みちしるべ 21年11月22日号
兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
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話題レポート
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《Eimei「みちしるべ」》

(11月22日→11月26日の週)

11月12日時点のQuick調査の信用評価損率は▲7.89%(前週▲7.87%)。
3週連続で悪化。
11月5日時点の信用売り残は441億円増の7123億円。
2週ぶりに増加。
同信用買い残は898億円減の3兆5063億円。
3週ぶりに減少。
信用倍率は4.92倍。
2週ぶりに4倍台。
11月12日時点の裁定売り残は235億円増の293億円。
(当限は293億円なので235億円増)。
2週連続で増加。
裁定買い残は25億円減の6088億円。
(当限は6088億円なので25億円減)。
7週連続で減少。

今年の曜日別勝敗(11月19日まで)

月曜25勝18敗
火曜24勝20敗
水曜16勝29敗
木曜24勝18敗
金曜24勝21敗

11月第2週の海外投資家動向。
現物372億円売り越し(2週間ぶり売り越し)。
先物3134億円買い越し(2週間ぶりに買い越し)。
合計2761億円買い越し(2週連続で買い越し)。

10月第4週の海外投資家動向。
現物1414億円売り越し(2週連続売り越し)。
先物500億円買い越し(2週連続買い越し)。
合計914億円売り越し(4週間ぶり)。

火曜の前場の実況中にタバコを吸いに出るのは10時45分。
スタジオに戻ってくると相場が元気ついていることが多い。
昨日の前場の日経平均は110円程度のレンジでプラスマイナスのターンオーバーを反復していた。
戻ってみるとプラス幅が拡大。
11時前に一気に19960円まで上昇した。
先物の2000枚単位の商いと伴っての上昇。
しかしあと40円が遠く3万円には到達しなかった。
ボリンジャーのプラス2σがキャップとなった形だ。
そこから大引けまでは劇的シーンはなく29800円台で終了。
思ったのは「売り方もソワソワしている」。
すこしでも上に行く素振りを見せると浮足立っての買戻し。
「水鳥の羽音に驚く」という姿勢だ。
寄り付き前に話していたのは「根拠レスだけど今日は高いよ。
「終値で29800円台」だった。
加えれば・・・。
脳裏に浮かんだのはわらべうたの「通りゃんせ」。
「ここはどこの細道じゃ。
3万円の細道じゃ。
ちいーと通してくだしゃんせ。
気合のない者通しゃせぬ。
行きはよいよい帰りは怖い。
怖いながらも通りゃんせ通りゃんせ」。
七五三の時期だからだろうか。
「怖い=疲れた」という意味もあるらしいが・・・。
今日は後場の実況。
後場のタバコタイムは13時45分から。

「音楽が鳴っている間は、踊り続けなければならない」(シティグループCEOのチャック・プリンス)
と市場関係者。


政府の経済対策の規模は財政支出ベースで55.7兆円。
今日閣議決定されるが過去最大規模の経済対策となる。
財政支出のうち、国費は43.7兆円。
2021年度補正予算案に31.99兆円(一般会計31.6兆円、特別会計0.4兆円)を計上。
22年度予算案に新型コロナ対策の予備費として5兆円を盛り込む。
民間資金を加えた事業規模は78.9兆円。
財政支出は2020年4月に決定した緊急経済対策の48.4兆円を上回り過去最大規模。
ただし・・・
18歳以下への10万円相当の支給や中小事業者への給付金、原油高に苦しむ関係業界への支援策が盛り込まれている。
課題は分配でなく成長ということが永田町ではわからないのだろうか。

★日経平均想定レンジ

下限28546円(10月22日安値)ー上限30795円(9月14日高値)

「上場企業純利益2倍」の見出し。
上場企業の上半期の決算を1689社が通過。
同期間での過去最高を3年ぶりに更新した。
全産業の純利益は20兆2973億円。
19年上半期を2割上回った。
通期は48%増益の26兆6503億円の見通し。
8月時点の36%増益よりも伸びている。
通期予想を公表したのは1548社。
3社に1社は上方修正。
社数ベースでは製造業で32%、非製造業で24%。
SBGなど見通し未公表の企業を市場予想で計算してみると全体で過去最高水準になる。

「NTT世界100社と連携へ」の見出しもある。
6G向け次世代通信基盤の国際標準化が目標。
いよいよ「iモード」以来の逆襲が開始されそうな気配だ。

ゴールドマン・サックス証券のリポート。
TOPIXの1年先の見通しは2250ポイント。
3カ月先の予想は2225→2180と引き下げ。
背景は岸田政権の政策スタンスに対する市場の懸念が予想よりも強いこと。
国内企業の21年4?9月期決算が予想ほど強くなかったこと。
短期的な目標値は引き下げた。
しかし「潜在成長率を上回る健全な国内成長や大規模な財政出動など、日本株を支える環境は今後も続くと確信している」。
日本株に強気な見方を維持しTOPIXに10%のアップサイド余地があるとみる。
22年には「外国人投資家が主な買い手になると予想している」。
世界経済は減速しつつも、トレンドを上回る健全な成長が期待される。
内需主導で国内経済は加速する。
「当社の為替ストラテジストは、中期的に若干の円高を見込んでいる。
円建てのTOPIXの上昇を見込まれる。
ドル建てのTOPIXのパフォーマンスが改善。
海外投資家の資金流入が見込まれる」。
2020年2月の新型コロナウイルス感染拡大以降、外国人投資家は現物株を2兆1000億円、
先物を4兆8000億円の売り越しを続けている。
「経済再開に向けてパンデミックからの回復が見込まれる。
海外投資家のニュートラルなポジションへの復帰が見込まれる。
同時に、更なる資金流入のためには、岸田政権の成長戦略やコーポレート・ガバナンスの一層の充実が必要であると考える」。

ゴールドマン・サックスはS&P500種が来年末に5100ポイントに達すると予想。
15日終値(4682.80ポイント)からの上昇率は約9%。
年初来で約25%上昇している現状から伸びが緩やかになるとの見通し。
S&P500採用銘柄の1株当たり純利益は22年に8%増の226ドルになると予想。
22年の利益率は12.6%と40ベーシスポイント(bp)上昇。
ただ23年には法人税改革の影響で低下するとした。
また、実質金利が上昇したとしても依然としてマイナス圏で推移。
株式への資金配分は引き続き過去最高水準になると指摘。
将来的な利上げによって強気相場が崩れることはないとした。
もっともFRBの引き締めサイクルにおける過去の経験上、株式のバリュエーションが一段と拡大する可能性は低い。
IT、金融、ヘルスケアが「オーバーウエート」。
一方、消費財、公益、電気通信サービス、自動車を「アンダーウエート」に設定。
労働コストが高い企業を避け、利益率が高い成長株への投資を推奨した。
モルガン・スタンレーはS&P500が22年に下落に転じると予想。
見通しは対立の構図だ。

国際エネルギー機関(IEA)は北海ブレント原油の2022年の平均想定価格を1バレル=79.40ドルに引き上げた。
「堅調なガソリン消費と多くの国での国境再開に伴う海外旅行の増加により世界の石油需要は強まっている。
ただ、欧州での新型コロナ感染の拡大、産業活動の低下、原油価格の上昇が需要を減少させる可能性がある」。

ジェフリーズは「米国の失業率が2022年末までに3%まで低下する」との見通し。
労働供給の減少と前例のない需要により労働市場は1950年代以降で最もタイトな状態になるという。
米国の賃金上昇圧力が緩和される可能性は低く22年下半期には主要なインフレ要因になると指摘。
「今後1年間の賃金上昇率は4.5─5.0%で推移する見通」。
サプライチェーン(供給網)のボトルネックが解消されたとしても、インフレ率は2%に回帰しない。
2.5─3.0%のレンジで推移する可能性が高い。

サウジアラビアの政府系ファンド「パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)」。
第3四半期に米上場株の保有額を前四半期の約160億ドルから434億5000万ドルへと約3倍に拡大させた。
アリババやウォルマート、ピンタレスト株を取得。
またオランダのジャスト・イート・テイクアウェー・ドット・コムやカナダのバラード・パワー・システムズも取得。
PIFは米配車大手ウーバー・テクノロジーズを3.75%保有。
ソフトバンクの1000億ドル規模のテクノロジー投資ファンドに450億ドル投資している。
PIFの資産運用額は4300億ドル。

モルガン・スタンレーのアナリストの見通し。
「S&P500が2022年に下落に転じる」、
背景は利益成長の鈍化。
金利が上昇して株式市場がより不安定になるという。
基本シナリオである目標の4400ポイントは同指数が5%下落する可能性を示唆。
1株当たり利益(EPS)の観点からは、来年は欧州と日本が最も成長するとの見方。
新興市場については中立。

バイデン米大統領はガソリン価格高騰を引き起こしている違法行為の可能性を調査するようFTCに指示した。
「FTCには違法行為が米消費者への負担になっているか精査する権限がある。
国民がより高いガソリン代の支払いを余儀なくされることは容認できない。
FTCが即時行動すべきと確信している」とコメントした。
消費者の利益を損なってはならないという発想だ。
またアマゾン・コムは来年1月から英国のサイト上で米ビザのクレジットカードを利用できなくする。
理由はビザの手数料の高さ。
アマゾンのコメントは「顧客に最良の価格を提供しようとする企業にとって障害となる」。
いずれも消費者の利益優先というのが錦の御旗。
もう何十年も顧客重視というのは言われてきたことだが改めてクローズアップされた格好。
ただバイデン大統領は中間選挙向けのアピール。
アマゾンは自社のコストダウン。
これも当然背景にある。
ということは美辞麗句でオブラートに包まれた本質と見えてきた風景は違うのかもしれない。

2022年は「五黄の寅」
九星の「五黄土星」と十二支の「寅年」が重なる年だから36年に1回やってくる。
その36年前は1986年(昭和61年)。
プラザ合意以降の急激な円高に対処するため、財政政策は拡張路線に転じた。
政府は公共事業の拡大、所得減税、政策金利である公定歩合引き下げによる金融緩和を実行。
緩和マネーは土地と株式に集中し、企業は本業よりも「財テク」に走った。
土地は値下がらないもの、という土地神話が投機を助長した。
大発会13130円だった日経平均は8月に18996円まで上昇。
10月の15000円台まで調整し年末は18701円。
年間上昇率は42.61%。
因みに過去最大は1952年の118%、次いで2013年の56.72%。
1960年が55%、1958年が40.46%。
1971年が41.46%。
60年前の1962年は▲13.58%だった。
当時は金融テクノロジーの発展が目覚まし資産運用のニーズが多様化。
株価指数に連動した先物をはじめ、金融派生商品が生まれたのはこの時期。
日経平均の先物も86年にシンガポールの取引所で売買が開始。
大阪、シカゴへと拡大した。

寅=虎=獅子(ライオン)だ。
もう一つは「壬寅(みずのえとら)」。

「壬」は、ゆったりと曲がりながら流れる大河の水。
一方で寅は、決断力と才知の意味。
この2つの性質を併せ持つ壬寅は「安定していておおらか」という特徴を持つ干支。
決断の「寅」と「悠然さ」の「壬」。
「壬」は十干の9番目。
生命の循環で言えば終わりの位置に近く次の生命を育む準備の時期。
「壬」の文字の意味は「妊に通じ、陽気を下に姙」。
厳冬を耐えて内に蓄えた陽気で次代の礎となること。
土の下で芽が膨んで土がぐんと盛り上がっている様子、
もしくは生き物が子孫を残すための繁殖期」。
「壬」は、厳冬、静謐、沈滞。
「寅」は十二支の3番目で、生命の循環で言えば初めの位置に近く誕生を表している。
「寅」の文字の意味は「?(ミミズ)に通じ、春の発芽の状態」。
豊穣を助けるミミズが土の中で動き、芽吹きが始まった状態。
暖かくなって虫たちが動き出し、春の胎動を感じさせるイメージ。
「寅」は陰陽五行説では「木の陽」。
五行の「木」は成長、発育、誕生、春の象徴。
つまり「寅」は、強く大きく成長する。
「壬」と「寅」の関係は「水生木」の「相生」と呼ばれる組み合わせ。
これは水が木を育み、水が無ければ木は枯れる。
「壬」が「寅」を補完し強化する関係となる。
結論は2022年の干支「壬寅」は「陽気を孕み、春の胎動を助く」。
冬が厳しいほど春の芽吹きは生命力に溢れ、華々しく生まれることを表している。

過去の寅年をみてみると、
2010年 10,654.79→10,228.92円(▲3%)
1998年 14,956.84→13,842.17円(▲7%)
1986年 13,136.87→18,701.30円(△42%)
1974年 4,259.20→3,817.22円(▲10%)
1962年 1,425.30 →1,420.43円(△0.3%)

アノマリー追加。
イスラム暦6月(2022年は1月5日ー2月2日)と
イスラム暦10月上旬(2022年は5月3日ー5月31日)は日米株とも共通して下落しやすい。
米国株はイスラム暦8月上旬(2022年は3月5日ー4月2日)は上昇しやすい。

「2022年」

★水星逆行期間

水星逆行が話題になるのは水星が逆行しているように見える期間があるから。
そして水星が逆行する期間中にはさまざまなトラブルが起きやすい.
水星逆行は世界経済や株式にも影響があるともされている。
水星逆行がはじまる日と終わる日の前後3日間が最も影響が出やすいとされる。

2022年水星逆行期間
1回目:5月10日−6月3日(牡牛座)
2回目:9月10日−10月2日(9月10日−23日てんびん座。以降は乙女座)
3回目:12月29日−2023年1月18日(やぎ座)

★天赦日:1年で一番何を始めても良い日

1月11日(水)一粒万倍日
6月10日(金)一粒万倍日
8月23日(火)
11月7日(月)

★ヒジュラ歴(イスラム)の新年:その語10日間は高い
2022年7月30日

★ラマダン:株価が軟調なことが多い
2022年4月1日−4月30日

(兜町カタリスト 櫻井英明)


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