みちしるべ 17年11月27日号
(11月27日から12月01日の週)
月足陽線基準22420円を捉えてSQ値22531円もターゲット。
11月の最終週は日本、アメリカともに株価が上昇するというアノマリーがある。
2000年以降でみると、11月最終週の日経平均は16勝1敗。
12月1日に3月期決算企業の中間配当の支払いが行われることが多い。
「配当金の再投資」による需給要因で上がりやすいというのがその理由だ。
11月最終週は株高のアノマリーに期待場面だ。
日経平均想定レンジ
22420円(11月月足陽線基準)〜23010円(PER15倍水準)
年初からの個人の売越額は5兆円。
「個人は日本の変化に自信を持ちきれていない」というのが市場関係者のコメントだ。
押し目を待っても押し目なしの展開が続いているからいい加減にウズウズという側面もあろう。
それが表現されてきたのは信用取引だという。
もっとも06年には6兆円まで積み上がった買い残はまだ2.83兆円。
逆にいえば3兆円の積み増し余地があることになる。
これは裁定買い残も一緒で積み増し余地は3兆円。
仮定の計算ながら併せて6兆の買い余力。
ここに日銀のETFの1兆円程度を足せば7兆円。
結構大きい数字となる。
日経平均のPERが14倍台で予想益回りは6.07%と6%台。
どう考えても収益面からの割安感はある。
月曜日経朝刊トップは「成長か衰退か」。
サブタイトルは「生産性考」で小見出しは「危機を好機に」となっている。
未来はロボット言う論調だが、興味深かったのは「時空を超え革命を」の部分。
「300年前、今の日本と同様、生産性の低さに苦しむ国があった。
英国だ。
産業革命(1760年〜1830年ころ)が始まる前は賃金の高さの割には生産性が低いため、
国際競争力が高まらず、綿などの工業製品は人件費の安い中国やインドと勝負にならなかった。
その高い人件費こそが省力化のニーズを高めた。
ワットの蒸気機関の改良などを後押しした。
これが英国で産業革命が実現した要因となった。
産業革命前の1750年には世界の工業製品に占める中国とインドのシェアは57%。
1880年には15%まで急減。
同期間に英国は2%から23%まで増やした。
300年前の英国と時空を超えて重なる日本の姿」。
とても興味深い。
(兜町カタリスト 櫻井英明)