みちしるべ 21年07月05日号
兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
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話題レポート
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《Eimei「みちしるべ」》

(7月5日→7月9日の週)

Quick調査の6月25日時点の信用評価損率は▲8.19%(前々週▲8.76%)。
2週ぶりに好転。
6月25日時点の信用売り残は341億円増の8049億円。
3週ぶりの増加。
同信用買い残は億円476億円減の3兆3643億円。
4週ぶりに減少。
金額ベースでの信用倍率は4.18倍(前週は4.43倍)。
6月25日時点の裁定売り残は29億円減の2156億円。
(当限は554億円なので12億円増)。
7週連続で減少。
裁定買い残は925億円増の8733億円。
(当限は7688億円なので907億円増)。
3週連続で増加。


6月第4週の海外投資家動向

現物1113億円売り越し(2週間ぶり)
先物2852億円買い越し(3週連続)
合計1739億円買い越し(2週間ぶり)。


令和辛丑(かのとうし)三年相場予見の検証

睦月 (1月) 次第高 (日経平均前月比219円高)
如月 (2月) 小浮動 (日経平均前月比1302円高)
弥生 (3月) 押目買い(日経平均前月比212円高)
卯月 (4月 一服 (日経平均前月比366円安)
皐月 (5月 反転 (日経平均前月比47円安)
水無月(6月) 続伸 (日経平均前月比206円安:28日まで)

どちらかと言えばハズレっぽい。

★日経平均想定レンジ

下限28624円(7月1日安値線)―上限29685円(5月10日高値)

6月23日に開催された第1回「新型コロナウィルス感染症対策に対する関係閣僚会議」。
改めて考えさせられたのは「世界から見た日本」ということ。
世界での感染状況を一つのグラフで見ると日本はゼロではないがほとんど底這い。
国内の数字推移だけを見るのとはだいぶ違う。
たぶんこれが世界の体感なのだろう。
そう考えると「意外と頑張っている」という気もしてくる。
コロナの感染が始まった約1年半前に行っていたのは「コロナは門外漢だがチャートは読める」。
そして「日々一喜一憂するのではなく、14日移動平均のチャートの方が見やすい」と。
今は政府資料も7日移動平均になって掲載されている。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/novel_coronavirus/taisaku_shinchoku/dai1/siryou.pdf

因みに世界の新型コロナウイルス感染者は1億8072万。
死者数は391万人。
日本は感染者が約80万人。
死者数は14674人。
現在感染者が18251人。

興味深いのは日経朝刊の「ファンドラップ競争過熱」と「米長寿投信から資金流出」の記事。
なぜ地銀がファンドラップに傾注するかと言えば手数料があるから。
回転売買をせずに黙っていても残高手数料なので放っておいても利益は出る。
これは証券会社が20年前に辿った道だ。
そもそも「お任せ運用」なんて仕組みが投資家のためになるのかどうかはまだ疑問のあるところ。
それでも「信金運用なんて面倒」という向きには受け入れられるのだろう。
一方、投信先進国のアメリカでは歴史あるアクティブ投資から低コストのインデックス投信へという資金の流れ。
1967年設定のフィディリティ・コントラファンドは純資産1376億ドル。
今年は5月までの113億ドルの資金流出。
1934年設定の「アメリカン・ファンズ・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ」。
同様に79億ドルの資金流出。
パフォーマンスが悪い訳でもなく、指数をアウトパフォーム。
それでも資金は流出し手数料の安いETFなどへ移行する姿。
「ここ10年あまりの株高を背景にコストが低いインデックス型でも十分利益を得られることが分かった」。
この一言はファンドマネージャーにとっては辛辣だった。
しかし事の本質でもあろう。
ファンドマネージャーが運用者でなく本当の管理者になる日はそんなに遠くないのかも知れない。

「REIT価格が世界で上昇」は日経。
世界のREITの時価総額は過去最高の約2兆1745億ドル(約240兆円)。
昨年年末比時価総額増加率、米国17%、英国14%、日本13%。
とはいえ日本のREITの時価総額は約18兆円。
まだまだ小さい。

日銀短観で大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)はプラス14。
前回3月調査から9ポイント改善した。
4四半期連続の改善。
ただ市場予想の中心値(プラス15)には届かず。
大企業・非製造業の同DIはプラス1と2ポイント改善。
ただ昨日の5月鉱工業生産指数速報値は94.1.
前月比5.9%下がった。
低下は3カ月ぶり。
背景は世界的な半導体不足を受けた自動車工業の記録的な減産。
昨年5月(10.5%)以来の下落幅となった。
また6月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.9。
前月の51.0から小幅に低下し4カ月ぶりの低水準となった。
原材料コスト高や世界的な半導体不足、輸出が盛んな広東省の港湾施設での混乱が影響。
市場予想は50.8だった。
まとめれば「数字はよくない傾向」なのだろう。


毎年7月に、各指数に連動する上場投資信託(ETF)の多くで分配金が支払われる。
SMBC日興証券のレポートでは分配金支払いに伴う売りは約7200億円の見通し。

以下は売りインパクトの大きい上位30銘柄。
No コード 銘柄名 推定売り需要(百万円) 25日平均のインパクト
1 2801 キッコーマン -2,977 -95.0%
2 6971 京セラ -5,605 -91.9%
3 9869 加藤産業 -90 -91.5%
4 7951 ヤマハ -2,319 -90.3%
5 6645 オムロン -3,620 -87.8%
6 9301 三菱倉庫 -666 -86.0%
7 2531 宝HD -559 -83.7%
8 4095 日本パーカ -102 -82.3%
9 9663 ナガワ -49 -80.9%
10 4543 テルモ -7,375 -80.6%
11 1721 コムシスH -1,097 -78.8%
12 8015 豊田通商 -2,422 -78.6%
13 7981 タカラスタ -60 -75.4%
14 4578 大塚HD -3,134 -74.2%
15 4021 日産化学 -1,968 -73.9%
16 8244 近鉄百貨店 -22 -71.7%
17 6420 フクシマガ -59 -71.5%
18 8830 住友不動産 -2,780 -70.7%
19 4519 中外製薬 -6,064 -70.4%
20 6988 日東電工 -3,183 -70.3%
21 9766 コナミHD -2,350 -69.4%
22 2002 日清製粉G -795 -68.2%
23 6367 ダイキン工 -10,559 -67.8%
24 6954 ファナック -11,450 -67.8%
25 9735 セコム -3,839 -67.2%
26 4534 持田製薬 -97 -66.4%
27 9433 KDDI -10,713 -66.2%
28 1979 大気社 -99 -65.7%
29 8628 松井証券 -288 -65.2%
30 4975 JCU -77 -65.1%


(兜町カタリスト 櫻井英明)


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