話題レポート
《Eimei「みちしるべ」》
(6月27日→7月1日の週)
6月17日時点のQuick調査の信用評価損率は▲13.20%(前週▲10.56%)。
3週ぶりに悪化。
6月17日時点の信用売り残は951億円減の6979億円。
2週連続で減少。
同信用買い残は1613億円増の3兆2327億円。
2週連続で増加。
信用倍率は4.63倍(前週3.87倍)。
4週ぶりに4倍台。
6月17日時点の裁定売り残は1232億円増の2643億円。
3週ぶりに増加。
裁定買い残は1168億円減の7623億円。
2週連続で減少。
翌限以降は売り残が307億円増の2190億円。
買い残が163億円減の1316億円だ。
6月第3週の週間海外投資家動向。
現物8044億円売り越し(2週売りに買い越し)。
先物9111億円売り越し(4週ぶりに売り越し)。
合計1兆7156億円売り越し(4週ぶりに売り越し)。
21年9月以来の大幅売り越し。
個人は現物7069億円買い越し。
2018年4月以来約2年ぶりの高水隼での買い越し。
(終値ベースの日経平均は
25963円)。
先物3215億円買い越し。
合計1兆284億円の買い越し。
比較可能な14年3月以降で最大。
信託銀行は現物643億円買い越し。
先物763億円買い越し。
合計1406億円の売り越し。
際立ったのは先週の海外投資家売り個人買いの構図。
外国人は順張り、日本人は逆張り思考。
「大衆は常に間違う」ではく「専門家はしばしば間違う」の気負う事例となる可能性がある。
6月第2週の週間海外投資家動向。
現物1823億円買い越し(3週ぶりに買い越し)。
先物4548億円買い越し(3週連続で買い越し)。
合計6372億円買い越し(3週連続で買い越し)。
個人は現物15億円売り越し。
先物148億円売り越し。
合計164億円の売り越し。
信託銀行は現物119億円売り越し。
先物756億円売り越し。
合計875億円の売り越し。
今年の曜日別勝敗(6月23日まで)
↓
月曜10勝12敗
火曜13勝11敗
水曜13勝10敗
木曜12勝12敗
金曜11勝11敗
弱気派が強気に転じた時。
あるいは強気派が弱気に転じた時。
その豹変の意に反して相場は逆に動く事が多い。
いわゆる反指標となりやすい。
なぜ豹変が反転になるかというと・・・。
それが自己否定と謝罪の最終局目で発生するからだろう。
自説の否定と相場観お誤りの言い訳を探して間違っていた自分に対する贖罪。
上がる反転すると言い続けてもそうならない。
可能な限り我慢した結果の翻意。
最終的にはトレンドには逆らえないと思った時が反転のタイミング。
これは相場観でも何でもない。
相場観察の心理の綾の問題だろう。
そもそも相場は意のままに動くものではない。
そして器用に動くものでもない。
自分の思いの通りに動くという予断は傲慢でもある。
★日経平均想定レンジ
下限25771円(6月20日安値)−上限27795円(6月10日安値)
ふと信用取引の6カ月期日を考えてみた。
↓
2021年9月14日高値30670円→3月9日安値24717円
2021年10月6日安値27526円→3月24日高値28149円
2021年11月16日高値29808円→5月12日安値25748円
2021年11月30日安値27821円→6月10日高値27824円
2022年1月5日高値29332円→半年期日7月5日
市場関係者は似たタイミグで同じことを考えるらしい。
電子端末での記事。
↓
下げが目立ったのはレーザーテック(6920)や東京エレクトロン(8035)、信越化学工業(4063)といった年始の1月4?5日に年初来高値を付けた銘柄。
制度信用取引の決済期日である6カ月の期限が近づき、買い建てていた投資家の解消売りが意識されている。
レーザーテクや信越化は一時6%超下落。東エレクの下落率は7%を超えた。
年始のころは株式相場に対する楽観論が根強く、一段高を狙って積極的に買いを入れていた投資家も少なくなかったとみられる。
「その後の株安局面で買い建玉の多くは入れ替わった」との指摘もあるが、
当面は信用買い残の解消売り懸念が相場の重荷になりそうだ。
【年始に年初来高値を付けた主な銘柄】
▼1月4日
・信越化(4063)
・野村総研(4307)
・テルモ(4543)
・安川電(6506)
・日電産(6594)
・オムロン(6645)
・アドテスト(6857)
・レーザーテク(6920)
・HOYA(7741)
・東エレク(8035)
▼1月5日
・ローソン(2651)
・ダイフク(6383)
・パナHD(6752)
・ソニーG(6758)
・キーエンス(6861)
・太陽誘電(6976)
・村田製(6981)
東京証券取引所など全国の証券取引所は2022年2月時点の不動産投資信託(REIT)の投資主情報調査の結果を公表。
REITへの投資主数は前回(21年8月)調査に比べ1万2488人(1.4%)減の88万8861人だった。
「個人・その他」に分類される主に個人投資家は1万2708人(1.5%)減の84万7795人だった。
REITの所有数別の割合では1?4口が全体の57.4%にあたる50万9816人だった。
2012年の衆議院選挙以降の過去7回の衆院選・参院選前後の日経平均株価の推移。
公示日から投票日の翌日にかけて上昇したのは4回、下落したのは3回で勝率は57%だった。
国政選挙の投票日に向けて株高が進むとされる選挙アノマリーが知られる。
最も上昇率が高かったのは2013年の参議院選挙(4.56%)。
逆に下落率が最も大きかったのは2016年の参院選(2,22%)だった。
参議院選挙に限れば、日経平均は1勝2敗で負け越している。
新聞記事と言うのは記者という専門家が書いていると思うのが常識。
しかし実際は素人が書いたような記事が証券面では登場することがある。
例えば「売られすぎ銘柄上昇」という解説。
マイナスかい離の銘柄の上昇が目立ったという解説はそうだろう。
「値ごろ感のある銘柄が上昇。
短期筋による買い戻しが目立った」。
本当に買い戻しを確認したのか単なる観測なのかは不明。
そもそも「値ごろ感」って何なのだろうか。
後レは難しい。
気になったのは「前日のNY市場が休場。
海外投資家の動きが鈍く、プライム市場の売買高は前週末より4割少なかった」。
売買代金は2兆6191億円で月曜の2兆7163億円よりは少ない。
でも金曜のプライム市場の売買代金4兆2721億円はFTSEの銘柄入れ替えの結果。
機械的にたまたま多かっただけであって、ここに相場観はない。
しかも木曜が2兆6416億円だったので金曜を覗けばこのところのフツーの商い量だ。
それでも「4割減」の解釈は、素人でもしないし、新人記者でも犯さない間違いだろう。
記事をチェックする整理部でさえも機能してない。
論理は間違っていないが背景の解釈が稚拙。
これではクオリティが疑われる。
「日銀が国債を1週間で約11兆円も買うなら、ETFも約11兆円買って欲しいですね」との声。
日本銀行が先週実施した国債買い入れが最大規模の10.9兆億円。
イールドカーブ・コントロール(YCC)の上限である10年債利回りの0.255%死守が至上命題。
「日銀が積極的な国債買いオペに臨んでいる」との解釈だ。
ETFについては前引け時点のTOPIXの下落率(マイナス2%)の発動基準を順守。
今年は701億円で8回(5608億円)買い入れただけ。
2018年のピーク時には年間6兆円を超えていた。
昨年以降は年間で1兆円以下に急減。
年 累計買入額(億円)
2011 8,003
2012 6,397
2013 10,953
2014 12,845
2015 30,694
2016 46,016
2017 59,033
2018 65,040
2019 43,772
2020 71,366
2021 8,734
2022 5,608
21日付けの日本証券新聞の記事。
「株主総会シーズンの株高」
↓
戦後の日経平均騰落状況。
今週155勝128敗 勝率54.7%
6月20日34勝21敗1分 勝率61.8%
6月21日32勝24敗 勝率57.1%
6月22日24勝34敗 勝率41.3%
6月23日33勝24敗 勝率57.8%
6月24日32勝25敗 勝率56.1%
来週180勝109敗 勝率62.2%
6月27日32勝26敗 勝率55.1%
6月28日35勝23敗 勝率60.3%
6月29日35勝23敗 勝率60.3%
6月30日40勝18敗 勝率68.9%
7月 1日38勝18敗 勝率66.6%
その先にあるのは7月8日前後の「ETFの分配金ねん出のための売り」。
因みに日経平均の「前日比変わらず」があったのは1989(平成元)年1月12日。
日経平均が前日と全く同じ「31,143円45銭」。
1949年以来初だったとの記載がある、
となると6月20日の「1分」は何だったのだろう。
逆に2020年10月1日は終日売買停止だった。
しかし日経平均は「19銭安」。
10月1日付けの構成銘柄定期入れ替え日本化薬(4272)が除外。
ソフトバンク(9434)が補充された影響。
三井住友FFG(8316)がネット証券最大手のSBIHD(8473)に出資する方向。
SBIHDが第三者割当増資を実施。
証券事業で本格的に提携。
「金融のデジタル化を巡る競争は新たな段階へ入る」との解説。
証券部門で他のメガバンクを追う三井住友FGにとって証券業務の強化は悲願。
三井住友はSBIと組み、これまでアクセスできなかった若年層に顧客基盤を拡大する。
SBIも三井住友との関係強化は事業拡大のテコになり得る。
「ただ提携の成否はまだ見通しにくい部分がある」という解釈もある。
傘下のSMBC日興は50代以上。
SBIがそれ以下の若手顧客を対象との観測。
「同床異夢」という言葉も見える。
狐とタヌキの化かし合いになるのか。
虚構と実体の合体になるのか。
相場を知らない銀行マンがどう動くのか。
インサイダーはこれ以上増えないだろうか。
危惧は多い。
少なくともSBI主幹事の小さなIPO案件は減ることはないのだろう。
企業を見るときのポイントの中に計画性、継続性、スピード」というのは当然入る。
日経朝刊「私の履歴書」に登場している住友林業の矢野龍最高顧問も「すぐやる、すぐ済む」と言っていた。
証券業界で言えば「後始末より前始末」ということになる。
だいたいメールの返事など翌日になる筈はない。
すぐ処理しておけばなんて事はないのになぜか先延ばしにして重く感じてしまうことになる。
「忘れた」は論外だ。
問題は計画性と継続性。
その先の未来が見えないから計画性がないことは多い。
行き当たりばったりの仕事は格好良く言えば「業務多忙」だが、段取りが悪いだけのこと。
その日暮らしの江戸時代の天秤棒の魚売りではないのだから少なくとも年間の計画くらいは欲しいもの。
問題は計画を立てるときの鉛筆さばきが妙に上手な会社員が多いこと。
実現できるかどうかは別にして関心するほど立派な計画が完成する。
これは日本経済の弱さの一因なのかも知れない。
そして継続性。
「勇気ある撤退」もあるのだろうが、継続することが信頼になるしビジネスチャンスの種になろう。
興味深かったのは日経朝刊「ヒットのクスリ」に登場した有楽製菓の「ブラックサンダー」。
当初販売不振だったがなぜか九州では売れていた。
「製品の価値に自信を持ち、やめなかったこと」が奏功した好事例。
加えれば「感受性、創造力」だがこれは難しい。
大和のレポートは「配当の再投資」。
↓
6月29日(水)は株主総会の集中日。
翌日には配当金支払いが集中するためその再投資効果で株高傾向。
しかし、ETFが受け取る配当に関しては、既に同金額の先物を配当落ちの段階で買い建てている。
だから受取配当は分配金に回してしまう。
再投資の効果がないだけでなく、先物の売り埋めによる需給悪が懸念される。
昨年11月頃の中間配当での受取配当は、既に再投資に回っている。
7月の分配金捻出のために改めて現物株の売り要因となる。
今年は主なETFの分配金拠出売りが、曜日の関係で7月8日(金)に集中。
先物売却と資金捻出の現物売りの合計で1兆円程度の売り圧力になると推計される。
(兜町カタリスト 櫻井英明)