みちしるべ 18年03月05日号
《Eimei「みちしるべ」》
(3月05日から3月9日の週)
日経平均は3月2日までの3日続落で終値ベースで1208円の下落。
週間では約711円の下落。
週足は2週連で陰線。
週間ベースでは、日経平均株価は3.25%、TOPIXは2.96%安。
ともに3週ぶり下落。
東証マザーズ指数は0.20%安、2週ぶり下落。
日経ジャスダック平均は0.86%、3週ぶり下落。
東証2部指数は1.20%安、3週ぶり下落。
「中小型材料株の一部が頑張っている印象」との見方だ。
25日線からは4,5%のマイナスかい離。
200日線からは0%。
騰落レシオは82.32%。
日経VIは26.88まで上昇した。
空売り比率は48. 8%と過去最高を記録。
2016年6月の47%を越えたことは反転サインと読むことも可能だ。
日経平均のPERは12.58倍。
シカゴ225先物終値は大証日中比5円安の21125円と落ち着いた展開。
今回の下落の主役が表面上の米金利上昇とか保護貿易の問題であるならば反転タイミング。
ただ海外投資家の執拗な売りの背景の主因主役が別であるならばこの限りではなくなる。
パリバショックから本尊のリーマンショックまでの時間が1年だった。
本尊探しの今後数ヶ月という気がしないでもないが杞憂の可能性は高い。
2月SQ値は21190円。
週末は雇用統計。
陰線4本にマド2つ。
もう一つの窓を欲しがるのだろうか。
「パウエル試し」なのか「パウエ ルいじめ」なのかどうか。
いずれにしても8年4ヶ月も景気拡大を続けている米国。
あと2年で「過去150年間で最長の拡大」まできている。
これが現実で舵取りは誰でも難しい。
「パウエル氏は株式市場のクラッシュや金利の急騰、ドル急上昇を見たくない」とこの声。
これは当然だろう。
だからこそ登場したのが「パウエル・プット」。
FRBが金融緩和策という形で市場に対して助け船を出して相場を支えてくれるだろうという期待や安心感。
これが下落リスクを軽減するプット・オプションと同じような役割を果たすという思考法だ。
そういえば2月初めの下落の際は1週間で110億ドル分のMBSを買い入れていた。
一方で市場は「テーパー・タントラム(市場の癇癪現象 )」も気にしている。
「テーパリング(Tapering)」と、かんしゃくを意味する「Temper tantrum(テンパータントラム)」を組み合わせた造語。
2013年5月にFRBによる異例の量的緩和縮小示唆から国際金融市場に大きな波乱を巻き起こした際に作られた。
また「マエストロ・グリーンスパン氏」とのデジャブも指摘される。
マエストロ(巨匠)と呼ばれたグリーンスパン氏。
FRB議長就任直後にブラックマンデーに遭遇。
株価重視の金融政策に傾斜しリーマンショックの遠因をつくったと今では言われる。
親グリーンスパン、反グリーンスパンのどちらを選択するのかは結構難しい。
そう言えば・・・。
「世界経済が同時に拡大した」という環境は、景気循環の3つの段階。
(1)景気後退後の最初の回復期
(2)次の景気後退期の直前
(3)何らかの金融危機の 前
この(3)でないことを願うばかりという向きも多いことだろう。
日経平均想定レンジ
下限21179円(200日移動平均水準)〜上限22175円(25日移動平均水準)
●40年かけて得たもの
★「なぜ株価は動くのか」→「どう株価は動くのか」を追う姿勢=仮説の実証の継続
★株式市場では価値と株価は常にイコールではない
★「投資家の熱意」と「情報メディアの発達」=効率的市場仮説への挑戦
ベストは「私だけが知っている」→不可能に近い:でもフィールドワークは重要
★「踊らない。騒がない。慌てない。諦めない」
★株価を買わず株を買う、株価を売らず株を売る
★銘柄選択とタイミングの重要性は同等=相場はリズム とスケジュールの産物
★政府資料は宝の宝庫
★「株価は景気の体温計」→「株価は欲望の血圧計」
★「枝葉末節ではなく本質を」
★投資の前線で必要なのは完璧な準備と覚悟=経営の志と投資家の覚悟の戦い
★企業には訴えたいメッセージがある
★トップの表情を読む:野望と執念
★「明確な未来予測図が描かれているか」と「社会に必要不可欠な存在か」
★相場は不連続と連続の反復→驚きが市場の餌になる
★体感リズムこそ本当の相場観
★IPOで踊らない→セカンダリーこそ本物の相場だしわかりやすい
★「注意しましょう、警戒しましょう」だから何?
●自分シナリオを創造する
基本は「フェアバリュー・フェアプライス」
報道の裏側に迫るには原典に あたろう
相場は想像力と記憶力
明確な目的と明確な方向を持つ
「わからない」は相手にしない
株は戦いであると同時に人に感動を与える芸術
アノマリーとスケジュールが重要だ
(兜町カタリスト 櫻井英明)