みちしるべ 19年12月23日号
兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
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話題レポート
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《Eimei「みちしるべ」》

《Eimei「みちしるべ」》(12月23日から12月27日の週)


Quick調査の12月13日時点の信用評価損率は▲11.42%。
5週連続の改善。
12月13日時点の信用売り残は205億円増の1兆492億円。
3週連続の増加。
同信用買い残は353億円減の2兆2208億円。
6週ぶりに減少。
信用倍率は2.12倍(前週2.19倍)。
12月13日時点の裁定売り残は1635億円減の7555億円。
3週ぶりの減少。
当限は1532億円減の5301円。
翌限以降は102億円減の2254億円。
同裁定買い残は685億円増の7152億円。
2週ぶりの増加。
当限は729億円増の6930億円。
翌限以降は43億円減の222億円。
裁定に売り残買い残がようやく拮抗してきたことは吉兆。

11月8日高値から21日安値までの下落幅は約880円。
倍返しの水準は約24480円。
ここは昨年10月2日高値水準だ。
因みにその上が心理的節目の25000円。
最後に見たのは91年11月1日だから28年前。
26745円が過去最高値からバブル崩壊以降の安値の61.8%戻し水準。
27146円が91年3月18日のもどり高値。
28295円が過去最高値からバブル崩壊以降の安値からの3分の2戻し。
先はまだある。

成長戦略の中間報告やマザーズ銘柄の宝さがしトレンドなどのニュースなどがあるが秀逸はスウェーデン。
スウェーデン中央銀行のリスクバンクは政策金利を現在のマイナス0.25%から0%引き上げると発表。
景気と物価は勢いを欠くが、家計の債務膨張に歯止めがかからず、異例の緩和策をこれ以上続けられないと判断。
「長期化による副作用への懸念も強まるなど、曲がり角に差し掛かっている」とのコメント。
いよいよ来年はここが問われる時代になる香りがする。
注目は10年国債利回りの0.010%。
今年3月6日以来のプラス水準。
再度「グレートローテーション」の声が聞こえ始めよう。

日経平均想定レンジ

下限23544円(12月9日高値)−上限24412円(週足のプラス2σ水準)

フツーに読んでいれば気にはならない。
だが細かいことを気にすると興味深かったのが19日の日経朝刊「スクランブル」。
見出しは「ジリ高相場に死角。膨らむ株価急落リスク」。
下落の翌日は弱気コメント、上昇の翌日は強気コメントだからわかりやすい。
経験上、記者というのは取材をして他人の意見をまとめるのが自分の仕事だから致し方ないのかも知れない。
「26週線からのかい離の8%超」は大きいのか小さいのか。
常識論は大きい、のだが罫線論者は過去の延長線上での思考なので常に警戒感になる。
だからフツーの相場でないときには相場観が役にたたないことが多い。
相場は確かに過去の延長線だが、そうでないときがある。
現在がそうか否かを決めることの方が先のように思える。
あるいは・・・。
「裁定買い残から売り残を差し引いたネット残高は6月以降売り越しだったのが足元ほぼ拮抗。
ここから買い進むには追加の材料が必要」。
裁定残動向に関係なく買い進むには常に追加の材料が必要だろう。
確かに2兆超の裁定売り残が1.3兆円減少し裁定売りの解消が行われたことが9月以来の3000円高の原風景。
しかし、裁定売り残が裁定買い残を上回っていることの方が異常事態だった。
これで買い残が増加し売り買い逆転になるのならそれは異常事態の終焉。
だったらむしろ好材料ととらえたいところだ。
「日経ダブルインバースの残高増加」。
これは警戒感の表現であるとともに買戻し期待への導線でもある。
「期待先行の株高で売りのマグマも膨らんでいる」。
株式市場は常に期待先行。
期待先行でない上昇はあり得ないだろう。
実態重視の株高などめったにお目にかかれないと思う。
「急落リスクに目配りしておくのが無難」。
目配りしてどうするのか。
投資家さんなら常に目配りしている筈。
「目配り」で急落を回避できるのならそんな楽なことはない。
「注意しましょう、警戒しましょう」という市場関係者の免罪符と同じ言葉だ。
市場では「思惑的な売り」とか「思惑的な買い」という言葉も横行する。
これとて「株価はすべて思惑の産物」。
逆に思惑のない売買がどれだけあるのかを問うてみたい気がする。

見えないフリは日銀短観。
大企業・製造業の最近の業況判断指数(DI)が0となり、前回9月調査から5ポイント悪化。
悪化は4四半期連続で、2013年3月調査(マイナス8)以来、6年9カ月ぶりの低水準。
市場予想はプラス2だった。
自動車や窯業・土石製品、繊維から消費増税前の駆け込み需要の反動減を指摘。
鉄鋼などからはオリンピック関係需要のピークアウトを指摘。
大企業・非製造業の業況判断はプラス20。
9月調査から1ポイント悪化。
悪化は2四半期連続。
小売や卸売、建設の住宅関係から消費税増税後の反動減や客足鈍化を指摘する声。
台風の影響を指摘する声もあったという。
ただし・・・。
大企業・全産業の設備投資計画は前年度比6.8%増と9月調査から0.2%ポイント上方修正。
市場予想の同6.0%増も上回った。
想定為替レートは1ドル=107.83円と、9月調査の108.68円から円高方向に修正。
現状と1.5円近く違っているのは興味深い。

久々に見たのは蛇の夢。
2メートル近いアオダイショウみたいな色の蛇が口をあけて向かってきたところで叫んで目が覚めた。
「蛇の夢は吉夢の場合、金運の上昇を示すことが多いです。
白蛇や金色の蛇の夢がその代表となります。
大幅に金運が上昇するため宝くじに当選するというような大きな幸運を手にする可能性もあるでしょう」。
というのが解説。
確かに金の蛇の夢を見て株高が来たことがある。
しかし今回は残念ながら白でも金でもない。
アオダイショウとかシマヘビみたいな蛇の大型版だった。
「黒い蛇が出てくる夢はストレスを溜め込みすぎとされる警告夢」という指摘。
しかし「諦めていることがあるときに蛇を夢で見ていたら、心の中で諦めるのはまだ早いといっているのかもしれません」とも。
金運ではなくココがよりどころだろうか。
冬眠しているはずの蛇が起き出して元気になっているのだから吉兆とも考えたい。
金の大蛇に遭遇したいものだ。

「櫻井さんのポエムがスタートすると株価注意のアノマリー。
ボリンジャーバンドプラス2σを維持していれば大丈夫ですが、
プラス2σ以下になるとご用心です」と投資家さん。
そして「子年関連」として・・・。
「ミッキーマウス(ネズミがモデル)に絡めてOLC(4661)。
中外製薬(4519)や中越パルプ工業(3877)、
電子材料関連の中村超硬(6166)など。
中国電力(9504)、中国銀行(8382)、中国塗料(4617)、
中部電力(9502)、中部飼料(2053)、中央倉庫(9319)、
中央化学(7895) 中外鉱業(1491)。
酎ハイの宝ホールディングス(2531)やキリンHD(2503)、
アサヒグループHD(2502)も酎ハイ販売しています。
2020がZOZOならゼット(8135)もあります。
その他にサニックス(4651)はネズミ駆除、シロアリ駆除」。
そういえば中外炉(1964)や中央自動車工業(8117)もカテゴリーになる。

嫌なアノマリーは西暦末尾が「0」の年の株安アノマリー。
過去の日経平均の勝敗は2勝5敗
騰落率はマイナス4・1%と最下位です。
1990年▲38.7%。
2000年▲27.2%。
2010年▲3.0%。

週末のNYのクアドルプル・ウィッチング。
12月のクアドルプル・ウィッチング週のNY株には強いアノマリー。
1982年以降、NYダウは上昇22回・下落が15回で勝率59%。
平均上昇率は0.18%。


「岡本硝子(7746)、ガラスフリット事業で新市場開拓」(化学工業日報)と市場関係者。
「次世代通信規格「5G」対応部品や車載ミリ波レーダー用途など見込む。
将来を見据え、前個体電池向けガラスフリット開発にも取り組む。
足元では車載用の蛍光体分散ガラスの実績化が進み、最先端領域のニーズ取り込んでいく」。
3年で売上高を2倍、株価10倍に高めた「テンバガー」企業レーザーテック(6920)もある。
たぶん共通するのは「泰然自若」の姿勢。
来年の銘柄発掘のキーワードだ。
アタフタ、バタバタしない企業にこそ独自の強みがあり未来があるような気がする。
周章狼狽や朝三暮四の姿勢の銘柄も市場関係者も多いが、そうではなく「泰然自若」だ。


テレビを見ていたら聞こえた90代の弓道の師匠の言葉。
「正しく射れば当たる=当てるのではない」。
弓は的に向かって射るものだが、この言葉はどうも株式市場にも通じるような気がしてならない。
問題は推論のプロセスが「正しいか否か」ということ。
これが難しいのだが・・・。

訳あって社名の由来を調べていたらやはりこれが結構深い。
たとえばバンダイ(7832)=萬代。
兵法書「六韜」に登場する語の「萬代不易」(永久不変の意)に由来。
あるいはドコモ(9437)。
「Do」「Co」mmunicationsOverThe「Mo」bileNetworkの頭文字。
「どこでも話せる」と言った意味も込められているという。
セガ(6460)=サービス(SERVICE)とゲーム(GAMES)をあわせて「SEGA」。
千趣会(8165)=「こけし千体趣味蒐集の会」の略称に由来。
ブラザー工業(6448)=創業者が10人兄弟の長男として盛り立てていこうと誓ったことから社名を「安井ミシン兄弟商会」と改称。その後ブラザー工業に。
セーラー(7992)=軍港として栄えていた広島県呉市で創業。「水兵」(SAILOR)に由来。
パイロット(7846)=水先案内人という意味。ライバル企業のセーラーへの対抗意識ともされる。
コクヨ(7984)=「国(故郷)の誉れとなる」
創業の明治38年当時、マークには朝日と桜をバックに「国誉」と入っていたという。
カゴメ(2811)=「愛知トマトソース製造」。三角形をいくつか組み合わせたものを商標登録。
そのマークが、トマトを収穫する時の籠の目の形に似ていたことに由来。
ヨーカ堂(3382)=浅草で創業した「羊華堂」源流。吉
カルビー(2229)=カルシウムと「ビー」はビタミンB1。
スカイラーク(3197)=ひばり。「ひばり」は前身の乾物店「ことぶき食品」が西東京市ひばりが丘団地で開業したことに由来。
セメダイン(4999)=「セメント」と力の単位を示す「ダイン」の組み合わせ。
イギリスの接着剤「メンダイン」を日本市場から攻め出そうとする「攻め出せ、メンダイン」という意味もあったという。
電通(4323)=旧社名の「日本電報通信社」を略したもの。
フマキラー(4998)=1890年、広島市で「大下回春堂」として創業。1920年に同社から発売された殺虫液「強力フマキラー液」に由来。
「フマキラー」とは、fly(フライ=ハエ)の「フ」とmosquito(モスキート=カ)の「モ」にkiller(キラー=殺す)を合わせた造語。
発音しやすい様に「モ」を「マ」にした。
リョービ(5851)=創業地の広島県府中市 (広島県)周辺は「備後」。隣接地の「備中」と合わせて「両備(りょうび)」。
三菱電機と取引があったことより、「両」を「菱」に代えて「菱備」とした。
ワコール(3591)=「江州(現在の滋賀県)に和す」の意味で前身である和江商事が誕生。その和江を『留める』という意味。
キッコーマン(2801)=「亀甲(千葉県の香取神社の山号)」に「鶴は千年、亀は萬年」のおめでたい言葉を組み合わせて「亀甲萬(きっこうまん)」。
ミノルタ(4902)=「実る田」。
マルハ(1333)=波を丸くおさめ、漁の無事を願うというという意味。

(兜町カタリスト 櫻井英明)


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