話題レポート
《Eimei「みちしるべ」》
(5月27日から5月31日の週)
東証一部単純平均は2016年6月1753円→2018年1月2914円。
1年半で65%上昇。
そこから調整。
2018年12月末1947円と33%下落。
値幅調整では既に3分の2押しを割り込んで「全値押し」に向かった格好。
1月からの上昇継続で今は15%リバウンドした水準。
これは丁度「3分の1戻し」水準まで上昇したことになる。
シンプル過ぎて目が届かないのが東証1部単純平均。
しかし日経平均よりマトモな指数であることは間違いない。
因みに直近は2141円。
2018年末2077円、2018年末2946円。
「経済の実態は日経平均株価より、単純平均株価の方が良く表していると思います。個人投資家の儲け度合いも単純平均株価の連動に尽きると思います。日経平均株価などのまやかしに騙されてはいけません。単純平均株価が2倍になれば・・・。我々はかなりのお金を残せます」。
崇敬する先輩氏が5年前に書いていた言葉。
週刊誌も数十年の学習効果で賢くなってきたようである。
週刊ダイヤモンドの特集は「最新決算で選んだ!強い株」。
これはともかく「暴落時こそ絶好の買い場!!」の見出し。
少し相場観がマトモになってきたような気がする。
令和の時代。
「週刊誌の強気は売り、弱気は買い」のアノマリーも変化するのかも知れない。
テーマがダブったのは東洋経済の「5G革命」とエコノミストの「5Gで上がる日本株」。
数週間前に5G関連が上昇していたことからの時間差攻撃なのだろう。
しかし後追いではなく先取りが望まれるのはどんな仕事でも一緒。
「後始末より前始末」というのが証券営業の現場で使われていた言葉だ。
日経平均想定レンジ
下限21184円(26週線)〜上限21882円(52週線)
「情報通信市場年173兆円市場へ」の見出し。
総務省がまとめたレポートだ。
国連の持続可能な開発目標(SDGs)によって世界の情報通信市場は年173兆円拡大するとの試算。
スマートメーターやカーシェア、農業の自動化や食品廃棄の減少などが背景。
欧州35兆円、北米29兆円、中国が28兆円との試算だ。
電力計、センサーなどが材料になろうか。
水曜日経朝刊では「先端技術、日米欧で開発」の見出し。
サブ見出しは「量子技術など、中国に対抗」。
ポイントは「量子技術」。
「現在のコンピュータでは1000万年かかる計算を数十秒でできる。原理的に解読できない暗号の開発につながる。産業向けでは高感度センサーによるがんの早期発見、システムの最適化による物流コストの削減」などが想定されている。
12月に京都で日米欧の協議を開催。
「遅れをとる日本も本腰を入れ始めた」との解釈だ。
年内に「量子技術イノベーション戦略(仮)」を立ち上げるという。
19年度の関連予算は70億円程度。
20年度予算では増額を検討するという。
昨年のビルダーバーグ会議のテーマだけに、量子技術はやはりテーマとなってきた。
そろそろビルダーバーグ会議の季節。
毎年この時期に世界的影響力を持つ人物や企業、機関の代表が集まる。
世界の重要問題や今後の主に政治経済や社会等を主なテーマに完全非公開で討議する秘密会議だ。
「影の世界政府、世界の行く末を決める会議」とも言われる。
「年に一度ヨーロッパと北アメリカの両方にとって重要な問題を論じ合っている。
ただし、合意に達することはない」という見方もある。
秘密主義的なところが陰謀論に与することもあるのかも知れない。
だから余計に興味を惹く。
2019年はどうかというとまだ憶測の世界でしかない。
6月に米カリフォリニア州シエラシティで開催という観測もある。
あるいは5月30日→6月2日、6月28日→30日というスケジュール観測もある。
はやくそのスケジュールとテーマを知りたいものだ。
(兜町カタリスト 櫻井英明)