話題レポート
《Eimei「みちしるべ」》
(2月27日→3月3日の週)
2月17日時点のQuick調査の信用評価損率は▲9.89%(前週▲10.32%)。
2週連続で好転。
12月9日時点以来の9%台に低下。
2月17日時点の信用売り残は384億円増の9030億円。
7週連続で増加。
同信用買い残は82億円増の3兆2236億円。
3週連続で増加。
信用倍率は3.57倍(前週3.72倍)。
4週連続で3倍台。
1月6日時点は5.30倍だった。
2月17日時点の裁定売り残は230億円減の3423億円。
5週連続で減少。
同裁定買い残は変わらずの3602億円。
当限は売り残が260億円減の312億円。
買い残が198億円増の3462億円。
翌限以降は売り残が29億円増の29億円。
買い残が198億円減の139億円。
2月第3週(2月13日─2月17日)の週間海外投資家動向。
現物2331億円買い越し(3週連続で買い越し)。
先物1471億円買い越し(5週連続で買い越し)。
合計3802億円買い越し(6週連続で買い越し)。
個人は現物688億円売り越し。
先物604億円買い越し。
合計84億円売り越し。
信託銀行は現物1519億円売り越し(14週連続で売り越し)。
先物3億円売り越し。
合計1522億円売り越し。
2月第2週(2月6日─2月10日)の週間海外投資家動向。
現物1864億円買い越し(2週連続で買い越し)。
先物4609億円買い越し(4週連続で買い越し)。
合計6474億円買い越し(5週連続で買い越し)。
個人は現物703億円売り越し。
先物1352億円売り越し。
合計2055億円売り越し。
信託銀行は現物1758億円売り越し(13週連続で売り越し)。
先物346億円売り越し。
合計2105億円売り越し。
今年の曜日別勝敗(2月24日まで)
↓
月曜4勝2敗
火曜4勝3敗
水曜4勝4敗
木曜4勝3敗
金曜6勝2敗
日経朝刊連載小説「ふりさけ見れば」(安部龍太郎氏)は2月28日で完結。
3月1日から辻原登氏の「陥穽 陸奥宗光の青春」の連載となる。
「欧米列強との不平等条約改正に尽力した明治の外交官、陸奥宗光。
青年期には立法府の要職にありながら、政府転覆計画に加担しました。
彼を暴挙に駆り立てたのは何だったのか。
波乱に満ちた前半生を通じ、捉えがたい人間像に迫ります」。
舞台は明治期日本になる。
彼の師である坂本龍馬が評した言葉。
「我海援隊中、よく団体の外に独立して自ら其志を行ふを得るものは、唯余と陸奥あるのみ」。
作者の辻原登氏の言。
「坂本龍馬の仇討に失敗したあと、再び現れた彼が、師の影を踏みつつ、明治藩閥政権を相手にどのような戦いを挑み、敗れたか。
彼のその前半生を辿る旅であるとある。
因みに辻原氏は2009年11月1日−11年1月21日に日経朝刊で「韃靼の馬」を連載していた。
だから2回目。
その時の日経平均株価は9802円→10274円。
ほぼ横ばいだったのが歴史。
またもや恋愛小説ではなく歴史小説となった。
相場的には「陥穽」は罠に陥る=計略にかかるとか落とし穴という言葉はあまり芳しくはない。
「世界の投資マネーが米国債に押し寄せている」との見出し。
米国外から米国債への資金流入は2022年に過去最大の規模となった。
22年の対米長中期債への買い越しは世界全体で7500億ドル(100兆円)。
22年の長中期債の発行額の約2割。
過去最大だった2010年の7000億ドルを上回り12年ぶりに過去最大を更新。
利上げで投資妙味が増加。
長期投資家やオイルマネーなどの資金流入が目立った。
23年も積極的な投資が見込まれる。
米国外の投資マネーが米国債に集中すれば新興国などから資金流出が進み世界経済のリスク要因となる可能性もある。
米国債利回りが低位に抑え込まれていたので利回りを求めた世界の投資マネーは新興国などハイリスクハイリターン市場に流れ込んだ。
かつて2013年にはリーマン・ショック時に供給された緩和マネーが逆流。
「フラジャイル5(脆弱な5カ国)」と呼ばれたインドネシアなどの新興国通貨が急落する場面もあった。
米国債に投資マネーが集中する今回もこうしたショックが市場を揺るがす事態につながりかねないリスクがある。
傍証は中国で海外からの資金流入が細っているとの報。
10~12月は2年3カ月ぶりに流出が流入を上回った。
輸出減少に加え海外からの債券投資も低迷。
中国特有の要因もあるだろうが、マネーの流れは地球儀の上で見なければならない
★日経平均想定レンジ
下限26583円(昨年3月月中平均)−上限27919円(ボリンジャーのプラス2σ水準)
18日の日経では「上場企業純利益7%減」の見出し。
4~12月の上場企業の純利益は前年同期比7%減の29兆6917億円。
2年ぶりの減益となった。
合計売上高は19%増の547兆7989億円。
売上高純利益率は1,5ポイント低下の5.4%。
背景はコストの転嫁遅れやコロナ禍一服での経費増加。
全36業種中19業種で最終損益は悪化。
純利益は製造業が6%減、非製造業が9%減。
5社に1社が通期見通しを下方修正。
12月までは明るくなかった。
MSCIはスタイルインデックスの見直しを発表した。
スタイルインデックスにはGPIFが国内株式を対象としてESGのパッシブ運用を行うMSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数(ESG)とMSCI日本株女性活躍指数(WIN)が含まれる。
ESGは新規採用、除外ともになかった。
WINは新規採用がなく、三菱UFJ(8306)など4銘柄が除外となった。
リバランスは他のMSCI指数同様、28日の引けで発生する。
・想定パッシブ需要
銘柄名 売買代金(百万ドル)売買日数(日)
8306 三菱UFJ -183.42 -0.33
5713 住友鉱 -47.25 -0.84
7261 マツダ -4.38 -0.12
4631 DIC -2.55 -0.51
囲碁のアマチュアが人工知能(AI)を搭載した最強レベルの囲碁ソフトに圧勝したとの報。
AIの弱点をコンピューターで分析し盲点を突いたという。
囲碁は2016年に「アルファ碁」が世界トップ級の棋士を破って以降、AIの実力が人間を上回る状況が続いてきた。
そもそもチェスや将棋でAIが勝てても囲碁は難しいだろうとそれまでは言われていた。
だから勝ったときの衝撃は大きかった記憶がある。
今回はアマチュアの米国人、ケリン・ペルリン氏が最強クラスの囲碁AI「KataGo(カタゴ)」と15回対戦して14勝。
人間なら簡単に見破れる特殊な戦略をAIは気づかなかったという。
AI幅広く活用され始めている。
「この敗北がAIの課題を浮き彫りにしている。
AIは進化を続けているが万能ではない。
超えるべき課題も山積している」。
なにかホッとしたような気もするし残念な気もする。
だからこそ、あらゆる可能性を想定してバックアップするようなリアルタイムソフト技術が必要になる。
囲碁でなく実務の世界で「見破れなかった」とか「想定外」はあり得ないのだから。
にわかに登場してきたのが「シャドートレーディン」や「シャドーインサイダー」の言葉。
当該企業の株式を直接売買するのではなく、関連業界の株価上昇を見込んで競合他社の株式やETFを売買する手法だという。
米規制当局は監視強化に動き出した話。
M&Aを発表した米企業の20%当該企業の株式が絡む従来型のインサイダー取引が行われていた疑いがあるという。
これはそれこそなかなか見破れないだろう。
「より表面化しにくいシャドーインサイダー取引の件数は膨大になる可能性がある」と指摘されている。
BofAセキュリティーズの21日付のストラテジーリポート。
S&P500株価指数のEPSは低い資金調達コスト、自社株買いによる株価押し上げ、景気刺激策といった追い風から循環的なピークに達していると指摘。
EPSの成長率は数十年に一度の高水準から鈍化するほか2023年についても緩やかな景気後退を予想した。
BofAは23年通期のS&P500のEPSを前年比約8%減の200ドルと予想している。
一方で、「キャリアで最高の銘柄選択時代に入る可能性がある」とも指摘。
アクティブなファンダメンタルズ投資に割かれるリソースと人員が減少していることから「平均回帰の機会が到来している」と分析。
「今はインデックス投資をする時ではない」との見方を示した。
米中古車オークション大手マンハイムが提供する1月のマンハイム米中古車価格指数(1995年=100)。
15日時点で前月比4.1%上昇して234.0となった。
前年同月比では7.33%下落。
ただ3カ月連続で前月比で上昇した。
ゴールドマン・サックス証券の分析。
「中古車価格に前月比で持ち直しの兆しが出ていることは悪いことではない。
新車から中古車へのトレードダウンが起きている可能性もある。
ただ中古車価格の持続的な上昇トレンドとは言えないだろう」と指摘した。
「半導体不足が徐々に改善し、新車の在庫水準が適正化する年央に向けて中古車価格は正常化に向かう」との見解。
(兜町カタリスト 櫻井英明)