みちしるべ 22年06月13日号
兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
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話題レポート
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《Eimei「みちしるべ」》

(6月13日→6月17日の週)

6月3日時点のQuick調査の信用評価損率は▲11.08%(前週▲12.40%)。
2週ぶりに好転。
6月3日時点の信用売り残は193億円増の7938億円。
3週連続で増加。
同信用買い残は271億円減の3兆318億円。
3週連続で減少。
信用倍率は3.82倍(前週3.95倍)。
2週連続で3倍台(8週前は3.02倍)。
6月3日時点の裁定売り残は736億円増の2481億円。
2週ぶりに減少。
裁定買い残は2769億円増の1兆1310億円。
3週連続で増加。
日経掲載の数字では裁定売り残が1101億円減の857億円。
裁定買い残が2452億円増の8912億円。
これは当限だけの数字。
翌限以降は売り残が1624億円、買い残が2398億円だ。

今年の曜日別勝敗(6月10日まで)

月曜9勝11敗
火曜12勝10敗
水曜13勝8敗
木曜10勝12敗
金曜11勝10敗

6月第1週の週間海外投資家動向。
現物410億円売り越し(2週連続で売り越し)。
先物6651億円買い越し(2週連続で買い越し)。
合計6241億円買い越し(2週連続で買い越し)。
個人は現物2080億円売り越し。
先物1457億円売り越し。
合計3528億円の売り越し。
信託銀行は現物863億円売り越し。
先物2505億円売り越し。
合計33369億円の売り越し。

5月第4週の週間海外投資家動向。
現物368億円売り越し(2週ぶりに売り越し)。
先物2924億円買い越し(3週ぶりに買い越し)。
合計2556億円買い越し(3週ぶりに買い越し)。
個人は現物1497億円売り越し。
先物227億円買い越し。
合計1270億円の売り越し。
信託銀行は現物85億円売り越し。
先物149億円売り越し。
合計234億円の売り越し。

NY市場につられて雇用統計やISM製造業景況感で右往左往していたころが懐かしい。
経済指標にも人気の高低や浮沈があるものだ。
逆に言えば「絶対の経済指標などない」ということ。
脚光と日陰の繰り返しとでも言えようか。

数字やデータを見るのが楽しくなることがある。
ルーティンな作業だがそれでも時折強烈に数字が待ち遠しくなる。
例えば上昇してきたとき。
「200日線を超えたかな」。
「雲の上に出たかな」
「プラス2σを越えて3σに向かうかな」
「EPSが2100円台に乗ったかな」。
「騰落レシオが120を超えたかな」
「松井証券の信用評価損益率がプラスになったかな」。
下落局面でも「25日線からマイナス10%になったかな」。
「マイナス2σに届いたかな」
「PERが11倍台まで低下したかな」。
様々な局面でその時々の目標が毎日ある。
レース終了後にすぐ来週のレースを予測するようなものだ。
こうなると本物。
というよりは病気。
ただ株は毎日の世界。
夕刻になると今日の数字が早く見たくなり朝になるとNYの動向が同様に気にかかる。
脳裏に点滅するアレコレは今日の糧。
言ってみれば「株病」だ。

UBS証券のリポートは「3つの逆風のうち2つが緩和」。
(1)輸入商品価格の高騰(交易損失の悪化)、
(2)中国のロックダウン、
(3)5月半ばになってコロナウイルスの感染者数が増加
これらが3つの逆風となり景気回復の重石
「その後(2)(3)は緩和されている。
中国の主要都市で制限措置が緩和された。
国内で屋外でのマスク着用義務が緩和された。
10日から98カ国からの旅行者の受け入れを再開すると発表。
日本経済に対する比較的明るい見方は強まっている」。

★日経平均想定レンジ

下限27015円(25日線)−上限28952円(ボリンジャーのプラス3σ水準)
相場の悪い時は思索の時間。
その先の相場の良い時に備える時間。
でも相場の悪い時に相場を考える人は少ない。
人が努力していない時に努力することはきっと勝利への道なのだが・・・。
野球の選手だって関取だった毎日連中していないとナマってしまう。
株も一緒だ。

株価を動かす窮境は「欲望」。
どんなに綺麗ごとを並べてもこれは事実だ。
経団連は「インパクト投資」促進のための指標をまとめた。
見返りを求めない「寄付」ではなく、配当などで収益を確保するための指標だという。
「社会に貢献する企業への投資」。
聞こえは良いが、逆に考えれば「投資や投機の免罪符」にも思えてくる。
生産性、業務効率、エネルギー効率はまだわかる。
雇用の創出やサイバー攻撃予防件数もなんとなくわかる。
労災や交通事故、疾病での死亡者数、健康寿命と平均寿命の差、バリアフリー工事件数。
こうなるとだんだんわからなくなってくる。
34項目の「ヘルスケア」と34項目の「レジリエンス(復元力)」。
ESGとかSDGsの延長線での学問チックな分析指標。
それで本当に日本企業の実力は高まるのだろうか。
「海外でSDGsバッジをつけている人は見かけません」と言う言葉は妙に気になる。

「見知らぬ場所に遭遇したい」というのが「儲けたい」に加えわる市場参加者の思いだろう。
見たことのない世界に行ってみたいということ。
株価が上でも下でも未体験ゾーンが魅力なのだ。
実社会ではなかなか体験できないことを株式を通して体験したい。
ある意味人生の代替みたいな部分もある。
それは株価だけでなく株価材料も同様。
「がんが治る。空飛ぶ自動運転車。宇宙への旅立ち。AIが何でも解決。
そしてVRやARの世界。メタバース」。
相場の歴史はあまたの夢を先取りして実現してきた。
この先もきっとそうだろう。
そういう実体験や志がないと「株は上がったら売りましょう。下がったら警戒しましょう」。
そんな詭弁チックな解析しか聞こえなくなってくるに違いない。
言い換えれば「相場は欲と志が交錯して形成されている」。

最近見かけなくなったルービニ教授。
2月には警告していたらしい。
「プーチンの戦争は、石油と天然ガスをチャネルに伝播して行くであろうが、それに止まるはずがない」。
「仮想通貨が危ない」。
昨年は「最終的には株の暴落が起こる」と言っていた。
「最終的にはスタグテーションが起こる」。
次がコレなのだろうか。

「25日線かい離がプラス5%を超えなければ28000円にはならない」。
すごくもっともらしいコメントに聞こえる。
しかし、これもレトリック。
プラス5%を超えるから28000円になる。
「終値が5日平均の上にいなければ株はあがらない」・
これももっともらしい。
でも同様にどちらが先かという論理で考えれば一緒だ。
「高値圏での指標を維持できないと株は下がる」。
これも当たり前のこと。
「怖いもの見たさ」からは面白いのかも知れないが・・・。
新たな相場では新たな指標水準が登場する。
過去に拘泥していると想像力が働かないことになる。
過去はあくまで過去のもの。
過去だけでは新たな境地は展開しない。

ふと思いついたのは・・・。
インターネット上の仮想空間「メタバース」。
リアルとバーチャルと融合できる存在として注目されている。
いっそのこと「戦争」なんて物騒なものはメタバースで行ったらどうだろう。
リアルの世界では、都市が崩壊することもなく戦死者モ負傷者も出ない。
だから日常のまま。
破壊されるのはバーチャルな世界だけだ。
そこで戦って雌雄を決すれば良い。
荒唐無稽だが、時代に進歩はそこまで来ていると言えなくもない。

以下はジョーク。

★「ベアマーケットとは何か?
約6カ月から18カ月におよぶ下げ相場。
この期間中、子どもたちは小遣いを貰うことができず、妻たちは宝石などの高価な物を買うことができない」。

★「もっとも素晴らしい銘柄とは何だろうか?
それは、現在あなたが投資していない株のことだ」。

★「アナリストには、二つのタイプがある。
一つは何も分かっていないアナリスト。
もう一つは、何が分かってないかも分からないアナリストだ」。

★マーケット分析で得られる結論は一つだけだ。
それは、絶好の買いタイミングは昨日だった、という事実だ。

(兜町カタリスト 櫻井英明)


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