みちしるべ 19年11月11日号
兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
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話題レポート
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《Eimei「みちしるべ」》

(11月11日から11月15日の週)

Quick調査の11月1日時点の信用評価損率は▲12.09%。
4週ぶりの悪化だ。
11月1日時点の信用売り残は68億円減の9809億円。
同信用買い残は141億円減の2兆718億円。
日経HVは12.4、日経VIは15.18。
11月1日時点の裁定売り残は1195億円減の1兆2491億円。
減少は8週連続。
当限は1245億円減の1兆660億円。
翌限以降は50億円増の1830億円。
同裁定買い残は1782億円減少の5550億円。
3週ぶりの減少。
当限は179億円減の5152億円。
翌限以降は1億円増の398億円。

11月の3連休明け株高アノマリーは今年も実現した。
98年以降、2009年11月24日に1回負けただけで21戦18勝1敗。
来年は11月24日(火)が3連休明けとなるから覚えておきたい。
次は「11月最終週の株高アノマリー」。
2000年以降、2015年の12月4日で終わった週だけが負け。
過去19勝1敗。
忘れずにおきたいアノマリーだ。


日経平均想定レンジ

下限23090円(11月5日安値)〜上限24460円(週足のボリンジャーのプラス3σ水準)

11月SQ値23637円は幻。
ただ昨年9月の23057円は抜けたことは好感。
その前の記録はメジャーSQ値では91年6月の25157円がある。
「2・5・8」の法則では「23500円→23800円」のレンジに移行したとみる。


市場関係者の狡猾さはその詭弁的論法にあるのかも知れない。
「○○が△△であれば株安(あるいは株高)」という仮定論法。
条件付きだから条件が当てはまらなければそれが免罪符となる。
これが誤解と錯覚の大きな要素となっているような気がする。
仮定条件の責任にして自己の相場観の間違いは雲散霧消。
だから上がろうと下がろうと勝手に相場観が変化しても何の不自然さも感じさせない見事な技術。
「長期上昇基調だが、短期調整もあるかもしれない」も代表的な詭弁だろう。
9月の頃、ストボフォーラムで言ったこと。
「注意しましょう、警戒しましょうという市場関係者のコメントに注意しましょう」。
まさに市場関係者に「注意しましょう」が正解だった。
今は何に「注意しましょう」なのだろうか。

相場観で大切なことは数字を体に染み込ませること。
ここに異論はないだろう。
とはいえ、市場には多くの数字が登場する。
株価、指数、需給関連の数字、経済指標、そしてチャート関連。
全部覚えておくのは大変だと思う。
しかし慣れれば大した時間はかからないだろう。
重要なのは「アレ?」という変化への感触だ。
相場の上昇下落局面では振り返ってみて「アレだったか」と思うことは多い。
しかし重要なのは「今」それを感じることだろう。
後講釈には時間があるから、いろいろな側面から調べられるという利点があるし理路整然とする。
しかし、「今」は漠然の世界。
そこから抽出する作業が難しいことこの上ない。
市場関係者コロさんの指摘。
「日経平均株価の200日移動平均線かい離率が7%を超えると25日移動平均線のかい離が5.0→7.0%超になる傾向が高い。
10月24日に200日線からのかい乖離が7.0%%にタッチ。
10月25日に7.2%と超えてきました。
週末時点で25日線のかい離が3.0%。
5%超となる水準は23300円どころになります。
25日線からのかい離率が8%となると、日経平均株価は23960円どころです。」
これも一つの見方だ。
昨日段階で25日線からは4.57%、200日線からは8.83%のプラスかい離。
200日線からの10%かい離(23501円)で加速と見たい心理が鎌首をもたげてくる。
もう一つコロさんの指摘。
恐怖指数と言われるVIX指数が11月1日に12.3%と過去最低水準圏。
52週レンジでは11.03%→36.20%です。
12%割れるか割れないかあたりになると、過去では遠からずなんらかのきっかけでVIXが急騰する可能性が高くなってきます。
VIX指数が急騰するといいうことは、米国市場が急落する事象が起きるといったことに。
またSKEW指数が3月14日以来の130ポイント超えとなっています。
このSKEW指数は昨年8月13日に159となってから、約2カ月後に下落が始まっています。
18年10月4日の急落が始まる前日のVIX指数は11.61%。
SKEW指数は137.98ポイントでした」。
「FEAR & GREAD指数(恐怖と欲望指数)は昨日89。
前日が86、その前日が80。
1週間前が71で1か月前が32、1年前がわずか9でした。
25以下がビビリの極地つまり買いゾーン。
75以上がゼニゲバの世界つまり売りゾーン。
そのセオリーからいくと2年ぶりの80台は完全に欲望の虜の銭ゲバの世界。
しかし「行き過ぎもまた相場」という格言もあるからややこしい。
「少し中長期的な相場の傾向は、ハロウィン(10月末)にNY株を買って半年後の4月末のイースターに売却するというシナリオ。
勝率は過去10年100%、過去20年85%、過去30年90%。
日経平均では過去10年で80%、過去20年で75%、過去30年で67%の確率」とも。
「株式投資は確率の高い方にかけ続けることが、勝利の方程式でもあります」という言葉は重要だ。
しかし理論的な確率論ではなく、情緒的な市場心理に包まれる相場でもある。

■11月から年末にかけての日経平均騰落率(過去10年)
18年 ▲8.69
17年  3.42
16年  9.69
15年 ▲0.26
14年  6.32
13年  13.70
12年  16.43
11年 ▲5.93
10年  11.15
09年  5.10

(注)▲はマイナス。単位は%


(兜町カタリスト 櫻井英明)


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