話題レポート
《Eimei「みちしるべ」》
(12月25日から12月28日の週)
TOPIXは1500ポイントを割り込み17年4月以来の安値水準。
東証1部新安値銘柄数は1335。
リーマンショック時の08年10月7日の1202銘柄を上回って過去最高。
(もっとも当時の上場銘柄数は1700銘柄台、現在は2130銘柄)。
騰落レシオは今年最低の68.06。
日経平均のPBRが1.05倍まで低下。
25日線からは6.6%、200日線からは9.5%のマイナスかい離。
松井証券信用評価損益率速報で売り方 ▲1.718%。(16年2月12日△1.843%)。
買い方▲21.600%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方△5.455%。(18年10月29日△10.13%)。
外国人の5週連続売り越しはキツイ。
日足陰線は4本連続。
26週移動平均(22370円)と52週移動平均(22359円)はかろうじてデッドクロスを免れた。
24か月移動平均(21289円)は大分上に遠のいた。
トランプ大統領の気持ちになってみると・・・。
「中間選挙は下院を共和党に取り返されたもの、これは想定の範囲。
次は2020年の大統領戦がターゲット。
となれば来年後半に株価下落あっては困る。
むしろ2020年夏に向けての株高を演出できるならば今下落しておく方が得策」。
荒唐無稽な推論ではあるが、気持ちとしてはそうだろう。
日経平均想定レンジ
下限19738円(25日線からマイナス10%乖離水準)〜上限21593円(25日線水準)
気になるのは下がってきた銘柄の信用倍率が上昇していること。
「安くなったから買う」のいつもの動き。
例えば東京エレクトロン(8035)は信用売り残16万株、買い残221万株。
トヨタ(7203)はさほどの下落ではないが売り残70万株、買い残314万株。
「押し目買い」で注目したいところですが、この信用残の整理は時間がかかるかも・・・。
むしろ低信用倍率の方が役立つかも知れない。
NYはクリスマスラリー(年内5営業日と年明け2営業日)のアノマリーはある。
日経平均は12月の最終売買日(今年は28日)を含む週は週間で陽線になる確率も高いアノマリーがある。
26日は株高の日。
そこからの逆襲に期待したい最終週。
週末の日経朝刊の見出しは「貯蓄から投資は218年も逃げ水だった」。
↓
1860兆円に膨らんだ家計金融資産の過半は預貯金で眠り続けている。
アベノミクスの刺激の下、6年続いた年間株価上昇も途切れる。
底流には猛スピードで進む高齢化とういう地殻変動があるだけ。
バトンタッチを急がなくては個人投資家が「消滅」してしまう。
日本の個人株主数は、1人で複数株持つ人の口座の「名寄せ」後で1900万人程度。
ある大手証券会社平均年齢は「60台後半」。
関西地盤のある中堅証券は「70歳を超えた」という。
そもそも日本の人口の4分の1が65歳以上。
約1860兆円の家計金融資産の過半がこの層に集中。
さらにその半分は75歳以上が保有。
適温相場に別れを告げ、貿易戦争が続く中で消費税増税も始まる19年。
今に始まったことではないが投資の高齢化は相場の低迷化につながっているのかも知れない。
(兜町カタリスト 櫻井英明)