話題レポート
《Eimei「みちしるべ」》
(9月20日→9月22日の週)
9月9日時点のQuick調査の信用評価損率は▲9.42%(前週▲10.79%)。
2週ぶりに好転。
9月9日時点の信用売り残は505億円増の8470億円。
3週ぶりに増加。
同信用買い残は871億円減の3兆895億円。
4週ぶりに減少。
信用倍率は3.65倍(前週3.99倍)。
8週連続で3倍台。
9月9日時点の裁定売り残は676億円減の1893億円。
3週連続で減少。
同裁定買い残は1795億円増の1兆4056億円。
3週ぶりに増加。
当限は売り残が1349億円増の1352億円。
買い残が1730億円増の1兆2149億円。
翌限以降は売り残が2025億円減の541億円。
買い残が65億円増の1907億円。
今年の曜日別勝敗(9月15日まで)
↓
月曜17勝16敗
火曜19勝17敗
水曜18勝17敗
木曜20勝15敗
金曜19勝15敗
9月第1週の週間海外投資家動向。
現物213億円売り越し(4週連続で売り越し)。
先物1462億円買い越し(3週ぶりに買い越し)。
合計1248億円買い越し(3週ぶりに買い越し)。
個人は現物1090億円売り越し。
先物1246億円売り越し。
合計2337億円売り越し。
信託銀行は現物2650億円売り越し。
先物1016億円買い越し。
合計1634億円の売り越し。
8月第5週の週間海外投資家動向。
現物4277億円売り越し(3週連続で売り越し)。
先物7581億円売り越し(2週連続で売り越し)。
合計1兆1854億円売り越し(2週連続で売り越し)。
個人は現物6910億円買い越し。
先物1763億円買い越し。
合計8674億円買い越し。
信託銀行は現物587億円売り越し。
先物793億円買い越し。
合計206億円の買い越し。
先週末に東洋経済会社の四季報が発売された。
市場関係者から「いつも発売日は暴落アノマリーのような・・・。
一番すごかったのは2011年3月11日の「四季報発売日でした」と。
調べてないので何とも言えないがアノマリーがあるようなないような。
因みに前回6月17日(金)の日経平均は468円安。
この日前場のTOPIXは前営業日比2.03%安。
日銀はETFを701億円買い入れたがそれ以来買い入れていない。
因みに3月18日の日経平均は174円高だった。
四季報発売日は基本的には以下の4回。
新春号:12月第3金曜日。
春号: 3月第3金曜日。
夏号:6月第3金曜日。
秋号:9月第3金曜日。
「株は上げなきゃ下がらない。株が下げなきゃ上がれない」。
簡単な言葉だが、これはある意味で株式市場の本質だろう。
しかし上下運動の説明をするには道具が必要だ。
「CPIが予想よりも上ブレたから急落」。
専門家のもっともらしい言葉に翻弄されるのが市場でもある。
大昔は貿易収支、あるい雇用統計、最近は物価。
材料には事欠かない。
しかし、CPIは8.1%上昇の市場予想が8.1%で着地したのは事実。
トレンドが反転してインフレ継続感が出たのも事実。
それでも7月の9.1%よりも低いし、何よりCPIそのものが何カ月も遅れて出てくる数次の合計。
信頼性があるのかないのかという点は問われない。
むしろ今週のアメリカはメジャーSQ週。
だから荒れているのだろうが、ここは見ない。
先日、送迎バスに取り残された幼児が亡くなった事故があった。
「なぜ確認しなかったんだろう」。
「女の子が園にいないことに気が付かないのだろうか」。
などと話しているときにある市場関係者は言った。
「なんでバスに飲み水積んでおかなかったんだろう」。
この発想には驚いた。
飲み水を積む以前の問題だし、事の本質は道具の問題ではない。
本質から離れて道具を持ち出して語る姿勢では、この市場関係者の相場見通しはきっと当たらないだろう。
★日経平均想定レンジ
下限27228円(ボリンジャーのマイナス2σ)ー上限28254円(25日線)
場況の奇妙さというのはいろいろある。
というか面白さとでも言った方が良いかも知れない。
例えば先週水曜の解釈は「SQを控えて売り物優勢」。
しかし木曜は「SQを控えて先物中心に買い物優勢」。
わずか1日で真逆の解釈。
いい加減な解釈の横行となる。
あるいは土曜のNY動向。
「市場参加者が景気見通しへの懸念から目をそらし再び買いを入れた。
あるいはここまのでの過度な売りの反動」。
都合の良い解釈が聞かれる。
過度な売りの反動というならば下落の最中にはどうして「過度な売り」という言葉がなかったのだろう。
それに「目をそらせられるほどの景気見通しへの懸念」だったのかどうか。
高ければ強気、安ければ弱気。
トレンド追随のコメントには辟易することもある。
そしてその滑稽さが証明されたのは移動平均線の遅行性。
日経平均の5日移動平均は上向きになってきた。
「5日線が上向いたから株高になるのではなく株価が上昇したから上向いた」。
「5日線が上向かなければ株価は上がらない」という解説の無意味さはよくわかる状態だった。
日経ヴェリタスの特集は「パーパス経営」。
志を問う。
企業は何のために存在するのか。
「明確なパーパス、理路整然とした戦略、長期的な視点を持つことが今ほど求められていることはない」。
ブラックロックのラリー・フィンクCEOが今年、投資先企業に宛てた書簡の中で言及した。
パーパス経営を実践して成果を挙げることで利益と社会課題の解決を両立できる。
そして中長期で企業価値を大きく高めることができる。
英日用品大手のユニリーバはパーパス経営に軸足を移し、時価総額をおよそ5年で倍増させた。
ソニーグループは「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」というパーパスを発表して以来、時価総額倍増。
本当にパーパスのおかげなのか同課は定かではない。
しかし幻想チックな言葉で企業の報告書や説明書の多くは「当社のパーパス」のページが増えた。
「仏作って魂入れず」という評価もある。
そもそもESGなどと一緒で日本企業が江戸時代から「志」をもっていた。
「もったいない」と「世のため」と「志」は西洋のものでなく日本企業の歴史そのものだ。
「三方良し」など典型的だろう。
国立あたりの大学教授が翻訳して紹介すると皆が嬉しがるから不思議なものだ。
大福帳の時代に複式簿記を輸入したのとは訳が違う気がする。
「パンパース経営」などと言ったら叱責されそうだが・・・。
日経平均の除数は28.373(21年10月1日)
日経平均構成銘柄の合計が28円動くと日経平均が1円動く。
NYダウの除数は0.147(2019年時点)
NYダウ構成銘柄の合計が1ドル動くとNYダウは約7ドル動く。
因みにTOPIXの基準。
1968年1月4日の東京証券取引所で記録された「時価総額8兆6020億5635万1154円」が基準指数100。
それ以降の東証1部上場企業の全銘柄の時価総額を指数化したもの。
従って現在の指数用時価総額÷1968年の時価総額×100=TOPIX
東証1部の指数用株式=東証1部の各銘柄の指数用上場株式×浮動株比率
固定株を含めた時価総額で計算してしまうと、実際の市場規模よりも過大評価することになってしまう。
そのため、浮動株比率を乗じて修正される。
TOPIXは2006年から浮動株のみを基準とする指標になっている。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)。
ESG(環境・社会・企業統治)投資開始以来ESG指数は堅調なパフォーマンスを示してきた。
しかし今年に入り行き詰ったとの懸念が聞かれるという。
背景は米ハイテク株安やエネルギー資源高。
年初来のESG指数のパフォーマンスは冴えない。
MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数や日本女性活躍指数(WIN)、
FTSEブロッサムジャパン指数、S&P/JPXカーボン・エフィシエント指数。
この4指数の下落率は平均でマイナス4.41%。
TOPIXのマイナス1.74%や日経平均株価のマイナス2,52%をアンダーパフォーム。
GPIFがESG指数のパッシブ運用を開始した2017年4月から21年3月までの5年間。
また21年度の直近1年間において、選定した8指数(国内株で5指数、外国株で3指数)は市場平均(TOPIXや日本を除くMSCI ACWI)を概ね上回る結果。
今年ESG投資が行き詰ったと懸念する見方が一部にある。
(兜町カタリスト 櫻井英明)