みちしるべ 21年05月03日号
兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
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話題レポート
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《Eimei「みちしるべ」》

(5月6日→5月7日の週)

Quick調査の4月23日時点の信用評価損率は▲8.71%(前週▲7.59%)。
3週ぶりに悪化。
4月23日時点の裁定売り残は358億円減の8224億円。
(当限は8224億円)
5週連続の減少。
ピークは昨年11月第1週の2兆380億円。
昨年4月第4週は2兆4125億円だった。
4月23日時点の裁定買い残は2080億円減の8701億円。
(当限は8701億円)。
4週連続で減少。
3月第2週の7022億円以来の低水準。
ボトムは昨年3月第3週の2420億円。

今年の曜日別勝敗(4月30日まで)

月曜10勝5敗
火曜9勝6敗
水曜8勝9敗
木曜11勝4敗
金曜7勝10敗

★月末安の歴史(2勝8敗、7カ月連続安)。

4月末241円安(→)
3月末253円安(→210円高)
2月末1202円安(→697円高)
1月末534円安(→427円高)
12月末123円安(→185円安)
11月末211円安(→353円高)
10月末354円安(→318円高)
9月末353円安(→売買停止)
8月末257円高(→1円安)
7月末629円安(→485円高)
6月末293円高(→166円安)

いちよし経済研究所のリポートは「外国人投資家が好む中小型株銘柄」
以下はその特徴。
(1)「グローバル・ニッチ・トップ」企業
(2)独自色のあるサービスで中長期的に安定的な成長が見込める企業
(3)グローバル・グロース企業との類似性から外国人投資家の理解が早いSaaS型企業

これまで外国人投資家は「時価総額が大きく、流動性の高い大型株を選好してきた。
しかし近年では中小型株への投資も増やしている。
外国人投資家の売買代金シェアが東証1部で7割程度と高水準横ばい推移。
一方、東証2部、マザーズ、ジャスダックでの売買代金シェアは上昇。

具体的な企業。

(1)「グローバル・ニッチ・トップ」企業:
KHネオケム(4189)、アルバック(6728)、ナカニシ(7716)、SHOEI(7839)

(2)独自色のあるサービスで中長期的に安定的な成長が見込める企業:
エス・エム・エス(2175)、ツルハホールディングス(3391)、プレステージ・インターナショナル(4290)、アニコム・ホールディングス(8715)

(3)グローバル・グロース企業との類似性から外国人投資家の理解が早いSaaS型企業:
フリー(4478)、マネーフォワード(3994)

日経平均想定レンジ

下限28508円(4月21日終値)−上限30714円(2月16日高値水準)

《国内企業の3月期決算発表が本格化》(コメントは日経ヴェリタス)

5月7日 日本製鉄(5401)鋼材市況の回復と固定費削減の進捗
5月12日 富士フイルム(4901)複合機などで残るコロナ禍の影響の度合い 
     日産自(7201)経営目標「24年3月期営業利益率5%」への進捗
    トヨタ(7203)鋼材や希少金属などの原材料高の影響
5月14日 東芝(6502)構造改革の進展

菅総理の記者会見。
総理は謝った。
しかし専門家は謝らない。
この違いは何なのだろう。
株式市場関係者だって見通しを間違えれば多くは謝る。
これは専門家というよりも人として当たり前のこと。
しかしコロナの専門家は「変異株が出てきたから」。
「私」のせいではなく変異株のせい。
「年松年始に国民が守ってくれなかったからリバウンドした」。
これは理不尽だろう。
挙句の果てに「リバウンドを考えて解除する」。
いつまでも緊急事態宣言を続ける気なのだろうか。
もっと主体的な方策を専門家には望みたいものだ。
「かねて申し上げていた通りリバウンドした」。
外れ放しの株式市場関係者のようなコメントなら不要だ。
現場が苦労しているのに本丸にいる専門家に弾はあたらない。
治療もせずに論評するだけという姿が透けて見えるから信頼感は醸成されない。
これは株式マーケットも同様に思えてくる。

前場の実況と後場の実況は似て非なるもの。
十年以上やってきてそう思う。
前場の実況に必要なのはそれこそ相場の先行きに対する覚悟。
今日はどう動くのか。
よほど鈍感でなり限りコレが第一義。
「朝は神聖」と言うと語弊があるかも知れないがこれが実務感覚だ。
昨日までのことも必要かもしれない。
しかし見据えなければならないのはその日一日のゆくえと明日。
寄り前や寄り直後に過去のことをしゃべっても耳に入らない。
「今どう動いている」。
そして「これからどう動くのか」が問われるのが前場だ。
「過去に饒舌、未来に寡黙」ではいけない。
手探りで模索しながら材料を落とさない姿勢が求められる。
その「覚悟」が必要だということだ。
かと言って・・・。
「今日の日経平均は前日終値プラス500円−マイナス500円のレンジ」。
こんな予想に覚悟があるとは思えないが・・・。

後場は前場の延長線。
米大統領選とか異例の日銀金融政策会議などがなければ滅多にトレンドが変わることはない。
求められるのは引け味の感覚と明日への展望だ。
もっとも多くは前場の振り返り。
通過してしまった過去完了のことながらどうしても前場を引きずる傾向がある。
なぜなら結果が分かっているので解釈するのが楽だからだ。
言い換えれば後場は、今日の前場と明日の前場のつなぎみみたいなもの。
でもその途中にアジア→欧州→米国と相場が一回りするからややこしい。
一昔前までは「前場はNYの延長線、後場は夜の相場のさきがけ」みたいなところがあった。
しかし今は先物のおかげで平行作業も多い。
何より、今夜のNYと明日の前場を後場に織り込みに行っているのではないかという疑心暗鬼も生じる。
本当は小さな市場など相手にされていないもかかわらず、だ。
だからこそ必要なのは「今ここで起きていること」の把握。
今を外れて明日はない。
現実逃避からは相場観は生まれない。
過去は誰でも一緒に知ることはできる。
しかし未来像はそれぞれ違う。
そういう意味での覚悟が必要となるし、覚悟を問われることになる。
全てを通過し森羅万象が集約された大引けもまた「神聖」なのだ。
本来は引け味から明日を読むという作業が求められているのだろう。
しかし人間はナマケモノなのでそんな解説はめったに聞かれない。

日々の実況で大切なのは潮目を感じること。
前場なら9時8分、9時35分、そして10時半。
後場へ向けての11時過ぎ。
これらの反転・加速の変化の関門をどう通過するのか。
後場ならば昼の先物動向。
12時50分、13時30分、そして14時30分。
最終的には14時50分。
これらが肌で感じる関門だろう。
野球だって一緒。
ファンダメンタルズとも言えるデータ通りに試合が展開するならば必ず強い方が勝ち弱い方が負ける。
試合展開は一方通行になる筈だ。
ところが最下位のチームが首位のチームに勝つこともある。
苦手の投手からホームランを打つ選手もいれば、苦手の打者を三振に打ち取る投手もいる。
しかも、多くの観客は潮目の変化を微妙に感じるもの。
「ここは打つ」というのは勘でしかない。
データなど関係ない。
論理的な左脳ではなく、感覚的な右脳が訴えてくるものがある筈だ。
ラグビーも同様。
ターンオーバーを警戒したときにトライを取られることがある。
それぞれの潮目を捉えることで実況はたぶん生きてくる。
喧騒あるいは熱狂の中で、冷静に左脳で論理的思考をするのはなかなか難しい。
そして面白くない。
もっと大きくとらえれば勝負事というのはそういう世界での出来事なのである。
「力いっぱい振ったら当たってホームランになった」。
意味不明の言葉だが、おそらく真実なのだろう。
そういう意味では長嶋茂雄監督の言葉は結構相場にも通じようか。
「なぜ逃げるのか。
打たれて命を取られるのか。
打たれたからって命を取られるわけないのだ。
逃げるな」。
「努力は人が見てないところでするものだ。
努力を積み重ねると人に見えるほどの結果が出る」。
「努力しています、と練習を売り物にする選手はプロフェショナルとは言えない」。
「いつもずっと思っていることは、現実になっていきます」。


ビットコインからの資金流出額は23日までの1週間で2100万ドルと過去最大に達した。
先週の流入額は130万ドルと、2020年10月以降で最低。
運用資産残高(AUM)は先週時点で543億ドル。
4月中旬の642億ドルから減少した。
第2位のイーサリアムの流入額は3400万ドル。
年初来の流入額は7億9200万ドル。

バイデン米大統領が計画しているキャピタルゲイン増税。
所得が100万ドルを超える富裕層に対するキャピタルゲイン課税の税率を39.6%に。
現行の2倍近くに引き上げる方向だ。
NECのディーズ委員長の見方。
「改革案は最も所得が多い富裕層を対象としたものになる。
キャピタルゲイン課税率引き上げの対象になるのは約50万世帯にとどまる」。
比率にすれば0.3%。
大きいか小さいか。
最も所得が多い富裕層が対象であることは間違いない。
ただ・・・。
富裕層を税金で縛れば消費は間違いなく減衰する。
残念ながら庶民ではなく富裕層が経済を回しているというのも現実だ。

(兜町カタリスト 櫻井英明)


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