話題レポート
《Eimei「みちしるべ」》
(6月10日から6月14日の週)
Quick調査の5月31日時点の信用評価損率は▲15.91%で4週連続の悪化。
同時点の信用信用買残の確報値は453億円減の2兆2849億円。
同信用売り残は151億円減の8479億円。
信用倍率は3.63倍(株数ベース)と不即不離の状態。
同時点の裁定買い残は920億円減の7577億円(期先を含む)。
2週ぶりの減少。
同裁定売り残は398億円増の6833億円。
3週連続増加。
今年に入っての日経平均の曜日別勝敗(6月7日まで)。
月曜13勝5敗◯。
火曜11勝10敗◯。
水曜10勝11敗〇。
木曜5勝15敗●。
金曜13勝9敗〇。
「西向くサクライ」アノマリーとともにあったのが「札幌遠征株高アノマリー」。
2005年から2013年くらいまでは頻繁に遭遇した。
前週末に久々に現実化してくれた。
「2・5・8」の法則でいえば大きな流れは「20000円⇔22000円のレンジ」。
小さな流れでいえば「20500円⇔20800円」のレンジ。
これが「20800円⇔21000円」と小さな変化をすることは重要だ。
3月メジャ―SQ値21348円→4月SQ値21870円→5月SQ値21451円。
これを上回る推移に期待の週。
日経平均想定レンジ
下限20751円(5月15日安値)〜上限21870円(4月SQ値)
「金利が下がって株が上がる」。
学問的には正しいだろうし、これが通説。
しかし下がるにしても、マイナスまで行ってもこの学説が通じるのかどうかは疑問。
NYではADP雇用レポートの結果が市場予想を下回り、それがFRBの利下げにつながるとの期待感。
景気悪化よりも金利低下の方が市場からは歓迎される相場というのは市場関係者の論理でしかないだろう。
それを喜ぶ世界にはやはり疑問を感じるのがフツーの肌感覚だ。
マーケットは一つのことしか見ることのできない場所。
多数の論理が少数意見をかき消すが、少数意見に真実は多い。
それがマーケットの宿命だから、従わざるを得ない面もある。
しかし「変なこと」はいずれ是正されるのが地球の掟。
興味深いブルームバーグ報道。
「米国株の個別銘柄を空売りしていた投資家らへの打撃は3日から4日に雪だるま式に膨らみ、
空売り筋は2日間としては5カ月ぶりの大打撃を被った。
メルトアップ(急上昇)への条件がどんどん整っていた。
株式ロングショート戦略のヘッジファンドは3日に1.7%の損失。年初来最悪に並んだ。
クレディ・スイスがまとめたデータによると、ヘッジファンドはここ数カ月に空売りを増加。
6月入りした際には株式へのエクスポージャーが2年ぶり低水準に近かった。
慎重姿勢は5月の相場下落時にファンドを守った。
しかし空売り対象銘柄の値上がりで、損切りの買い戻しを迫られる可能性がある」。
メルトアップってなかなか良い響きだ。
にわかに吹いてきた風の傍証のような話は「国会会期延長」。
森山国対委員長が「延長の必要があればそうする」とコメントしたことからの類推だ。
政府が提出するのが「スーパーシティ実現に向けた国家戦略特区法改正案」。
衆参同日選挙か、国家戦略特区か。
少し慌ただしくなってきた。
市場で言われている秋に向けての3つのパターン。
(1)消費増税延期と国債増発による景気対策強化。
大義名分は「デフレ脱却」。
(2)ウルトラCの消費税率引き下げ。
(3)消費増税実施後に国債増発と景気対策強化。
「自民党総裁としての任期を4期12年へ伸ばすことを考えれば・・・。
余計なことである消費増税はサッサと済ませたい」。
結構説得力はある。
イラン訪問中の12日→14日が解散などの案件のもろもろ要注意のXデーという指摘もある。
(兜町カタリスト 櫻井英明)