話題レポート
《Eimei「みちしるべ」》
(12月28日→12月30日の週)
Quick調査の12月18日時点の信用評価損率は▲12.98%。
(前週▲13.16%)。
2週ぶりの改善。
12月18日時点の信用売り残は123億円増の9103億円。
3週ぶりに増加。
同信用買い残は86億円増の2兆5032億円。
2週ぶりに増加。
2兆円台は32週連続。
金額ベースでの信用倍率は2.75倍(前週は2.77倍)。
12月18日時点の裁定売り残は293億円減の1兆3859億円。
(当限は1兆2192億円)
2週連続の減少。
同裁定買い残は548億円減の3493億円。
(当限は3252億円)。
3週連続の減少。
今年の曜日別勝敗(12月25日まで)
↓
月曜25勝22敗
火曜25勝21敗
水曜27勝23敗
木曜21勝27敗
金曜22勝28敗
12月第3週の海外投資家は現物1655億円買い(7週連続買い越し)。
先物2418億円買い(4週ぶりに買い越し)。
合計4074億円の買い越し。
買い越しは2週連続。
日経平均想定レンジ
下限26405円(11月30日安値)―上限27410円(日足のボリンジャーのプラス3σ水準)
IPO件数は12月が26社。
1月は0。
「大納会の日経ジャスダック平均は27年連続で上昇」という指摘もある。
表面上の動意は少ないが、売り圧力への必死の抵抗という状況の株式市場。
フツーに考えれば、コロナ禍の拡大は悪材料。
ココを見るのか、その先のアフターコロナを見るのかで相場観は変わる。
とはいえ、囲碁などと一緒で株式市場という盤面は派手でないが闘いの場。
27000円を付けたくない向きと付けたい向きのひそかな戦いにクリスマスなど関係ない。
昨日前場寄り付き後の9時6分。
日経平均が27900円に乗せた直後に打手返しのような売り物圧力。
単に株高抵抗ということに加えノックイン価格27900円のリンク債の存在というのもあったような気がする。
フツーは終値ベースが算定価格だからザラバはあまり関係ないがそれでも早期償還を避けたいアレンジャーはいるだろう。
24000円の次は27000円のノックイン。
16000円の頃は「そんな値段付くわけはない」と考えていたのだろうが・・・。
そういう意味では現在は過去の延長線上にある。
そして・・・。
「相場は乗り越えられない試練は与えない」ものだ。
日経朝刊コラム「一目均衡」は「終焉迎える債券黄金時代」。
債券は株式下落のヘッジ手段として活用されてきた。
しかしアメリカがゼロ金利政策を取らない以上、ここからはこの図式は成立しないだろう。
株式60%、債券40%のポートフォリオは効率的ではなくなるということ。
そうすると、あの傘を差したようなポートフォリオ理論も色褪せてくる。
結論は「投資先としての債券は存在感を失う」。
そして「債券の代替市場探しが来年のテーマ」。
このところ、日経の論調は「円安株高の終焉、金利安株高の終焉、そして債券市場の主役からの陥落」。
正邪はべつにして、従来の常識的投資理論の変化を示唆するものが多い。
これは悪いことではないだろう。
例えば債券市場が魅力的でなくなれば、相対的に株式市場の魅力は増加する。
まさにグレートローテーションで5年遅れの「債券よさようなら、株式よコンニチワ」の世界の可能性がでてくる。
債券畑のグローバル長期分散理論が消滅するからこそ「ESG」とか「SDGS」とかの理論の登場。
所詮、比較の問題ということ。
そう考えると、頭に入りやすい。
もっとも・・・。
今年の国内債券発行は15兆円と過去最高の見通し。
昨年の14.51兆円を上回る背景は日銀の社債買い入れ方針の延長。
企業の手元資金は潤沢になったころは明確。
ただ「キャッシュ確保」が目的なので、バブルの頃のような「財テク」は登場しないだろう。
あの頃は時価発行増資で入った資金で株式運用していたのが歴史だった。
主要証券の来年の日経平均見通しは3万円台回復が多いとの報道。
最高値は野村の30500円。
みずほと三菱UFJが28000円だ。
1000円程度しか上がらないと見る向きと3000円は上がるという向き。
いずれにしても表面上弱気ではない。
もっとも3月28000円、その後22000円というシナリオもある。
米長期金利の上昇、菅政権退陣、人手不足、東京五輪再延期、企業破綻でのクレジットリスク。
悪材料も事欠かないが・・・。
(兜町カタリスト 櫻井英明)