話題レポート
《Eimei「みちしるべ」》
(7月8日から7月12日の週)
Quick調査の6月28日時点の信用評価損率は▲13.79%。
2週ぶりの改善。
6月28日時点の信用買残は98億円減少の2兆1663億円。
同信用売残は740億円減の8953億円。
12月末の売り方期日は通過した。
6月28日時点の裁定買い残は89億円増の4053億円。
3週ぶりの増加だが実質はほぼ変わらず。
全部当限だ。
同裁定売り残は1027億円増の8293億円。
当限が7975億円、翌限以降が317億円。
2週連続の増加。
昨年3月30日の1兆962億円(過去最高)にますます近づいてきた。
「月初のマド明け」というのが気にかかる。
1月大発会は下に窓開けて452円安(月足陽線▲△)。
2月はマド明けなし(月足陽線ー▲)
3月1日の翌営業日の4日(月)は上に窓開けて219円高(月足陰線△▲)。
4月1日は上にマド明けて303円高(月足陽線△△)。
5月7日の翌営業日の8日(水)は下にマドあけって321円安(月足陰線▲▲)。
6月3日に3日新甫は下にマド明けて190円安(月足陽線▲△)。
マドを明けていない月初は2月だけ。
そしてマドの下向き上向きと月足に因果関係は見出せない。
それでも月変わりでマド明けての相場の変化のリズム。
7月も上にマド明けてスタート。
因みに・・・。
昨年10高値24448円から12月26日安値18948円に対しての2分の1戻しは21661円。
半値戻しを達成し令和の高値は取ってきた。
日経平均想定レンジ
下限21559円(7月1日安値)〜上限22362円(4月24日高値)
多くの投資家さんにとって「株が明日上がる」ということは重要なことなのだろうか。
昭和の時代の証券マンなら今日買った株を明日利食って別の株を買うという行為は重要なこと。
手数料を稼ぐベストシナリオだからだ。
しかし・・・。
例えばポイント投資などで、本来的に長期的資産形成を行っている人にとって「明日上がる」はほとんど関係なかろう。
年金運用などでも同様だ。
「明日上がる」のではなく、売りたいときに上がっていることこそ重要なのだ。
この時間軸の違いは大きい。
だから・・・。
市場解釈も「明日上がる」ではなく「何年には上がっている」。
あるいは「何月には下がっている」というリズムの予測が大切になってこよう。
ところが、旧態依然として今日上がれば喜び、明日下がれば悲しむ姿ばかり。
その先にある明日への観察眼は少ない。
明日下げればそれは明後日への期待ではないのだろうか。
時間は永遠に続くもの。
その永劫の時間軸で今日明日を論じることはかなり虚しい。
もう一つ気づいておかなければならないこと。
「市場は売りたい人で満ちている」。
株価の動きは株を持っている人にとってこそ重要。
当然ながら持っていない人にとっては表面上何の関係もない。
値動きそのものがまったく別の世界の出来事。
しかし株を持っている人に取っては一大事。
常に高値で売ることを夢見て投資しているのだから当然だろう。
日本の個人投資家は約1000万人弱と言われる。
その他の約1億人にとって値動きに興味はない。
この考え方はなかなか腹に落ちないが事実だろう。
だからこそ「一喜一憂は虚しい」ということもできようか。
昔、株は「狩猟民族の仕事」と言われた。
銀行は「農耕民族」で証券は「狩猟民族」。
だから証券マンはいつも何かを追い求めた目をしているとも言われた。
でも、最近は牙を抜かれた狩猟民族で、ほとんど農耕民族ではなかろうか。
というか、最近ではなく、もともとが農耕民族だったのではなかろうか。
毎年毎年同じ時期に同じ話題を提供して同じような苦楽を味わう世界。
以前は3月になれば決算対策の売り、4月からは年金運用資産の配分なんて話題を何年も繰り返した。
毎月の雇用統計を待つ姿勢も一緒だろう。
今の時期はETFの分配金原資確保のため売りと再投資。
暦に従った話題に過ぎないし、十年一日の如くだ。
秋のイスラムヒジュラ暦の株高だって似たようなものだろう。
あれこれ考えることよりも暦を正確に覚えておくことが結構重要なようである。
(兜町カタリスト 櫻井英明)