話題レポート
《Eimei「みちしるべ」》
(8月5から8月9日の週)
7月26日時点の信用買い残は45億円減の2兆1950億円。
同信用売残は235億円増の9523億円。
金額ベースでの倍率は2.3倍水準。
QUICK調査の7月26日時点の信用評価損率は▲14.41%。
7月26日時点の裁定買い残は2657億円増の6755億円。
少しやる気がでてきた印象。
当限は6152億円(2053億円増)で翌限以降は603億円(603億円増)。
同裁定売り残は2974億円増の1兆1778億円と1兆円台に乗ってきた。
当限は9837億円(1355億円増)で翌限以降は1939億円(1619億円増)。
ないものねだりと過大な欲望があやなした格好での「利下げ株安」。
AIよりも人間の方が賢く思えるのは気の所為だろうか。
好業績だったアップル株の上昇は記憶にとどめておきたいものだ。
いい加減にこのイベント相場あるいはパペット相場からは脱却したいもの。
黒くねじれた勝手雲は6日に白くねじれている。
日経平均想定レンジ
下限21000円(心理的節目)〜上限22362円(4月24日高値)
気は早いがそろそろ来年の干支関連銘柄を考える時期となってきた。
2020年は「子年」だ。
相場格言は「子は繁栄」。
十干は「庚」。
だから2020年の干支は「庚子(かのえね)」だ。
子はネズミだが「庚」は陰の気質を持っているとされる。
結実・形成を表すような意味を持っているという。
「庚子」は動きがあり新しいものを作ろうとされる年。
子と庚はともに新しい局面に入るという意味がある。
庚→草木としての成長が止まり、花を咲かせて種子を残す準備に入る状態。
子→種子の中で新しい生命を育てている状態。
庚も子も次の世代を担う「種子」がキーワードという見方もある。
「固い種の中に押し込められていたエネルギーが、陽気の訪れとともに一気に芽吹く」。
というイメージだそうだ。
因みに・・・。
単純に考えればミッキーのディズニーとピカチュウの任天堂。
チュウチュウと泣くから中国関連。
音の響きでは伊藤忠もそのカテゴリーだ。
種子なら種子関連と農薬関連。
子なら西松屋とかピジョン。
大手企業の上場子会社。
などなど。
この連想が今後数週間続いて膨らむことになる。
夏に来年の干支を調べる市場関係者はほぼいない。
昨年までは8月になってから調べていたが今年は7月からとなった。
8月というのは市場関係者にとって印象の良くない月らしい。
先週木曜朝のブルームバーグは「魔の8月に突入する日本株」。
「海外勢売りや株価最悪の記憶」がサブタイトルだ。
↓
日本株の良くないアノマリーがそろう8月になった。
年初来パフォーマンスが海外に見劣りする中、今年も「魔の8月」が繰り返される可能性がある。
海外投資家は2010年以降、毎年8月に売り越している。
最も多く売り越したのは15年で1兆1582億円。
日本株売買代金の5−7割を占める海外勢の動向は株価に影響を与える。
この9年間のTOPIXの8月騰落率平均はマイナス2.8%と12カ月の中で最低だ。
8、9月はファンドの運用上のターニングポイント。
期待できないと思った銘柄は見切り売りのような圧力もあるのではとの観測がある。
そんなコメントも紹介されている。
あるいは「さえない月になるのではないか」という予想の声。
一方で「海外勢が既に足元で売り越しを続けていることやPBR1倍近い株価などからダウンサイドリスクも乏しい」。
結論のない「魔の月」論でもある。
そういえば昨年もこう紹介していた。
↓
TOPIXの年初来騰落率は7月30日時点で5.5%高。
先進24カ国でスペインと最下位を争っている。
先行きを楽観視する向きは少ない。
バンク・オブ・ニューヨーク・メロンのチーフ通貨ストラテジスト、サイモン・デリック氏のリポート。
「1970年以降で比較的危険な月の一つと証明されている月は8月」と指摘。
同氏はこの期間に月間ベースでNYダウが急落した50回のうち7回は8月だった。
これら7回の下落率は平均8.9%だという。
アノマリー的には「夏枯れ相場」
市場は閑散期に入り、出来高は縮小、株価は軟調となる傾向。
5月に売った資金を、値下がりの顕著な夏枯れ時期にまた投入する、というイメージもある。
「8月後半の円高」
突然予期せぬ材料により大きく相場が動く。
これを投機筋が円買いによって狙う「8月は仕掛け時」という説。
逆に「サマーラリー」(夏休みで薄商いゆえに値が上下にぶれやすくなる)というのもある。
あるいは「ヘッジファンドの45日ルールによる軟調」。
アメリカ国債の利払い(8月15日)で円安。
米国債利払いの円への換金売りで円高(8月16日)
お盆の週に上昇すれば8月月足陽線。
お盆の週に下落なら月足陰線。
結局どうとも取れるアノマリーの乱舞だ。
最近は聞かれなくなったスタジオ・ジブリのアノマリー。
今年の夏は8月16日「千と千尋の神隠し」。
23日「崖の上のポニョ」。
30日「天空の城ラピュタ」。
幸いに「魔女」と「トトロ」は登場しない。
(兜町カタリスト 櫻井英明)