話題レポート
《Eimei「みちしるべ」》
(3月14日→3月18日の週)
3月4日時点のQuick調査の信用評価損率は▲13.00%(前週▲14.32%)。
2週ぶりに好転。
3月4日時点の信用売り残は100億円減の6834億円。
2週連続で減少。
同信用買い残は1142億円増の3兆3522億円。
7続ぶりに増加。
信用倍率は4.91倍(前週4.67倍)。
5週連続で4倍台。
3月4日時点の裁定売り残は293億円減の42億円。
3週連続で減少。
裁定買い残は136億円増の4307億円。
2週ぶりに増加。
3月第1週の週間海外投資家動向。
現物2692億円売り越し(2週連続で売り越し)。
先物1100億円売り越し(3週連続で売り越し)。
合計3792億円売り越し(3週連続で売り越し)。
信託銀行が6週間ぶりに売り越し(1188億円)。
個人は3週連続買い越し(4425億円)だった。
今年の曜日別勝敗(3月11日まで)
↓
月曜4勝4敗
火曜4勝6敗
水曜5勝4敗
木曜4勝6敗
金曜4勝6敗
電子端末の指摘。
↓
3月末にかけ配当再投資に伴う需給要因によりNT倍率は縮小方向へ偏りやすい時期。
21年3月の配当落ち額は日経平均株価が178.50程度、TOPIXが17ポイント程度だった。
この時の配当の再投資に伴う買い需要を日経平均先物で1000億円程度、TOPIX先物で6500億円程度と推計。
このトラッキングエラー抑制を目的とした先物買いは、7月上旬の主要ETFの決算に伴う分配金拠出のために売り需要として顕在化することとなる。
今年は日経平均構成銘柄の入れ替えが4月1日引けで発生する。
大和証券によると、新規採用のオリックス(8591)と除外の新生銀行(8203)。
加えて日経平均構成銘柄全体に約540億円の売りが生じるという。
因みに今年3月の配当権利落ちは235円という試算がある。
すこし怪訝に思ったのがマイクロソフトやアップルの更新通知。
何気に毎月のようにやってくる。
でも、やってくるということは、常時監視されているようなもの。
当たり前のようにも思えるが、悪意を持って利用すれば世界中のパソコンや携帯が監視できる。
位置情報などは当然把握される。
パソコンや携帯にはカメラもついているから映像だって取得可能になろう。
ある意味「未来の恐怖」の現実化。
OSなどの世界の主流争いの背景はこういうことなのだろう。
サイバーセキュリティ以前に怖い課題だ。
★日経平均想定レンジ
下限24992円(ボリンジャーのマイナス2σ)−上限26558円(25日線)
仕組み債の手数料開示が話題になっている。
日経平均リンク債もEB債も名前は債券。
発行体は格付けの良いヨーロッパの銀行だから、形式上は確かに債券。
しかし実態は要するに指数や個別株オプションのプットの売り。
プットの売りだからオプション料の受領が発生し、それが分配金原資となる。
ボラが高ければ多いしボラが低ければ少ないから対象にしない。
当面の問題は販売手数料となっている。
販売手数料よりも問題なのはアレンジャーと呼ばれる外資系証券会社の取り分だろう。
ココが20年以上もブラックボックスとなっている。
そしてあくまでも利息ではなく利金。
それも「年率換算」としているので、実年率6%でも半年満期であれば実際に手にする利金は3%。
誤解と錯覚を招く最大のポイントだ。
記事などを見ると「ノックアウトでの早期償還では期間分の利息が減る」とのコメント。
最初からボラはセットされているので日割りで利金が増減するものではない。
昔から記者はこの仕組みを理解しないことが多いから変な解釈が往々する。
要は「プットの売り」のポジションが形を変えて投資家の資金を集めているだけの話。
しかもダウンリスクだけでアップメリットはないこともあまり言われない。
とにかく手数料が数%稼げるから販売するのが金融機関。
投資家保護などどこかへ消えたような不思議な世界だ。
スターリン暴落は1953年3月5日のこと、
ソ連のスターリン首相の重病と死亡が伝わり株価は1日で10%の下落。
1日で10%の下落は第4位の下落率となる。
その2年9カ月前の1950年6月に起こった朝鮮戦争。
日本が米軍中心の国連軍の基地となり、戦争用資材やサービスに膨大な「特需」が発生。
輸出も急拡大した。
日経平均は1953年2月に474円高値を記録。
1950年7月の安値から約2年半で5.6倍に上昇していた。
ソ連の指導者が亡くなれば朝鮮戦争は終結し特需は終わる。
これが市場の解釈。
今とは真逆で、戦争が終わると株価が下がるという局面だった。
その時々によって、材料の解釈が変化するから微妙なものだ。
もっとも実体経済はすでに減速していた。
1952年には生産過剰が表面化し多くの業界で操業短縮が始まっていた。
「スターリン首相の重体が引き金。
しかし当時の株式相場は景気実態を超えて過熱していた」という見方だ。
「桐一葉 落ちて天下の秋を知る」。
「独眼竜」のペンネームで知られた石井久・立花証券元社長が予言していたのはこれが背景。
興味深いのは「東京株式市場だけの暴落」だったこと。
通常海外初のショックは世界株安になっているがこれだけは違っていた。
「相場は上がらなければ下がらない」。
そして「材料解釈はその時々によって異なる」。
また「ロシアはこういう独裁的支配の歴史の延長線上にある」。
結構な教訓だ。
(兜町カタリスト 櫻井英明)