話題レポート
《Eimei「みちしるべ」》
(6月11日から6月15日の週)
「未来投資会議」での成長戦略素案は「IoT、AI、そしてフィンテック」がテーマ。
市場がどう評価するかだろう。
「骨太の方針2018」の素案も発表された。
「経済財政運営と改革の基本方針2018」だ。
重要なのは「生産性革命の実現と拡大」。
ほとんど未来投資戦略と連動している。
↓
(1)基本的考え方
(2)第4次産業革命技術がもたらす変化・新たな展開:「Society 5.0」
(3)Society 5.0の実現に向けて今後取り組む重点分野と変革の牽引力となる
「フラッグシップ・プロジェクト」
(4)経済構造革新への基盤づくり
(5)イノベーション・エコシステムの早期確立
(6)今後の成長戦略推進の枠組み
日経平均想定レンジ
下限は22171円(6月月足陽線基準値)〜上限23211円(1月31日安値窓開け水準)
土曜の日経朝刊「平成の30年、陶酔の先に」。
サブタイトルは「海外勢が席巻、株取引に変革の波」。
海外投資家の株式保有比率。
1989年4.2%→2017年30.1%。
海外投資家の売買シェア。
1989年12.1%→2017年69.3%。
いずれも大きな伸びとなった。
7割の売買シェアを持つ投資家が3割の株しか持っていないというのも現実。
ココが東京市場の弱さの一因だろう。
そしてこれらを助長・支援したのが「金融ビッグバン・アローヘッド・ヘッジファンド」。
時価会計も四半期決算も同様だろう。
しかし「空洞化感」は拭えないのも現実。
「ヘッジファンドを巻き込んだ外資系証券はアルゴリズムを導入。
そして個人顧客の注文はボイスから電子になり証券業は装置産業化した」。
これが歴史だ。
新しい時代は、新たな姿の市場が必要であることは間違いない。
「市場と企業の活性化に日本のマネーを日本の運用者が動かす姿が不可欠」。
これは理想の道だ。
しかし・・・。
「欲望」を素直に表現する海外勢と「欲望を学問に転嫁」する東京の差が歴然としている。
経済紙が「日の丸トレーダー」なんて勇ましい言葉を使って自慰的表現をしている間は無理だろうが・・・。
ある老練熟練な市場関係者のコメント。
「ベルリンの壁が崩壊した後、最も大変な目に会ったのが日本でした」。
思い起こしてみれば・・・。
1989年、年明け1月に昭和天皇が崩御。
時代は平成になった。
天安門事件が起きて、ベルリンの壁が崩壊。
社会主義国が次々と倒れ冷戦が終結。
翌年は湾岸戦争。
そしてドイツ念願の再統一。
更に一年後にはソ連の崩壊。
株価的には1989年末がバブルの絶頂。
その後の円高や金融ビッグバン、国際会計基準導入などで世界の風に晒され耐えた日本。
歴史の皮肉の反復はないとは思うが・・・。
世界で起きたことは多分「アメリカの東西冷戦勝利、そして東側の数多くの閉鎖性からの脱却」。
「ルールは不変」というのが日本的思考法。
しかし「ルールは可変で自分の都合の良いように変えられる」というのが西洋的思考法。
これは今後も問われ続けるに違いない。
(兜町カタリスト 櫻井英明)