話題レポート
《Eimei「みちしるべ」》
(2月25日から3月1日の週)
先週金曜までの日経平均の日足は5日連続陽線。
昨年11月26日以来の5日陽線だ。
勝手雲はいったんねじれたが26日からはまた白さが広がってくる。
26週線が21717円。
24か月線21425円はほぼ上抜けてきた。
12ヶ月線は22037円。
週足の一目均衡の雲の下限が21417円、上限が22227円で近づいてきそうな気配。
月足の雲の下限が21177円。上限が21691円。
黒くねじれるのは9月でまだ先。
月足陽線基準は20788円。
日経平均想定レンジ
下限20823円(一目均衡の雲の上限水準)〜上限22698円(12月3日高値)
木曜日経1面トップの見出しは「遺伝子薬、国内初承認へ」。
サブ見出しは「足の血管再生と白血病」。
↓
血管再生で承認されたのは東証マザーズに上場するアンジェスが開発した「コラテジェン」。
重症になると足の切断もある閉塞性動脈硬化症などが対象だ。
患者は国内では15万人いるとされる。
血管がつまった足に新たな血管をつくる遺伝子を注射して治療する。
正式承認を経て、薬価は5月にも決まる。
関係者によると治療費は一人200〜300万円になるよう設定されるという見方がある。
バイオベンチャーとしてのマザーズ上場第一号の同社。
苦節20年近い時間を経てようやくこぎつけたという格好だ。
ここで門が開いたということは、足に限らず、将来はさまざまな部位への応用が効くと考えられよう。
最初に同社に取材したときに質問。
「これって狭心症とか脳梗塞にもいずれ応用できるのですか」。
開発が進めばその可能性も低くはないだろう。
長年、見続けてきたが「ようやく春」という印象だ。
「昨日6月に名古屋でアンジェスIR無料セミナーがあり司会が櫻井さん。
焼きもきしていたのが正直な気持ちでした。
昨日夜間取引見て他のネット時事通信を読み確信しました。
もう 嬉しくてたまりませんでした」。
と投資家さん。
もっとも一番待ち望んでいたのは患者さんたちだろうが・・・。
最近取材したあるバイオベンチャー企業での話。
従来の思考法を変えてくれたのは「バイオベンチャーはマネジメント」という言葉。
研究開発はもちろん重要。
しかし、研究開発偏重型では成功に時間がかかりすぎる。
新しい医療や薬を早く待ち望んでいる患者さんに届けるために必要なのはスピード。
スピードを求めるとマネジメントが重要になる。
「バイオのアップルを目標にすれば、時間とコストは節約できる筈」。
確かにその通りだ。
そして・・・。
「承認された後こそ真価が問われる」とも。
例えばガンはそれぞれの部位ごとの承認。
レアなガンで承認を取って、それを全体に拡大するのもマネジメント。
たとえ患者さんの少ない病気での承認であってもその応用拡大は望める可能性があるということだ。
最終的には膵臓ガンと肺ガンを征服できれば他のガンへの応用の可能性が大きいという。
「タバコは遺伝子を傷つける」。
タバコが病気のもとになるのは、肺へ影響というよりも遺伝子を傷つけることが主因だという。
遺伝子が傷つくと病気になる。
強い遺伝子と弱い遺伝子、つまり傷つきやすい遺伝子と傷つきにくい遺伝子。
「遺伝子を傷つけないこと」は結構脳裏に残る言葉だった。
(兜町カタリスト 櫻井英明)