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2017年07月4週
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《マーケットストラテジーメモ》07月4週
【推移】

24日(月):
週末のNY株式市場は小幅に下落。「GEの低調な決算を嫌気。原油先物価格の下落も重石になった」との解釈。GEの第2四半期決算は60%近い減益で着地。2015年10月以来の安値を更新した。S&P500エネルギー株指数は1%超の下落。 週足ではS&P500種とNASDAQ総合指数が3週連続で上昇した。「オバマケア見直しで身動きがとれない状況。トランプ氏とロシアとの癒着を巡る疑惑の捜査が進展。ドル相場を一段と押し下げる要因になっている」という声も聞こえる。先週の日経平均はほぼ横ばい。

米経済指標の軟化を受けて円高が進行したことから週明けは売りが先行。日経平均は節目の2万円を割り込んだ。しかし、米国主要3指数がそろって史上最高値を更新し次第に持ち直す動き。

週間では約19円の下落となったが、週足では小幅陽線。陽線は2週連続となった。TOPIXは年初来高値を更新。NT倍率は低下した。
日本橋の上を長らく覆っていた首都高速がようやく地下化されるという。兜町に青空が戻ってくるということ。その時を待ち望みたいもの。
日経平均株価は44銭安の20099円と反落、一時60円超下落した場面もあった。為替が重石となり週末要因からの売り物優勢展開だった。自動車やメガバンクなどに海外投資家の売りが見られたとの指摘もある。もっとも好業績の安川、ファナックの2銘柄が日経平均を27円押し上げた。

東証一部の売買代金は1兆9967億円。4日ぶりに2兆円を下回った。東芝、三菱電、信越、旭化成が上昇。鉄、純友鉱、ユニチャーム、塩野義が下落。

25日(火):
週明けのNYダウは3日続落。J&Jが大幅に下落し足を引っ張ったほかホームデポやGSが下落した。「前週後半に最高値を付けており今週はFOMCを控えておりひとまず利益確定」という解釈だ。ただ無風予測のFOMCを警戒するのかどうかは微妙なところ。何か解説しなければならない必要性からの言葉だろう。
「債券市場で金利が上昇。通信や公益など配当利回りの高い銘柄に売りが広がった」という声も聞こえる。とはいえ好業績のキャタピラは買われており全面的弱気ではない。
しかもアルファベットやアマゾン、フェイスブックが上場来高値を更新。NASDAQ総合株価指数は反発し2日ぶりに史上最高値を更新した。史上最高値を更新するのは、今年41回目。

日経朝刊ではマーケット商品面が16ページ目で投資情報、マーケット総合面の前に掲載されるという珍しい現象。おそらく理由はIBMの4ページカラー広告。「飛躍し続けるあなたへ」としてAI、クラウドなどのPR。記事より広告が主役というのは既に常識だが、商品と株式の順番を変えたのは滅多にないことだ。AIなどに期待するのか、商品市況するのか、判断に迷うところ。

日経平均株価は20円47銭安の19955円20銭と3日続落。「FOMCと企業決算待ち」の声が聞こえる。一時上昇した場面もあったが次第に売り物に押された格好。

東証1部の売買代金は1兆8865億円と2日連続の2兆円割れ。
東証1部の値下がり銘柄数は1297で全体の64%。安川電、田辺三菱、信越、デイキン、ヤマト、楽天、塩野義、キリンが上昇。東芝、任天堂、ドコモが下落。

26日(水):
NY株式市場は上昇。S&P500とNASDAQ総合は終値ベースで過去最高値を更新した。 個別企業の決算でマクドナルドやキャタピラーなどの決算を好感。 CB消費者信頼感指数は121.1で着地。市場予想の116.5を上回ったことも市場心理を好転させた。供給過剰懸念が和らいだことから3%超上昇した原油高も追い風。

「FOMCの声明内容が資産圧縮や追加利上げのペースについてそれほど前のめりにはならないとの観測が台頭。 低金利、低インフレ、好決算を背景にダウは100ドル以上上昇」と解釈された。「FOMCを待つとか企業決算を見極める」なんて解釈がいかに刹那的かついい加減かという証左でもあろう。
10年国債利回りは2.33%。前日の2.25%から上昇。
市場関係者のコメントは「FRBは9月会合でバランスシートの縮小開始」。ただ追加利上げは12月以降との観測が拡大。 12月利上げ確率は53%。「トランプ米大統領がイエレンFRB議長の再任を検討」という報道も出始めている。

救いは空売り比率が38.1%と40%を超えていないこと。そして日経平均採用銘柄のEPSが1397円まで増加してきたこと。今年のリズムが4日続落までと決め打ちすれば、明日の反発を早取りする動きも出てこようか。内閣支持率の低下。 2015年7月も38%まで落ち込んだ。しかし8月は46%まで反発。16年5月に50%まで回復。株価も上昇した。
気になるのはエール大学教授の浜田宏一氏の直近のコメント。「消費増税延期は正解だった」。これは19年の消費増税にもつながる伏線だろう。「内閣改造などの処方箋と経済対策」なんて矮小なものではない。脱デフレへの路線をどう再構築するのかが問われているのである。決して加計とか破棄文書などを問うている訳ではない。ココを履き違えては行けない局面。
週末の横浜市長選はほとんど話題にもならないが、通過すればIRとかカジノとか言い始めるに違いない。

7月21日時点の信用買い残は2兆6210億円。7週連続増加で4ヶ月ぶりの高水準。信用売り残は前週比59億円減の9506億円。約1兆円の踏みというのを見てみたい」という声もある。日経平均株価は94円高の20050円と4日ぶりの反発。2万円台を3日ぶりに終値ベースで回復した。NY株高と為替の円安トレンドを好感し買い物優勢の展開。後場上昇幅を縮小した場面もあったが、結局前引け水準をわずかに上回って着地した。

東証1部の売買代金は2兆1965億円と4日ぶりに活況の目安となる2兆円を上回った。東芝、ソニー、コマツ、日立建機、デンソー、トヨタが上昇。信越化、日電産、ダイキン、キーエンス、旭化成は、ユニチャーム、花王、JR東海が下落。

27日(木):
NY株式市場は主要3指数がそろって史上最高値を更新した。FOMCでの政策金利据え置きとボーイングやATTなどの決算を好感したとの解釈。通過したFOMCは政策金利を据え置き。そして「比較的早期に」バランスシートの縮小に着手する方向。市場予想通りだったし、サプライズもないが通過したことが重要だった。次のFOMCは9月と夏の空白時期。目印を求める為替市場では次の焦点は8月24日からのジャクソンホールなのだろう。

株式市場のボラティリティは低下。VIX(恐怖)指数はFOMC声明発表数秒前に9を下回った。従来のザラ場に記録した過去最低は、1993年12月27日につけた8.89だった。12月利上げの確率は声明公表前の52%か50%に後退した。

ドル/円はFOMC声明発表後に下落し111.21円レベル。ユーロ/ドルは一時1.1739ドルと2015年1月15日以来の高値を付けた。「『比較的早期に』という表現は9月という予想に合致する。
しかし9月開始についてもっと強い文言かはっきりした言い回しが期待されているようだった」。結局言葉の遊びとしか思えない声が聞こえる。
市場関係者がこの言葉の遊びに傾倒している姿はある意味滑稽なのだが当事者は気が付かないのだろう。スペインやギリシャの国債利回りは低下しているのも、興味深い現実だ。

一部市場関係者の予測では今頃財政破綻していたはずの国の債券が買われているというのも現実。7月21日現在の信用評価損率はマイナス6.42%と2週連続改善。裁定買い残が64億円増加の1兆6216億円。売り残は123億円減少の1517億円。裁定はほとんどやる気なしの印象。空売り比率は38.6%。
日経VIは12.23と2010年11月の算出開始以来の最低を記録した。

東証1部の売買単価は1271円とさほど低下している訳ではないのが特徴。1株当たり時価は1597円まで増加してきた。

28日(金):
NY株式はマチマチの動き。主要3指数は揃ってザラ場の史上最高値を更新したが午後にナスダック指数は急落。4日ぶりの反落となった。耐久財受注はプラス6.5%増と3年ぶりの水準で着地。債券は売られた。フェイスブックの決算は好調で上場来高値を更新。

7月第3週の個人投資家は953億円の売越し。海外投資家は861億円の買い越しだったが先物は2353億円の売越し。

日経平均株価は119円安の19959円と3日ぶりの反落。NY市場のハイテク株反落を嫌気した格好で半導体関連セクターなどに売り物がかさんだ。
東証一部の売買代金は2兆7735億円。値上がり銘柄数は807。東京エレクトロン、東芝、富士通が下落。デンソー、資生堂、アステラス、オムロン、日立建機が上昇。東証2部株価指数99日ぶりの反落。


(2) 欧米動向
米国ブルベア指数はブルが60.2パーセント。ベアが16.5パーセント。ブルの60パーセント超は今年3月以来。大きな調整の前触れという声もある。

(3)アジア・新興国動向
先週の世界の株式相場は主要25の株価指数のうち17指数が上昇。
上位1位ベトナム週間騰落率2.00%、 2位南アフリカ1.57%、3位ブラジル1.26%、4位米国1.16%、5位インドネシア1.14%。
下位25位韓国▲2.00%、24位英国▲1.13%、23位ロシア▲1.02%、22位日本▲0.70%、21位メキシコ▲0.68%。


【展望】
スケジュールを見てみると・・・
週末:スクエニがドラクエを発売、横浜市長選
31日(月):鉱工業生産、米中古住宅販売、シカゴ購買部協会景気指数、中国製造業PMI
1日(火):東芝が1部に指定替え、東京五輪大会マスコット公募、米ISM製造業景況指数、米新車販売、個人所得、ユーロ圏GDP
2日(水):マネタリーベース、消費動向調査、米ADP雇用レポート、ASEAN閣僚会議(マニラ)
3日(木):米ISM非製造業景況指数、製造業受注、英国金融政策発表
4日(金):勤労統計調査、GPIFの4〜6月の運用実績発表、米雇用統計、貿易収支

【8月】
2日(水)ECB理事会
3日(木)ゴルフ全英女子オープン、変化日
4日(金)陸上世界選手権、天王星逆行開始
8日(火)ケニア大統領選、ASEAN発足から50周年、部分月食、満月
9日(水)変化日
10日(木)SQ、ゴルフ全米プロ
11日(金)山の日で休場
13日(日)水星逆行開始
15日(火)変化日
21日(月)バドミントン世界選手権(英グラスゴー)、仙台市長任期満了
22日(火)皆既日食(日本では見えない)、変化日
27日(日)土星順行開始
28日(月)テニス全米オープン、ロンドンはサマーバンクホリデーで休場
29日(火)変化日
29日(火)横浜市長任期満了
31日(木)サッカーW杯アジサ最終予選(日本VS豪州)
下旬:米カンザスシティ連銀金融シンポジウム(ジャクソンホール)
シンガポール大統領選

【9月】
1日(金)厚生年金保険料引き上げ、欧州最大の家電見本市「IFA」(ベルリン)、変化日
4日(月)レーバーデーでNY休場
5日(火)サッカーW杯アジア最終予選サウジVS日本
6日(水〉満月、水星順行開始、米ベージュブック
7日(木)ECB理事会、変化日
8日(金〉メジャーSQ
12日(火)国連総会、北米最大の携帯見本市「モバイルワールドコングレス」(サンフランシスコ)、夏季ダヴォス会議(大連)、フランクフルト国際自動車ショー
13日(水)変化日
15日(金)米メジャーSQ
18日(月)敬老の日で東京休場、IAEA総会(ウィーン)
19日(火)米FOMC(〜19日)
20日(水)日銀金融政策決定会合(〜21日)、変化日、新月
21日(木)東京ゲームショー(幕張)
25日(月)茨城県知事任期満了
29日(金)変化日

(兜町カタリスト 櫻井英明)


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