話題レポート
《Eimei「みちしるべ」》
(10月28日から11月1日の週)
Quick調査の10月18日時点の信用評価損率は▲12.63%。
10月18日時点の信用売り残は433億円増の9548億円。
同信用買い残は575億円減の2兆828億円。
10月18日時点の裁定り残は591億円減の1兆5388億円。
当限は808億円減の1兆3823億円。
翌限以降は216億円増の1564億円。
同裁定買い残は375億円増の5157億円。
当限は431億円増の4675億円。
翌限以降は55億円減の481億円。
日経平均の23000円水準を考えてみると・・・。
PER13倍、PBR1.13倍。
25日線から5%プラスかい離。
そんなに遠い水準ではない。
昨年末終値が20014円。
年間の騰落は前年末比20%以内というアノマリーに従えば今年の最大値は約24000円と計算可能になる。
さらに来年を考えれば10月時点の約23000円に対して20%上は27600円。
約28000円というのが見通し。
12月まで頑張ってもらえば、その先の30000円というのもあながち荒唐無稽ではなくなってくる。
因みに30000円はPER16.9倍。
PBR1.47倍。
バブルの頃のPER80倍に比べればそんなに無理のある数字ではなかろう。
考えておかなければならいのは米大統領選挙の年ということ。
形振り構わず再選を狙うトランプ政権にとっては株高は再選の近道ということだ。
そのスケジュールを見てみると・・・。
2月3日:アイオワ州党員集会(予備選挙・党員集会の皮切り)
3月3日:スーパー・チューズデー
7月13日→16日:民主党全国大会(ウィスコンシン州ミルウォーキー)
8月24日→27日:共和党全国大会(ノースカロライナ州シャーロット)
11月3日:一般有権者による投票および開票。
12月14日:選挙人による投票
つまり1月以降、スーパーチューズデーの3月3日まではどうしても株高が欲しい局面。
その先は夏の全国大会。
そして11月3日の投票に至る場面となる。
対中貿易摩擦の問題は、この折々で強弱のアクセントを持ってくるに違いない。
国内でのポイントは来年6月で終わるポイント還元の動向。
すでに予算をオーバーしているという指摘もあり、裸となった消費増税の実感が試金石となろうか。
因みに来年の天赦日は1月22日(水)、2月5日(土)、9月2日(水)、11月17日(火)だ。
日経平均想定レンジ
下限22648円(10月23日高値)〜上限23656円(週足のボリンジャーのプラス3σ水準)
日経紙面に「量子」の活字が久々に登場し始めた。
ビルダーバーグ会議の議題になっていることから必要な技術だ。
昨日の報道は「米グーグルは量子コンピューターを使い複雑な計算問題を最先端のスーパーコンピューターよりも極めて短い時間で解くことに成功した」。
世界で初めて実験で証明。
人工知能(AI)などに続く革新的技術として期待される量子コンピューターの実用化へ大きく前進という見方だ。
昨日も一応1面だったが、今朝は1面トップ。
「量子計算、世界が競う」。
サブタイトルは「国の覇権も左右」だ。
グーグルの量子コンピュータは現在のスパコンで1万年かかる乱数計算を3分20秒で解いた。
計算性能は15億倍。
「1903年のライト兄弟の有人初飛行に匹敵する」という見方だ。
もっとも実用化までは20→30年かかるという。
しかしこの時間軸はバブル崩壊から現在まで程度の時間軸。
そんなに長くはない。
実用化されればおそらく多くの課題が解決され世界は本当に進化する。
もちろんその先の課題はまた登場するだろう。
しかしモノが生き物の機能を凌駕する可能性があるということは否定できない。
やはりビルダーバーグ会議はポイントを突いていた印象。
4-9月の公募増資は前年同期比8割減の1397億円。
バブル経済以降最低水準となった。
バブル期には公募増資が約5兆円あったことを考えると隔世の感がある。
代替された資金調達手段は「社債」。
マイナス金利の影響もあって4-9月の社債発行額は過去最高の8.7兆円。
公募が減って社債は増えた。
資本市場は株ではなく債券が主役になって久しい。
本来はコストのかかる債券がマイナス金利で超低コストになったから生じた事態。
決して株式市場が資本調達の場という存在を捨てた訳ではないと信じたいところだ。
この逆転が起これば日経平均の5万円程度にはお目にかかることができようか。
「債券経済」が景気を冷やしてきたような気がしてならない。
火曜日経朝刊「大機小機」は「非常識な時代」。
「資本市場は企業が資金を調達する場とい定義も、もう通用しない。
資本市場は企業が自社株買いを通じ、投資家に資金を返す場に変質した。
世界の上場企業の自社株買いは昨年、株式での資金調達を70兆円以上も上回った」。
事実は強烈なパラドックスということ。
「市場から産業資金の長期安定的調達」のお題目は消えた。
残ったのは「国民金融資産の健全な育成」。
両替先物取引の丁半博打も「健全」と言うのだろう。
金やパラジウム、小麦もコーンも原油も同様だ。
実態の見えない「仮想通貨」も同様だ。
結局胴元が利益を得る仕組みが巧妙にそう見えないからややこしい。
来年は子年。
「子」は種子の中に新しい生命がきざし始める状態。
「庚」は植物の生長が止まって新たな形に変化しようとする状態。
陰陽思想と五行思想の組み合わせでいくと「庚」は「かのえ=金の兄(陽)」。
「庚子」の場合「庚=金の陽」「子=水の陽」で「相生(そうせい)」という関係。
相生=相手を強める影響をもたらす
特に「金生水」といい金から水が生じるイメージだという。
「五行の中では金性は西。
日が沈む方向に当てはまるので「終わり」の意味。
しかし西の「終わり」は、物事がゼロとなって新たな「始まり」が生まれる方向でもある。
金性・西方向にある五本能は「闘い」。
じっとしているのではなく前進する行動力のこと。
北=水性の方向。
動いてから考えるのではなく、考えるよりもまず動く」という解説がある。
子年の日経平均は3勝2敗で勝率60%。
因みに亥年は5勝1敗となる可能性が高く申年と並ぶ。
最悪は寅年の1勝5敗。
1960年56.1%
1972年92%
1984年16.1%
1996年▲6.1%
2008年▲39.7%
(兜町カタリスト 櫻井英明)