みちしるべ 2021年10月11日
兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
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話題レポート
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《Eimei「みちしるべ」》

《Eimei「みちしるべ」》(10月11日→10月15日の週)


Quick調査の10月1時点の信用評価損率は▲9.44%(前々週▲7.68%)。
2週ぶりに悪化。
10月1日時点の信用売り残は2248億円減の7029億円。
4週間ぶりに減少。
同信用買い残は2866億円増の3兆5365億円。
2週間ぶりに増加。
信用倍率は5.03倍。
8月6日時点以来の5倍台(前週3.56倍)。
10月1日時点の裁定売り残は88億円減の62億円。
(当限は62億円なので88億円減)。
4週連続で減少。
2013年3月8日時点(ゼロ)以来8年7か月ぶりの低水準。
裁定買い残は1570億円減の1兆2676億円。
(当限は1兆2676億円なので1570億円減)。
5週ぶりに減少。

今年の曜日別勝敗(10月8日まで)

月曜22勝15敗
火曜21勝17敗
水曜15勝25敗
木曜21勝15敗
金曜19勝20敗

9月最終週の海外投資家動向。
現物4889億円売り越し(3週連続)。
先物1兆2678億円売り越し(2週連続)。
先物の1兆円超の売り越しは昨年2月第4週の▲1兆4119億円以来。
合計1兆7568億円売り越し(2週連続)。
合計では5月第2週以来の1兆1117億円以来の1兆円超。

「200億円の壁」というのがどうもあるような気がする。
企業の売上高の200億円だ。
起業から発展し歴史の長短はあるものの上場。
そして中期経営計画等で打ち出される売上高の数字の多くは「200億円」。
現にこのところ取材した企業の多くが中計の売上高目標が200億円。
あるいは今期の売上高見通しが200億円だった。
経験則では2ケタの売り上げが3ケタになるまでが5年から7年。
200億円を超えてから1000億円になるまでがやはり5年から7年。
ただ200億円を超えると加速度的に売上高が増加する傾向があるような気がする。
「そんな長い時間軸では待てない」という声もあろう。
しかし50億円程度の売り上げが1000億円になれば20倍。
10年で20倍というのはそんなに少ない数字ではない。
同じような伸び率で行けば20年で400倍。
50億円が2兆円になることになる。
もっとも200億円と1000億円の間にも500億円や800億円の壁はある。
しかし、これも経験則だが200億円の壁よりは薄いような気がする。
200億円に乗ったら1000億円は近い。

「山より大きなイノシシはでない」と市場ではよく言われる。
この数十年、さまざまな市場の危機がありさまざまな市場の上昇があったが実に該当すると思う。
例えばボリンジャーバンドのプラスマイナス2σが目先の限界値。
上でも下でもどういうわけかココで止まる。
行き過ぎがプラスマイナス3σ。
どんな土砂降りもどんな青天もここが限界値。
外部材料に惑わされることなくほとんど反転するタイミングを迎える。
「山より大きなイノシシが出そう」と思っても出ないのが相場なのだろう。

☆2021年9月月中平均29893.47円トピ2058ポイント
★2021年3月月中平均29315.26円トピ1945.84ポイント

しかしまあ・・・。
ノーベル賞までが気候変動モデル研究を対象にしてきた。
新聞の見出しは「地球の未来に警鐘」。
そして「IPCC報告書の礎に」。
そのIPCCは8月の報告書で「工業化による気候変動は科学的に疑う余地がない」。
温暖化に疑問があったのは間違いないが、科学的に疑う余地がないのなら、本当なのだろう。
しかもノーベル賞のお墨付きという箔までついてきたことなる。
壮大な地球温高思想になってきたようだ。
もっとも祝ノーベル賞受賞ではある。
因みに・・・。
地球温暖化についての興味深いサイトがあった。

https://www.carbonbrief.org/

★日経平均想定レンジ

下限27528円(10月6日終値)―上限29508円(25日線)

8日続落は2009年7月1日→13日の9日続落以来。
あの時はその後7月14日から27日までの9日続伸。
その先は2008年6月18日→7月4日までの12日続落。
因みに上昇は2017年10月2日→10月19日までの16日続伸。

【10月】7勝3敗、(勝率70%、2位)
気学では「往来相場。底値鍛錬につき高下を繰り返す。売り買い注意月」

11日(月)世銀IMF年次総会(→17日)
12日(火)国内企業物価指数、G20財務相・中央銀行総裁会議、米JOLT求人件数、独ZEW景況感、株安の日L
13日(水)機械受注、米FOMC議事要旨、消費者物価、中国貿易収支
14日(木)中国消費者・生産者物価、大幅高の特異日、変化日
15日(金)米小売り売上高、NY連銀製造業景気指数、輸出入物価、ミシガン大学消費者信頼感、株高の日、鬼宿日

上半期の株価上昇率ランキング:時価総額1000億円以上の上場企業
3月末と9月24日の終値比較

1位川崎汽船(9107)株価上昇率 230.6%
2位郵船(9101) 同191.1%
3位ユナイテッド海運(9110) 同181.2%
4位商船三井(9104) 同154.7%
5位ミダック(6564) 同149.0%
6位ベイカレント(6562) 同145.9%
7位グローブライド(7990) 同129.2%
8位HIOKI(6866) 同127.9%
9位ラクス(3923) 同119.%
10位日本電子(6951) 同117.5%

高邁な理想と低俗な欲望。
市場は常に世界経済や景気動向を語る。
特に欧米の経済事情をアレコレと詮索する。
政策の方向や金利などには敏感に反応する。
しかし、人間の生活は雇用統計やISM景況感で成り立ってる訳ではない。
何を買えば儲かるのか。
どの株が上がるのか。
これが本来は優先する筈だが、欲望は高級感のオブラートに包まれることが多い。
日々の経済指標を日替わりで解釈し、些末に捉われ大筋を見失う。
起こっていることは人間の欲望に基づいた動きにも拘わらず、だ。
市場はESGを奉祝し、市場はSDGsを崇拝する。
このギャップが市場を難しくしているのかも知れない。
高級感よりも俗物心理を優先すると市場は見えやすくなるような気がする。
たぶん政治だって一緒だろう、

日曜の夜に発表された新内閣の顔ぶれを見て思ったのは「やる気があるのだろうか」。
派閥的バランスは常にあるのだろうが、来年で引退予定の参院議員や知らなかった名前は多い。
これを新鮮ということは可能だろう。
ただ実務的にはどうなのだろうか。
あるいは実務を優先した結果がこうなのだろうか。
意外と意味不明感があるのは否めない。
もっとも「令和の所得倍増計画」には期待したいところだ。
一方で、野党も含めた「所得の再分配」は疑問の残る部分。
大企業の懐を温め、富裕層だけが得をしたという分析は本当に正しいのだろうか。
今度はそこを突いて所得を再分配しようという発想は間違っていないのだろうか。
株主には苦労を強いて、その果実を低所得者層にまわすことで経済は成長できるのだろうか。
リスクを取ったものが報われないという現実になりかねないことは正しいのだろうか。
結果的に儲かったのかも知れない投資家の利益から収奪を増やすならば、損益通算だった認めて欲しいもの。
「貯蓄から投資へと並行しての金融所得課税強化」というのは矛盾だらけだろう。

日経朝刊では「金融所得税率上げ議論」の見出し。
「日本は欧米に比べて富の偏りは小さく、家計が保有する金融資産も株式などは少ない。
税収増が限られるにも関わらず、政府が進める貯蓄から投資へに水を差しかねない」。
という趣旨は正しい。
因みに、2019年度の配当に関する税金は国税分で4.9兆円。
株式譲渡に関しては0.7兆円。
合計で5.6兆円。
仮に20%分離を30%分離に10%引き上げると5600億円の税収増と計算できる。
仮に金融所得の額に応じて5%税率を引き上げると数千億円の税収増というのが財務省の試算。
NISAなどがあるので個人投資家には影響は出にくいというのが財務省の見方。
しかし・・・。
この見方に「リスクと取る」と姿勢への理解はない。
意味合いは異なるが「白河の清きに魚も棲みかねて もとの濁りの田沼恋しき」というのもあった。
「株しい投資はお金持ちがやることという古い固定観念にとらわれているように見える」。
これは日経朝刊「スクランブル」の指摘。
「違和感を覚える市場参加者は多い」とある。
もっとも・・・。
非居住者への増税案ではないので海外投資家にとっては「他人事」という指摘もある。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券のリポート。
「21年10?12月期の自社株買いと増配銘柄予想」

東証1部上場の3月決算企業、金融除く、時価総額500億円以上で10?12月に自社株買いの発表が期待できる銘柄・増配が期待できる銘柄。

★自社株買いの発表が期待できる銘柄
コード 銘柄名
1719 安藤ハザマ
1812 鹿 島
1835 東鉄工
1878 大東建
2282 日本ハム
4021 日産化
4041 日曹達
4061 デンカ
4182 三菱ガス
4403 日 油
4503 アステラス薬
4534 持田薬
5122 オカモト
6013 タクマ
6113 アマダ
6622 ダイヘン
6804 ホシデン
6923 スタンレ電
6988 日東電
7545 西松屋チェ
8130 サンゲツ
9075 福山運
9364 上 組
9682 DTS
9744 メイテック
9759 NSD
9934 因幡電産



☆増配の発表が期待できる銘柄
コード 銘柄名
1925 大和ハウス
2801 キッコーマン
3132 マクニカ富士
3407 旭化成
4021 日産化
4042 東ソー
4062 イビデン
4091 日本酸素
4183 三井化学
4188 三菱ケミHD
4205 ゼオン
4368 扶桑化学
4401 ADEKA
4403 日 油
4527 ロート
4543 テルモ
4901 富士フイルム
5122 オカモト
5384 フジミインコ
6101 ツガミ
6201 豊田織機
6302 住友重
6367 ダイキン
6368 オルガノ
6407 CKD
6448 ブラザー
6516 山洋電
6594 日電産
6645 オムロン
6652 IDEC
6902 デンソー
6967 新電工
6976 太陽誘電
6981 村田製
7701 島津製
7732 トプコン
7867 タカラトミー
7917 藤森工
8035 東エレク
8078 阪和興
8088 岩谷産
8154 加賀電
9962 ミスミG



(兜町カタリスト 櫻井英明)


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