話題レポート
《Eimei「みちしるべ」》
(4月26日→4月30日の週)
Quick調査の4月16日時点の信用評価損率は▲7.59%と4週ぶりに改善。
4月16日時点の信用売り残は94億円増の7329億円。
3週ぶりの増加。
同信用買い残は304億円増の3兆1976億円。
2週連続で増加。
金額ベースでの信用倍率は4.36倍(前週は4.03倍)。
日経VIは20.02と上昇。
4月16日時点の裁定売り残は978億円減の8583億円。
(当限は8583億円)
4週連続の減少。
裁定買い残は83億円減の1兆781億円。
(当限は1兆781億円)。
5週連続で減少。
今年の曜日別勝敗(4月23日まで)
↓
月曜10勝5敗
火曜9勝6敗
水曜7勝9敗
木曜11勝4敗
金曜7勝9敗
《4月第3週の海外投資家動向》
現物311億円の売り越し(2週ぶりに売り越し)。
先物585億円の買い越し(2週連続買い越し)。
合計273億円の買い越し(2週連続の買い越し)。
ロッドの減少が目立った。
日銀は水曜にETFを買わなかった。
前場のTOPIX下落率1.25%。
従来は0.5%の下落で買っていたがそれが1%下落になったとの観測は先月。
それでも買わなかった。
日銀がETFを買うことが下支えだった東京市場。
これを見れば売り手の勢いに拍車がかかる。
「獅子身中の虫」としては言い過ぎとは思うが・・・。
「開けて悔しき玉手箱」あるいは「頭の黒いねずみ」くらいは許されるだろうか。
日経平均想定レンジ
下限28508円(4月21日終値)―上限30714円(2月16日高値水準)
「べき論」というのはいつも幅を利かせるものだ。
今朝の日経「スクランブル」でも「日銀のETF買い」についての出口論。
「官製相場の弊害」が論じられている。
論旨は間違ってはいない。
おそらく正しいのだろう。
記者という傍観者の立場としては大所高所的に「いつまでも日銀が下支えするのはおかしい」。
そして「下支えするからその下で買えたはずの投資家の投資機会を奪う」。
これは間違っていない。
しか現場感覚としてはどうも「?}。
多くの投資家さんたちにとって「下がることを防いでくれる装置」はその是非を問わず好ましいもの。
だから、頭では納得できても体では納得できない。
この心理がわからないと正論も暴論に聞こえることになりそうだ。
これはコロナの専門家さんたちの意見もそうなのかも知れない。
この1年間という時間に緊急宣言を3回も発動。
コロナという怪物が厄介なのはわかるが、具体論があまり見えなく後手後手と抽象論。
「三密を避けよ」は十分体に染みたが、それでも「付けば的やりっ放し」。
本当に警戒しているのなら、もっと体を張ってロックダウンなどを提言すればいい。
それもせず遠巻きの立場で「懸念している。危惧している」。
政府や首長さんたちではなく専門家が道筋を示すことが必要だろう。
ここでもクローズアップされているのは「傍観者の立場」に思えてならない。
あるいは大阪や兵庫に負けまいとして映る都知事の「緊急事態宣言要請」。
都民ファーストの立場なのだろうが、どうも常にファーストランナーでいたいという気持ちも感じられる。
コロナが政治家してどうするんだろうという気になる。
ファーストといえばコロナに「ファーストイン・ファーストアウト」したのが中国。
GDPは6%超で世界経済の推進役だ。
不思議なのはあれだけの国民がいて、コロナ禍が再発しないこと。
他国では変異ウィルスが拡大している。
中国からはそんな話は聞こえてこない。
鎖国している訳でもないだろうが不思議なことだ。
司馬遼太郎氏の「峠」を読んでいて脳裏に残った一節。
「どの物事にもそこに常に夾雑物がある。
失敗者というものはみなその夾雑物を過大に見、夾雑物に手を取られ、
足を取られ、心まで奪われてついになすべきことをせず、
脇道に逸れ、みすみす失敗の淵に落ちてしまう」。
主人公の幕末越後長岡藩の河井継之助の言葉である。
しかし・・・。
これは幕末の言葉ではなく、今の株式市場でも息の通った言葉として通用する。
「余計なことは考えない方がいい」と言う市場関係者。
「余計なこと、些細な事に気を使っているのは誰?
勘違い。言っている方が勘違い」という疑問が残るが・・・。
(兜町カタリスト 櫻井英明)