話題レポート
《Eimei「みちしるべ」》
<大発会>
戊戌の年は終わり己亥の年へと橋を渡った。
相場では記録も記憶も大切。
2018年も「捨てる勇気と拾う勇気」が問われた1年だった。
見えない影に怯えることばかりの日々。
重要なのは「自分で確認し、自分で考え、体でリズムを感じること」。
これが2019年のテーマだ。
相場は人生の縮図。
晴れの日も雨風の日もある。
晴れ続けないし振り続けない。
僅かな進歩を反復しながらそれでも成長し老いていく。
後退は滅多にしないものだ。
そういう視点で相場を見れば、たとえ一歩前進二歩後退でも進んでいる。
だから騒がない、慌てない。
そして諦めない。
一日一日の積み重ねの集大成が人生であるならば相場もまた同じ。
一日一日を頭に刻みながら、年月を振り返り年月の先を類推していく。
重要なのは負けないマインドと志だ。
それが大切だと思う。
「面白き事もなき世を面白く」は幕末の高杉晋作の辞世。
日経元旦朝刊1面の見出しは「つながる100億の脳」。
サブタイトルは「知の探究 常識通じぬ未来へ」。
当然ながら連想は人工知能(AI)、ビッグデータ分析・解析関連となる。
しかし・・・。
面白いかどうかは別。
下の句は「すみなすものは心なりけり」。
ココは本人が詠んだかどうかは異論のあるところだか、基本は「ココロ」。
心の持ちようで相場観はいかようにも変わるものだ。
日経元旦朝刊で経営者が占う2019年
日経平均株価の高値予想は23925円。
安値予想平均は19110円。
そして経営者が占う2019年有望銘柄5銘柄。
1位(昨年1位)トヨタ(7203)
2位(2位)信越化学(4063)
3位(22位)ソニー(6758)
4位(4位)ダイキン(6367)
6位(4位)日立(6501)
年足陽線基準は23506円。
昨年比プラス基準は22764円。
いずれも下回っており7年ぶりのマイナスの年。
戌笑うどころではなく犬咆哮して彷徨する年となった。
週足陽線基準は19155円。
前週比プラス基準は20166円。
終値で19957円を上回れば3日連続の日足陽線だ。
NYはクリスマスラリー(年内5営業日と年明け2営業日)の株高アノマリー。
日経平均は12月の最終売買日(今年は28日)を含む週は週間で陽線になる確率も高いアノマリー。
月足用線基準は22574円。
「3日新甫は荒れる」の今月の日経平均の値幅は約3300円。
やはり荒れた。
1月、4月、6月、7月、8月、9月、11月がプラス。
7勝5敗が今年の成績だ。
「戌の年は寄り付き天井」のアノマリーもほぼ成立してしまった。
何気なく年初に書いていたが、まさか実現するとは思わなかった。
「年足で見ると、戊(つちのえ、西暦末尾が8の年)は年足が陽線だと年初が安値。
陰線だと年初が高値になることが多い。
寄り切り線、寄り付き坊主と言われる足で、出現以降も方向感が続きやすいとされる」。
シマッた。
「己(つちのと)」相場の日経平均は「日経平均は年末に向けて概ね一貫上昇となったケースが目立つ」。
と大和のレポート。
↓
ITバブルの1999年。
日経平均が最高値を記録した1989年のバブルの天井。
歴史的な大相場となった年もある。
米国では米大統領の政権3年目には米国株が上昇する確率が非常に高いことが知られている。
12月21日裁定買い残は1699億円減の5578億円。
東日本大震災の時に外資系が徹底した時の約2500億円以来の低水準。
裁定解消で悪さのしようはない。
裁定売り残は670億円増の7033億円。
売り残と買い残の逆転は2016年10月以来。
底打ちサインと見ても良いだろう。
覚えておくべきはクリスマスの1010円安の時の指標。
値上がり27銘柄、値下がり2096銘柄。
新高値ナシ。新安値1601銘柄。
騰落レシオは65.64まで低下した。
NT倍率は13.49倍。
25日線からは10.9%、200日線からは14.0%のマイナスかい離。
25日線からは第二次限界水準まで到達した。
松井証券信用評価損益率速報で売り方△1.997%。(16年2月12日△1.843%)。
買い方▲25.732%(16年2月2日▲25.918%)。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方△9.500%。
(18年10月29日△10.13%)。
買い方▲34.966%と過去最高を更新。
空売り比率は42.6%。
空売り規制なし銘柄比率は8.5%でこれも限界水準。
日経HVは29.1。日経VIが32.25と急上昇。
日経平均のPERは10.71倍。EPSは1788円。
PBRは0.99倍と12年11月以来6年ぶりの1倍割れ。
東証1部のPERは11.95倍と12倍割れ。
PBRは1.05倍。
配当利回りは2.67%。
株式益回りは8.36%まで上昇した。
ボリンジャーのマイナス3σが19321円でこれも割れ込んだ。
あらゆる指標は限界値。
むしろ「臨界値」と言ったほうが良いのかも知れない。
(兜町カタリスト 櫻井英明)