話題レポート
《Eimei「みちしるべ」》
(6月3日から6月7日の週)
Quick調査の5月24日時点の信用評価損率は▲15.88%。3週連続の悪化。
5月24日時点の信用買残は395億円増の2兆2395億円。
同信用売残は100億円増の8630億円。
同裁定買い残は132億円増の8497億円。2週ぶりの増加。
裁定売り残は421億円増の6485億円。2週連続の増加。
売り目線と買い目線。
人は株が下がるとため息をつき株が上がると感激する。
これはなぜなのかと考えてみると、多くの人が売り目線でいるのが理由であるような気がする。
持っている株価が上がった。
だから売れば儲かる。
どうせならもっと上がって欲しい。
ここに日本経済の繁栄とか世界経済の拡大とか企業の躍進なんて視点はあまりない。
ただただ「儲かってきた。どこで売ろうか」という売り目線。
当然ながら株価が下がってくると、買値をも下回り利食いは不可能。
だから下がって欲しくない。
これも売り目線。
だから市場は売り目線で満ちているともいえる。
日経平均想定レンジ
下限20315円(2月8日ザラバ安値)〜上限21144円(26週線)
木曜日経朝刊では「長期金利、世界で急低下」の見出し。
マイナス利回りで取引される国債の発行残高は世界で8.3兆ドル(約900兆円)と過去最高。
おもしろい表現は「額面100円の国債を101円で買うことがマイナス金利の実態。
満期まで保有すれば確実に損するが、途中で102円で買いたい相手が出てくると見込めば・・・。
マイナス利回りでも取引は成立する」。
この論理は株式市場の論理。
「自分が買った値段の更に上を買ってくれる投資家がいるかどうかを見分けるのが株式投資」という格言だ。
格言では「そういう愚かな投資家がいるかどうか」と付け加えられている。
↓
【よりひどい愚か者の理論】
割高で実は投資するだけの価値がない銘柄を、自分が買った値段より高い値段で買う愚かな投資家が現れるだろうという論理。
別に「もう一人の愚か者」論ともいう。
高値を買う自分よりもさらに愚かな投資家がいるという前提に立った投資理論。
自分よりも高値をつける投資家がいることを単純に期待する真理とも言える。
「そんな愚かな投資家はいない」という反論もあるが、実際には多くの場面で見られる。
また、日本の長期国債などこの論理がなければ買えない筈。
この理論がバブルを生んできたのが歴史。
誰も自分が最後の愚者にならないと思うという誤解が背景にある。
だからペイフォワードの反復が相場とも言える。
因みにバブルの反対語は「実態経済」という見方もある。
債券はバブルで経済は実態。
いずれ決着はつくのだろうが・・・。
シミュレーションというのはさまざま。
相場感覚を磨くには「50億円とか100億円のオーダーをさばく」というシミュレーションが役立つかも知れない。
個人投資家さんで億円単位のトレードをすることは滅多にないだろう。
しかし、市場を左右するような機関投資家のトレードは億円単位。
30億円のバスケットなど日々のトレードだ。
だったら、そういう人種がどういう視点で株価の形成を眺めるのかを知ることは悪くはない。
ただ・・・。
やってみると、これは結構な大仕事。
鉄やみずほならいざ知らず中小型株を50億円とは言わず10億円買うシミュレーションは結構疲れるものだ。
まず1日では終わらない。
そういうスキルを持ちつつトレードをしている連中と戦うには、このことを知っているかどうかは重要だ。
板を読みながら、板の向こうにいる敵を想像しながらの商いというかトレード。
「リクイディティ=流動性」を気にし始めると一歩前進という気がする。
100株1000株の世界とはまた違った風景が見えてくるに違いない。
市場はヒーローを追いかけがちな場所。
しかし重要なのは「ヒーローを追いかけること」ではない。
「次のヒーローを想像すること」。
そして「ヒーローのリバイバルのタイミングを図ること」だ。
かつて投資顧問の広告で「銘柄相談」あるいは「銘柄診断」というのがあった。
直前に動いていた銘柄の相談にのるというのである。
ココから推理できるのは「動いていた銘柄」について悩みを抱えている投資家さんが多かったということ。
誰も見向きしない銘柄では相談は来ないのだろう。
動いていてシコっていたからこそ相談があり投資顧問さんの商売に結びついたと考えられる。
つまり・・・。
今のヒーローを追いかけるのは結構危ないということ。
次のヒーローを想像するのは難しいことだがその方が精神衛生上は良いだろう。
あるいは「ヒーローが倒れたあとのリバイバルにタイミングを図ること」。
一度上がった銘柄は、多くの人の目に触れているし材料も理解されやすい。
だから復活の時を待つという姿勢もアリだろう。
「人の行く道の裏」というのは暗くて寂しいが「人の行く道のトナリ」なら気が楽だ。
2019年ビルダーバーグ会議(第67回)。
開催地はスイス・レマン湖畔のモントルー。
スイスのリビエラとも呼ばれるリゾート地かつスイス有数のコンベンションシティだ。
拳を突き上げたフレディ・マーキュリーの像がありクイーンの聖地ともいわれている。
因みにスケジュールは5月30日→6月2日。
そして議題は以下の11項目。
(1)安定した戦略秩序
(2)次のヨーロッパ
(3)気候変動と持続可能性
(4)中国
(5)ロシア
(6)資本主義の未来
(7)ブレグジット
(8)人工知能の倫理
(9)ソーシャルメディアの武器化
(10)宇宙の重要性
(11)サイバー(コンピュータ空間)の驚異
(兜町カタリスト 櫻井英明)