話題レポート
《Eimei「みちしるべ」》
(6月14日→6月18日の週)
Quick調査の6月4日時点の信用評価損率は▲8.33%(前々週▲8.82%)。
3週連続で好転。
6月4日時点の信用売り残は304億円増の7886億円。
3週連続で増加。
同信用買い残は977億円増の3兆3054億円。
3週ぶりに増加。
金額ベースでの信用倍率は4.19倍(前週は4.23倍)。
3週連続で4倍台。
6月4日時点の裁定売り残は71億円減の8035億円。
(当限は8035億円)
4週連続で減少。
6月4日時点の裁定買い残は663億円減の4832億円。
(当限は4699億円)。
4週ぶりに減少。
今年の曜日別勝敗(6月10日まで)
↓
月曜14勝7敗
火曜11勝10敗
水曜10勝12敗
木曜15勝6敗
金曜11勝11敗
6月第1週の海外投資動向。
現物605億円の買い越し(2週連続)。
先物1888億円の売り越し(2週ぶり)。
合計1282億円の売り越し(2週ぶり)。
ようやく登場した「緊急事態宣言解除」に関するひとつの案。
20日に解除し東京や大阪など大半の地域を「まん延防止等重点措置」へ移行する方向。
期間は21日から東京オリンピック開幕(7月23日)までの1カ月程度を想定。
飲食店への営業時間短縮要請などの対策を継続。
来週後半に判断する方針だという。
焦点は4月25日から続く酒類やカラオケを提供する飲食店への休業要請の扱い。
一般論としては妥当な落としどころだが飲食店等については辛い。
「気持ちは解除、実質は同じ」というところだ。
「リスクがありますからふつうは株を買うことはあり得ません」。
こう解説する市場関係者がいたとしたら、これって専門家と言えるのだろうか。
換言すれば「注意しましょう、警戒しましょう」も同様に解決策のない免罪符に過ぎないが・・・。
米上院は「米国イノベーション法案」を可決。
AIや量子、次世代電池、生物技術など先端技術の研究開発に290億ドル3.2兆円)を投じる。
また半導体の工場や研究開発拠点には530億ドルの補助金。
「GDP比で中国の半分も基礎研究に資金を出していない」という危機感が背景だ。
一方で半導体はいずれ供給過剰になり「誰も必要としない半導体をつくるゾンビ工場誕生」の可能性もある。
80年代の敵は日本、今は中国。
新たな戦いは始まっている。
その日本では「骨太の方針」の原案が提示された。
目に付くのは「グリーン」とか「脱炭素、そして「DX」。
ただ最終的には「財政の健全化」が見え隠れする。
細部は変わっても、核は変わっていないということだ。
「前例踏襲と事なかれ主義」はこの国に何百年も脈々と流れている。
★日経平均想定レンジ
下限28604円(25日線)―上限30208円(4月6日高値)
ブルームバーグの指摘。
↓
米国のリスク市場では最近、一種の心理的な萎縮が見られる。
人々は守りの姿勢を強めている。
株式ファンドでさえ、資金のフローが鈍化しつつある。
先週はAMCエンターテインメントやゲームストップなど「ミーム銘柄」の熱狂が再燃。
重力に逆らうミーム銘柄の上昇は、企業のファンダメンタルズに注意を払う人々に不安を喚起した。
PERはがインターネットバブル期以来の高水準で推移。
市場は経済の見通しが改善を続ける一方、インフレは落ち着いた状態を保つ「完璧シナリオ」。
「完璧を実現するのは極めて難しい」という声もある。
工場や家庭からの排水規制を緩和する改正瀬戸内海環境保全特別措置法(瀬戸内法)が成立した.
従来は汚染物質である栄養塩(窒素、リン)の排出を減らしてきた。
しかし海水がきれいになりすぎて生き物の栄養が不足。
管理しながら流せるよう方針転換するという。
高度経済成長期に増えた工場・生活排水による汚染を減らすため、栄養塩などの排出総量に上限を設けて規制。
その結果、水質は一部の海域を除いて大幅に改善。
しかし近年は栄養塩で育つ養殖ノリやワカメの色落ちが目立つようになったという。
栄養塩を排出の総量規制の対象から除外。
特定の海域ごとに管理しながら海に流せるようにする方向。
なんでもかんでも環境という風潮に対する究極のパラドックスのようだ。
緊急事態宣言を出しながらオリンピックは開催する。
危険と安全の同居という究極の矛盾。
コロナは重篤になる非常に危険なもの。
コロナはインフルエンザみたいなもので大したことはない。
突き詰めればどちらかが間違っているということだろう。
史記に登場する言葉。
「天の与うるを取らざれば反って其の咎めを受く」。
政治や軍事だけでなく相場にも通じよう。
ところで・・・。
ゴルフの全米女子オープン最終日。
畑岡奈紗プロ、笹生優花プロが通算4アンダーで並びプレーオフ。
プレーオフ3ホール目で笹生プロがバーディ。
日本人女子のメジャー優勝は2019年の「全英女子オープン」の渋野日向子プロ以来。
日本人女子3人目のメジャー制覇となる。
全米女子オープンの日本勢制覇は初。
早めに「頑張れニッポン」となってきた。
かつての「3S政策」は「スポーツ・スクリーン」そして「ストック」へ。
水曜日経朝刊のコラム「大機小機」は「五輪の観客は感染招くか」。
引用されたのは東大の専門官の分析。
10万人の選手と関係者が海外から入国してもそれだけでは東京の感染状況にほとんど影響はない。
むしろ気分が高揚して人では増えることを警戒すべきだという。
1日1000万人が日常的に往来する東京で30万人程度は大きくないという論旨だ。
課題は「五輪に誘発されて」という指摘。
そういう思考もある。
加えて「五輪報道の過熱と世論の対立は、これまでの政府のコロナ対策への不安や不満が投影されている」とも。
記憶に残ったのは「人間は感染症対策のために生きているわけではない」。
これは突き刺さった。
パソナ会長の竹中平蔵氏のユーチューブでの発言が紹介されている。
結論は五輪開幕だが反論が多い。
開幕の根拠は3つ。
(1)東京五輪・パラリンピックが世界的イベント。
日本の国内事情で中止すべきではない。
(2)これまで夏季五輪が中止になったのは3回。
いずれも戦争が理由だった。
第一次世界大戦、第二次世界大戦時に大会が中止。
「これは国内事情ではなくて世界の事情で出来ないからやめている」。
コロナは「世界事情」とも思えるが・・・。
スペイン風邪の流行下のもと開催された1920年アントワープ五輪(ベルギー)。
「このパンデミックの中でベルギーのアントワープでのオリンピックはきちっとやられました。
もちろん、その時の大会運営は大変だったとか、色々な記録が残っています。
パンデミックだからやめたということではなかったわけです。
スペイン風邪は今の新型コロナウイルスの影響とは比べものにならないほど大きなものでした」。
(3)ワクチン接種が進行している。
見方はいろいろあるが、スペイン風邪の時のアントワープ五輪開催という歴史は調べてなかった。
もっとも、パソナの会長というポジションを考えればワクチンも五輪も進まなければいけない。
それは割り引いて考えるべきだろが・・・。
ふとNY大学のルービニ教授が思い起こされた。
今年4月のコメント。
↓
米国債利回りの新たな急上昇は市場を動揺させている。
より多くのファミリーオフィスとヘッジファンドをアルケゴス・キャピタル・マネジメントと同じ運命に追いやる可能性がある。
景気循環で調整した株価収益率は1929年や2000年代初めごろに見られた高い水準にある。
これは投資家の無謀さを示唆している。
10年物米国債の利回りが年内に2%を超えた場合、衝撃が起こり得る。
その他のリスクとしてインフレ再燃と米国と中国の対立激化を挙げている。
あるいは昨年5月のBBCのインタビュー。
↓
世界的な金融危機の間に、生産量が急減するまで約3年かかった。
しかし、今回は3年はもちろん、3か月もかからなかった。
3週間ですべてが自由落下した。
ウイルスと闘うために世界各国が大規模な封鎖政策を行ってきた。
その結果、多くの雇用が無くなり、消費者もいなくなった。
回復には10年かかるだろう。
米国と中国は、残りの世界に自分側に立つのか、それとも反対側に立つのか尋ねるだろう。
自分の人工知能(AI)システム、自分の5G、自分の技術、自分のロボットなどをすべて使用するか。
それとも自分の競争相手のものを利用するか尋ねるだろう。
このため、世界はさらに分裂させるだろう。
因みに経済学者のジョーク。
↓
★問:神様はどうして経済学者を創造なさったのですか?
答:天気予報官を良く見せるためさ。
★問:経済学者は何をする人ですか?
答:短期的にはたくさんのことを、長期的には何にもしない者である。
★3人の計量経済学者が狩猟に出て、大きな鹿に出っくわした。
最初の計量経済学者が発砲したが、左に一メートル外してしまった。
2番目の計量経済学者が発砲したが、これまた右へ一メートル外してしまった。
3番目の計量経済学者は発砲せずに、バンザイを叫んだ。
「やったぁ。討ち取った」
★経済政策評論家は、法律家と同様あるいはそれ以上に倫理に反しており、
神学者と同様あるいはそれ以上に現実から遊離しており、
経済学者と同様あるいはそれ以上に知ったかぶりを好む、動物である。
(兜町カタリスト 櫻井英明)