話題レポート
《Eimei「みちしるべ」》
(5月24日→5月28日の週)
Quick調査の5月14日時点の信用評価損率は▲9.80%(前々週▲8.75%)。
3週連続の悪化。
5月14日時点の信用売り残は329億円減の6422億円。
3週連続の減少。
直近ピークは2020年9月第4週の1兆412億円。
同信用買い残は419億円増の3兆3360億円。2週ぶりに増加。
ボトムは2020年4月第2週の1兆7947億円。
金額ベースでの信用倍率は5.19倍(前週は4.89倍)。
5週連続の4倍台。
2016年4月第1週の4.95倍以来の高水準。
ピークは2016年1月第2週6.04倍。
ボトム2020年3月第4週の1.62倍。
5月14日時点の裁定売り残は78億円減の9569億円。
(当限は9569億円)
3週ぶりに減少。
ピークは昨年11月第1週の2兆380億円。
昨年4月第4週は2兆4125億円だった。
5月14日時点の裁定買い残は1196億円減の6074億円。
(当限は6074億円)。
2週ぶりに減少。
3月第2週の7022億円以来の低水準。
ボトムは昨年3月第3週の2420億円。
今年の曜日別勝敗(5月21日まで)
↓
月曜12勝6敗
火曜10勝8敗
水曜8勝11敗
木曜13勝5敗
金曜10勝10敗
《5月第2週の海外投資家動向》
現物4214億円の売り越し(2週間ぶり)。
昨年9月第3週の5275億円以来の大きさ。
先物6962億円の売り越し(2週間ぶり)。
合計1兆1177億円の売り越し(2週間ぶり)。
合計売り越し額は昨年3月第1週の1兆1256億円以来の水準。
当時のピークは2月第4週の1兆7768億円だった。
★日経平均想定レンジ
下限28415円(26週線)―上限29165円(25日移動平均線)
セオドア・レビットの「マーケティング発想法」(1968年)の一節。
「ドリルを買いに来た顧客に回転数や消費電力を懇切丁寧に説明しても意味はない。
顧客が欲しいのは4分の1インチの穴なのである。
昨年、4分の1インチ・ドリルがミリオンセラーとなった。
これは人々が4分の1インチ・ドリルを欲したからではない。
4分の1インチの穴を欲したからである」。
そして・・・。
「ドリルを買った人は何を求めていたのかというと、ドリルという製品ではない。
それによってもたらされる穴という結果や利益を求めているのだ」。
証券市場に置き換えれば「アレコレの経済情勢の説明より重要なのは顧客が証券市場を通じて得る利益」となろうか。
現在では説明義務や説明責任などがあるので通用しないかも知れない。
しかし事の本質を表現していることは間違いないだろう。
「表面的な現象に囚われず、隠れた本質が何なのか」。
証券市場では今これが問われているような気がしてならない。
小手先のツールの性能に拘るだけでは市場の未来のトレンドは見えなかろう。
「碁は勝ちきることが何よりも難しい。
どんな打ち手も形勢が悪いとなれば、いっぱいに打つ。
反対に優勢と見ると、固く打つ。
そこに隙が生まれる」。
「幻庵」の中に登場した「吐血の局で有名な本因坊丈和の言葉。
相場にも通じる言葉だ。
その百田茂樹氏の「幻庵」を読了。
上巻はスラスラ。
中巻と下巻はジックリで2週間かかった。
最後に記憶に残った言葉。
主人公幻庵の著書「囲碁評伝」の中の「碁は運の芸」。
「皆相手の過ちにて十局に七局は勝てり。
万人これを知らず。憐れむべし」。
短いが重く深い。
解釈は「勝敗を決めるのは妙手ではなく失着」。
相手の失着こそが実は勝利の要因ということ。
最善の妙手を求めながらも失着によって負けることもある。
これが妙に株式投資の世界に投錨されてきてならない。
「買い手の妙手でなく売り手の失着こそ株高への道」。
株式市場で長く棲息して生き抜いてきた先達ならば「株は運の芸」の域に達していることだろう。
市場関係者からは「ガッキーこと新垣結衣さんと星野源さんの結婚発表。
一足先に暗号資産(仮想通貨)が大きく下落。
米株は大幅安から引けにかけて戻しました。
石原さとみさんはと東京証券取引所を止めました。
ガッキーは仮想通貨取引所を止める?
あとは長澤まさみさんと綾瀬はるかさんに・・・」。
こんなところにアノマリーがあるとは気が付かなかった。
SNSで見つけた記録。
↓
今回5月19日 新垣結衣ショック(結婚) 日経平均53円高
2020年12月10日 戸田恵梨香ショック(結婚)日経平均▲130円
2020年10月 1日 石原さとみショック(結婚)東証システムトラブルで売買停止
2018年12月25日 小倉優子ショック(結婚) 同▲1010円
2017年 4月 9日 佐々木希ショック(結婚) 同△133円
2016年11月 2日 押切もえショック(結構) 同▲307円
2016年 6月13日 優香ショック(結婚) 同▲582円
2016年 1月13日 SMAPショック(解散) 同▲474円
2016年 1月12日 北川景子ショック(結婚) 同▲479円
2016年 1月 7日 ベッキーショック(不倫) 同▲423円
2015年10月13日 釈由美子ショック(結婚) 同▲343円
2015年 9月29日 福山雅治ショック(結婚) 同▲715円
2015年 9月14日 木村沙織ショック(結婚) 同▲298円
2015年 8月22日 堀北真希ショック(結婚) 同▲895円
日経朝刊では「上場企業、純利益26%増」の見出し。
前期の純利益は自動車・電気がけん引した格好で3年ぶりの増益で着地した。
上期大幅減益、下期急回復の構図だ。
25%増ということは金額では28兆円。
コロナの影響がなかった19年3月期が33兆円。
約8割の水準まで回復したことになる。
前期は全体の82%が期初の従来予想を上回って着地した。
結果的には増益が48%、減益が35%。
18年3月期は増益64%(減益30%)、14年3月期は増益71%(減益22%)。
前期のキーワードは「減収増益」。
さらに筋肉質になった日本企業という感じだ。
今期も約3割増益で連続増益の見通し。
ただ日経でも指摘されているが、厄介なのがSBGの存在。
上場企業全体に占める同社の純利益(4.9兆円)比率は18%。
非製造業では32%。
これを「SBG比率」と呼ぶようになっている。
前期の非製造業の純利益はSBG込みで20%増益。
SBGを除外すると24%減益。
SBGはもともと異端的存在だったが、「鬼子」とも言えるし「じゃじゃ馬」とも言えようか。
「怪童」に成長してきたことは間違いない。
「時代のあだ花」なのか「怪童・快児」なのかは微妙だ。
新しい朝ドラ「おかえりモネ」に登城する伊達政宗公の遺訓。
「貞山公遺訓」
仁に過ぐれば弱くなる。
義に過ぐれば固くなる。
禮に過ぐれば諂(へつらい)となる。
智に過ぐれば嘘をつく。
信に過ぐれば損をする」。
人のためを思う気持ちが強ければ自分が弱くなる。
正しくあろうとする気持ちが強すぎれば考えが固くなる。
人を尊重しようとする気持ちが強ければ媚になる。
利口なだけでは嘘吐きになる。
人を信じるばかりではだまされて損をする。
「相場を思う気持ちが強ければ自分が弱くなる。
正しい姿勢で相場を予測しようとする気持ちが強すぎれば考えが固くなる。
銘柄や値動きを尊重しようとする気持ちが強ければ媚になる。
利口なだけで間違えないようにすると嘘吐きになる。
人あるいは相場の未来を信じるばかりではだまされて損をする」。
株式市場的にはこんな口語訳になろうか。
(兜町カタリスト 櫻井英明)