話題レポート
《Eimei「みちしるべ」》
(3月4日から3月8日の週)
大和のレポートは「3月の株式相場が年間の騰落を分ける傾向」。
昨年末以降の戻り歩調で日経平均は今年1月・2月と続けて月間の騰落がプラス。
過去に1月と2月の日経平均が上昇した年は3月の騰落で年間騰落が大きく変わる傾向。
3月も株高になったケースでは、結果として年間の騰落も多くがプラスとなっている。
一方、3月に株安となったケースでは、年間の騰落が全てマイナスに転じていた。
(67年、74年、98年、07年、11年)。
今年のような株式相場の状況下では、3月に明暗が分かれる。
因みに・・・。
3月の日経平均の騰落は、その前月2月のドル円レートの騰落と方向が一致するケースが非常に多いという。
2月に為替が円安ならば3月は株高。
2月に円高ならば3月は株安という関係。
過去25年間を観測すると、うち20回で前記 の関係が成立している。
これは、他の月の組み合わせでは見られない特徴となっている。
日経平均想定レンジ
下限21618円(昨年12月メジャーSQ値)〜上限22698円(12月3日高値)
多くの市場関係者から異論が出てきた水曜の日経朝刊「スクランブル」。
見出しは「戻り相場、迫る賞味期限」。
「底入れが見えない業績と株価のギャップは広がるばかり。
戻り相場の賞味期限がそろそろ気になってくる」というのが結論。
経済のファンダメンタルズの裏付けのない上昇は1980年代まで繰り返された「不況下の株高」の再現。
海外では「ベア・マーケットラリー」としてしられているという。
2000年以降に4回起きた日本株のベア・マーケットラリー。
グローバルPMIが52を下回って株価が上昇したのは01年3月、08年3月。
そして12年6月と15年9月を底としての上昇パターン。
株価が安値から天井に至る時間軸は2ヶ月〜2ヶ月半。
安値からの上昇率は平均約15%。
今は12月安値から2ヶ月。
そして上昇率は12%。
「今回のベア・マーケットラリーはそろそろ終わりを迎えるタイミング」というのが結論。
「最終的には企業業績が株価を決める」は正しい。
しかし「増収減益」の背景はコスト増と言う指摘。
「主因は減価償却費と陣形費の増加。
これを吸収する増収が期待できなければ、企業のコスト削減の進展度合いが増益達成の分水嶺となる」。
論理的には間違ってはいない。
しかし・・・。
減価償却費は設備投資拡大の裏返し、人件費の増加はコストではあるが景気に対する影響は悪くはない筈。
つまり、成長経済には必要なことでもあろう。
デフレ経済に慣れきってしまうと「コスト削減」が錦の御旗になるが、成長経済では状況は異なる。
たぶんこの差が相場観の強弱になるのだろう。
設備投資が悪役だというなら、社会は進まない。
十年一日の如く、明日は今日より明るくない。
市場関係者の言は「だから、何なの!?
日本株、下げたいの!?
警鐘を鳴らしたいの!?」。
首肯。
以下は今年の西向くアノマリー。
1月25日(金)後場熊本。
日経平均198円高。
2月15日(金)引け後福岡
翌月曜18日日経平均381円高。
2月28日(金)引け後松山。
翌金曜217円高。
(兜町カタリスト 櫻井英明)