件数が26年ぶりにゼロになった」と日経朝刊。
背景は「日銀の金融緩和政策での企業業績回復。
官民ファンドなどの企業支援体制の充実など」との解釈。
08年は45件もあったことからすると大きな変化だろう。
もっともここ数年は1ケタ台での推移。
しかし倒産件数ゼロは1990年以来。
1964年に開始した帝国データバンクの調査で倒産件数がゼロになるのは6回目。
1990年以来ということはバブル崩壊以降始めてゼロになったことになる。

JPモルガンチェースのジェイミー・ダイモンCEO。
株主への書簡で「米経済の違和感」に言及したという。
「低い労働参加率、高額な教育費、インフラ更新投資の欠如、難解な税制、ビジネス規制」。
これがアメリカ経済の死角だという指摘だ。
日本でも同様だが違っているのは次の部分。
「秘伝の調味料は米国民の自信だ」。
52か月も景気回復が続いているのに自信など微塵もない東京市場。
86年12月→91年2月の51か月を抜いて次は65年11月→70年7月の57か月に挑戦。
今年9月には達成できる。
バブルどころか高度成長期にも匹敵する歴史的日々。
それでも株価は動じないから不思議な市場だ。
もっとも52か月は4年あまりのこと。
9年も上昇している米国株はその倍の時間軸だ。
日経投資情報面では「日本株市場の主役は?」のコラム。
日本に住む外国人の比率は1%台。
日本の上場企業3600社のうり99%超は日本に本社を置く生粋の日本企業。
株主の7割は日本資本だ。
しかし海外投資家の売買比率は60%超。
世界でこれほど外国人の影響力が強い市場はないとまで言われている。
「自信=鈍感」でも良いから日本資金が「主役を張る」ことを見てみたいもの。
かつての「セイホ」とか「ザ・ハウス・オブ・ノムラ」みたいな存在はないものだろうか。
2月末時点のタンス預金は43兆円で前年同月比8%増。
増加額は3兆円でGDPの0.6%。
金利が上がらないとこの状況は残念ながらまだまだ続こうか。


「日銀短観発表が株価の短期変化ポイント」という指摘は大和のレポート。
2014年以降の日銀短観の発表日前後で日経平均は短期的に方向転換するパターンが継続。
大企業製造業・業況判断DIが前回比で上昇した場合、株価は一旦ピークアウトしやすい。
一方で、同DIが前回比で下降または横ばいの場合、株価は短期的なボトムを形成しやすい。
昨年の動向。
DIが前回比で下降または横ばいとなった3月調査(4月1日 発表)・6月調査(7月1日発表。
そして9月調査(10月3日 発表)の発表前後が株価の当面の底値となった。
一方で、前回比で上昇した12月調査(12月14日発表)で株価の上昇は一巡した。
今回の発表は市場予想通りにDIは上昇した。
ということは、株式市場は短期的に押し目を形成する方向。
ただし・・・。
「DIの上昇そのものは景況感の改善。
株価が一旦ピークアウトして押し目を形成した後に、再度の上昇につながったケースが多い」。
明るいアノマリーである。

もうひとつ明るいのはみずほのレポート。

例年4月に海外勢が日本株を買い越す傾向がみられる。
1990年以降(過去27年間)の買い越し局面が25回。
2001年以降では16年連続で買い越している
また1990年以降、海外勢の「1〜3月売り越し局面」。
(1)90年(土地融資の総量規制)
(2)08年(米金融危機)
(3)09年(同)
(4)14年(新興国通貨不安)
(5)16年(原油急落)と計5回。
いずれも4月には買い越しへ転じている。

(兜町カタリスト 櫻井英明)


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