みちしるべ 21年06月28日号
兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
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話題レポート
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《Eimei「みちしるべ」》

(6月28日→7月2日の週)

Quick調査の6月18日時点の信用評価損率は▲8.76%(前々週▲7.90%)。
5週ぶりに悪化。
6月18日時点の信用売り残は155億円減の7707億円。
2週連続で減少。
同信用買い残は361億円増の3兆4120億円。
3週連続で増加。
金額ベースでの信用倍率は4.43倍(前週は4.29倍)。
6月18日時点の裁定売り残は2082億円減の2185億円。
(当限は541億円なので2156億円減)。
6週連続で減少。
裁定買い残は557億円増の7808億円。
(当限は6781億円なので557億円増)。
2週連続で増加。

今年の曜日別勝敗(6月25日まで)

月曜15勝8敗
火曜13勝10敗
水曜10勝15敗
木曜16勝7敗
金曜11勝13敗

6月第3週の海外投資家動向

現物1394億円買い越し(2週間ぶり)
先物41億円買い越し(2週連続)
合計1435億円買い越し(2週間ぶり)。

★日経平均想定レンジ

下限28889円(25日線)―上限29685円(5月10日高値)

効率的市場仮説は市場にはすべて無駄がなく効率的合理的に動くという仮説。
シカゴ大学がそのメッカ。
「先生、100ドル紙幣が落ちてます」。
「そんなおかしいことは絶対にある筈はない。もし落ちていたなら我々より先にここを歩いた誰かが拾っているはずだ」。
限界効率仮説では・・・。
「我々より先に歩いた人が気づかなかった可能性もある」。
「我々がここを最初に歩いた人間である可能性もある」。

「すべての財務内容は市場の株価に反映されているから割安株など存在し得ない」。

投資家マインドを分析してみたらキーワードは「同床異夢」。
「発行企業は間違いなく、高株価を望む」。
「証券会社は商売がしやすいという理由で高株価を除く」。
「投資家は株価が上下どちらかに動くことを望む」。
「機関投資家=サラリーマンFMは常に言い訳を考える=重要なのはマーケットではなく自分の地位」。
同じ市場に対してこれだけ思考法の差があるからこそマーケットは成立するのだろう。

ふと気になったのが過去の高値安値の問題。
かつて9000円していた銘柄が今1000円だからといって必ず割安ということは言えない。
あるいはかつて60円だった銘柄が今400円だからといってこれも必ずしも割高とは言い切れない。
となると、過去の高値安値というのは何の意味を持つのだろうか。
今の株価はその水準で推移していれば、目安にはなる。
しかしかけ離れていれば、まったく目安にはならない。
そうするとその延長線上で物事を判断するという紙芝居はあまり意味がないのかも知れない。
そう考えるとさらにややこしくなってきた。
しかしこの過去の値段の呪縛は多くの投資で登場するような気がしてならない。

「マーケットは常に変化と驚きを求めている場所。
しかし、現実にその変化とボラティリティに遭遇すると、
人はなぜか騒ぎ慄き『落ち着いて欲しい』と願うもの。
この微妙な心理は何をどうしてもなかなか説明できない。
そして・・・。
この変化と動揺の記録が記憶となりいずれ相場観となってくる」。
こんな箴言はない。
でも、実際はそんな様相。
「落ち着いて欲しい」と願いながらも、実際に落ち着いた相場展開に戻れば、どこかに隙間風。
真夏の夜の夢にまた遭遇したい。
吹雪の中で見かけた美女に再開したい。
どうしてもこの怖いものみたさの心理は変えようが無いように思える。

その昔、市場関係者は小型材料株ばかりを語っていた。
誰もが知らないような小さな銘柄を持ち出してああだこうだと。
確かに変動率は高く、上がる時は驚きを伴って上昇した。
しかし波が去ったらそれまで。
その後復活の兆しなど見られず、アッと言う間に市場からは忘れ去られた。
そんな風潮に嫌気が差し、流動性の高い大型銘柄ばかりを取り扱った時期もある。
しかし、大型だからと言って安全安心である筈がなく、流動性があっても下落時には同様に下げた。
そして上がる時は誰よりもゆっくりと上昇するもの。
ある時からこの縛りを解いた。
不思議と注目株が大幅高、逆行高することが増えた。
ここ数年心がけているのは「見たことも聞いたこともなく、ましてや行った事のない銘柄は取り扱わない」。
この方針を「稼足」と称している。
誰もが名前は知っている大型銘柄をああだこうだと床屋談義のように繰り返すよりはよほどいい。
それでも、株価というものは加茂の流れや叡山の僧のようにママならないものだが・・・。
辛口の先輩氏のコメント。
「昨日は雨が降ったから天気が悪かった、などという発言に何の意味があろうか?
明日は雨が降らなければお天気だ、くらいしか言えないのではないか?
所詮相場なんぞは誰にも分からない」。
一理ある。

そういえば・・・。
過去に饒舌に振り返ってみると、弱気が身上の人たちが強気に転向した時はたぶん要注意。
強気者の強気は、ままあることだが、弱気者が強気になるということはそれこそ目先天井感の印象。
弱気は弱気のままでいてくれた方が市場の安心感につながる。

ある市場関係者の癖は「上昇基調の銘柄の押し目狙い」。
彼らは「中長期上昇基調だが、目先は下落局面の銘柄」に注目することが多い。
しかし、1週間先の株価の上下で勝負をしている場合はこれでは間に合う可能性が少ない。
今下落基調の株価が5日で変わるかどうかといえば結構難しいもの。
今上昇基調の銘柄の反落の可能性よりも、時間がかかる筈。
もっとも、この長期上昇目先下落基調の銘柄は選択しやすいことは間違いない。
目先の高値を覚えているし、それよりも安いのだから自分に対して説明がつけやすい。
ただし多くの人が嵌る呪縛でもある。
極端な安値圏ならイザ知らず、下がっている銘柄よりも上がっている銘柄の方が更に上がりやすいもの。
「株は安い時に買えば儲けやすいもの」だが、しかし時間がかかるという覚悟は必要だろう。

企業取材を日々行っている。
それに基づいて市況観測をする時間軸は個人的には概ね3ヵ月から半年程度。
しかし、機関投資家などの運用軸は何年にも渡っている。
一方で市場が求めている時間軸は今日か明日かせいぜい1週間程度。
このギャップはなかなか埋まりそうもない。
「明日動く銘柄」、「今動く銘柄」なんてものが望まれる状況。
3ヵ月はおろか、3年後に動いている銘柄なんて陳腐でしょう。
逆に3年後、5年後のパフォーマンスを求めているのに今日や明日の騒音はそれこそ邪魔。
同床異夢のマネーが同じ市場で戦っている以上は仕方がないのかも知れない。

「もっと速く走れよ」。
高速道路を法定速度で走っているバスなんかに乗っているとよく思うこと。
しかし、法定速度だから守らなくてはならないし、違反すれば罰金が待っている。
相場も似たようなものだろう。
極限までトレンドを求めて止まない世界。
しかし物事には限界がある。
毎日値幅制限まで株価が動いていたらそれこそ疲れるもの。
「ほどほどに」が肝要なのだろうが、「ほどほどに」では満足できないのが投資心理である。

IR行動の重要性を説く識者は多い。
そのIRの意義とは学問チックに言えば「投資家と経営者の間のコミュニケーション。
証券市場が伝達された情報を用いて行った意思決定の結果である当該企業の評価と
それに基づく株価の適正化を意図したコントロール」とでもなろう。
だが綺麗な言葉で飾ってもIRの本質は伝わらない。
IRの目的は発行企業にしてみれば認知度向上。
究極的には株価上昇とそれに伴う資本増強および株主数の増加。
投資家側から言えば、的確なディスクロージャによる投資リターンの確保だろう。
やさしく言えば・・・。
「発行体も市場もIR活動の本音は株価の上昇=株主の増加と時価総額の拡大」と言える。
学問的にではなく、あくまでも実務的になり、そして綺麗ごとでなく
あくまでも本音で考えれば、何かと難解で悩みの多いIRもそんなに難しいことではない。
学術的な市場関係者が立ち上げたIR像に惑わされると事の本質が見えなくなる可能性がある。
要は企業・事業内容の理解促進、適正な株価の形成、企業の認知度向上だ。

(兜町カタリスト 櫻井英明)


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