みちしるべ 18年02月26日号
《Eimei「みちしるべ」》
(2月26日から3月2日の週)
米債券利回りは小幅に低下。
7年債入札に対する需要は低調。
総額290億ドルの7年債入札は応札倍率が2.49倍と、昨年11月以来の低水準。
中国や日本などの直接入札者による落札比率が昨年9月以来の高水準になったという。
米国内資金が手を引いてきた米国債を買うアジアマネーの構図は如何なものだろう。
財務省は今週総額2580億ドルの国債入札を実施。
2010年8月の約2590億ドルに次ぎ、過去2番目の高水準だ。
背景は税制改革やインフラ投資。
トランプ支援のアジアマネーというところか。
日経平均想定レンジ
下限21190円(2月SQ値)〜上限22773円(75日移動平均水準)
「3月の第一営業日を含む週の株高アノマリー」の週。
週間ベースで過去8年連続上昇。
過去8年間では、その翌週以降の日経平均も連続して上昇したケースが多い。
「米国で例年2月から本格化する個人への税還付の勢いとそれによる米国投資家の資金需給改善の後押し」。
今年も強くなって欲しいもの。
20カ月連続高の「月の初日」の週の株高期待。
まずは12月SQ値22590円奪還が第一目標だ。
受け渡しベースでは実質3月入り。
興味深かった話は古銭と骨董の収集家の心構えの差。
骨董の世界では目の前に現れたものが贋物ではないかと疑ってかかるところから入っていく。
一方古銭、古貨幣の収集家は目の前の物が本物であるという前提で話が進む。
骨董も古銭も傍から見れば同じようなものだが決定的な違いがあるという。
株の銘柄や材料に対する態度はどうだろう。
材料を贋物と見るか、材料を本物の夢や悪夢と捉えるか。
これは人様々だ。
しかし疑いを持たないからといってポートフォリオが贋物ばかりとはならないだろう。
ここは救いかも知れない。
日経朝刊「私の履歴書」の今月は良品計画の松井元会長。
同社の沿革を興味深く読んでいたが、日曜朝にハッとした。
「掛時計の製作者にどこを工夫してのですかと聞いたことがある。
答えは『駅や公園の時計をイメージした。
今、何時かがの視認性が一番大事だから』。
白い文字盤に数字と針。
無駄をそぎ落とすと本質が見えてくる」。
株式市場でもこんなことがあるような気がする。
修飾されているから見えにくくなることは多い。
本質は単純明解でなければならないということだ。
「デザイナーの名前は一切出さない。
商品の価値だけでお客様にてしてもらう」。
価値と本質の神髄だろう。
あるいは・・・。
最近の臨床医は患者の表情や目を見ることなくデータだけを注視する傾向がある。
患者は人間。
でもデータだけで人間を判断する傾向というのは良いのか悪いのか。
これでは「臨床」ではなく「臨数」あるいは「臨罫線」みたいなもの。
見えないものが浮かぶ上がることもハッと気が付くこともないような気がする。
(兜町カタリスト 櫻井英明)