みちしるべ 18年04月02日号
《Eimei「みちしるべ」》
(4月02日から4月06日の週)
週末の日経平均は続伸。
200日線(21329円)を回復。
その上の25日線(21512円)は右肩下がりで0.3%のマイナスかい離だ。
「日々線は2つの平均線に挟まれてサンドイッチ状態」という声が聞こえる。
もっとも前週末の3月23日は974円安。
様相は少し変わってきた。
週間で836円高と大幅反発。
週足は3週ぶりに陽線。
月足は2か月連続で陰線。
23日の安値20347円からは1000円以上上昇したことになる。
3月月中平均は21395.50円。
昨年3月月中平均19340円からは2055円の上昇となった。
13週線(22267円)と26週線(22261円)は微妙なデッドクロス。
ここからの復活が望まれる。
月足はうまい具合にボリンジャーのマイナス1σ(20339円)で止まった格好だ。
ドル円も104円台からの切り返し。
「円高と株安の2つの警戒が払しょくされた週」との見方だ。
「大きく崩れた翌週の明確な反転は戻り基調の印」。
そして「どっちに動くか、正念場を迎える」と見解が混在。
ほとんど指摘されないが3月期末権利配当落ち分を埋めたことが本来は一番評価されていい筈だ。
2017年度最終売買日の日経平均株価は16年度末比2542円(13.5%)高。
年度末としては1990年度末(26292円)以来27年ぶりの高値となった。
そして4月は2001年以降、毎年海外投資家の現物買い越しが観測される月。
背景は、米国の個人への税還付とされる。
例年約30兆円が2月から5月までの間に個人に対し還付る。
その一部が投資に回っているという観測。
4月は17年連続で海外投資家が買い越しだ。
そしてNYダウも同様に高いというのがアノマリー。
過去28年で日経平均は16勝12敗で3位。
ジャスダック平均は19勝9敗で2位。
過去10年での月足では6勝4敗。
アノマリー的には4月は上げの確率が70%を超えるような「上げの特異日」がない。
「下げの特異日」も少ない。
そしてゴールデンウィークの谷間の日は高いというのもある。
日経平均想定レンジ
下限21575円(3月メジャーSQ値)〜上限22659円(2月5日マドあけ水準)
東京の桜は満開。
「森友学園記事件も似たような時間軸」という指摘。
4月21日の安倍首相主催の「桜を見る会」。
「日米首脳会談を成功させて帰国できれば、支持率も回復に向かうだろう」という声が聞こえる。
節分来、相場を悩ましてきた制裁関税の問題。
「過去の米国の制裁関税決定では、NY株は2週間ほど低迷る傾向(4%安)。
ドル円は1ヶ月半ほど円高(4%前後円高)となってその後安定に向かう傾向だった。
米国の鉄鋼・アルミ産出額は経済全体の0.5%弱。
関税の直接効果は物価面でも貿易数量面でも軽微。
日本の対米輸出は年15兆円(GDPの3%弱)。
鉄鋼・非鉄輸出は3057億円(同0.06%)。
鉄鋼・アルミの関税だけであれば影響は軽微と考えられている。
問題は年6兆円規模の日本の対米輸送機器輸出だろうか。
OECDの試算では、世界貿易戦争(米・中・欧で全品目に10%の追加関税)の場合、世界の実質GDPが1.4%減少。
貿易量が6.0%減少するとの推計が示されている。
「後を見るか。先を見るか」というのは相場観の普遍のテーマだろう。
「過去に饒舌、未来に寡黙」というのが通例だが、過去を捨てるわけではなく過去から未来を類推し想像するということ。
ココが重要な点だ。
どういうことかというと・・・。
例えば騰落レシオ。
25日前の値上がり値下がり銘柄数が消え、今日の値上がり値下がり銘柄数が入る。
つまり過去からの連続性且つ非連続性が登場しているということ。
今を考えるのではなく過去を振り返ることが重要であることは間違いない。
あるいは紙芝居チックな200日移動平均も同様。
200日前の株価が消え、今日の株価を反映する。
ならば199日前が消えて、198日前が消えるとどうなるのか。
その先読みこそが求められているのが相場だ。
(兜町カタリスト 櫻井英明)