みちしるべ 23年03月13日号
兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
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話題レポート
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《Eimei「みちしるべ」》




(3月13日→3月17日の週)

3月3日時点のQuick調査の信用評価損率は▲9.21%(前週▲10.09%)。
2週ぶりに好転。
3月3日時点の信用売り残は1742億円減の8909億円。
9週ぶりに減少。
1兆円乗せは1週間で割れた。
同信用買い残は389億円減の3兆2448億円。
5週ぶりに減少。
信用倍率は3.64倍(前週3.08倍)。
5週連続で3倍台。
1月6日時点は5.30倍だった。
3月3日時点の裁定売り残は200億円増の2566億円。
2週連続で増加。
同裁定買い残は2698億円増の7783億円。
当限は売り残が32億円増の2368億円。
買い残が2834億円増の6080億円。
翌限以降は売り残が168億円増の197億円。
買い残が136億円減の1702億円。

3月第1週(2月27日─3月3日)の週間海外投資家動向。
現994億円売り越し(2週連続で売り越し)。
先物7986億円買い越し(7週連続で買い越し)。
合計6992億円買い越し(2週ぶりに買い越し)。
3月期末特有の現物売り先物買いの印象。
個人は現物2082億円売り越し。
先物1924億円売り越し。
合計4006億円買い越し。
信託銀行は現物515億円売り越し(16週連続で売り越し)。
先物227億円売り越し。
合計743億円売り越し(8週連続売り越し)。

2月第4週(2月20日─2月24日)の週間海外投資家動向。
現物2263億円売り越し(4週ぶりに売り越し)。
先物2256億円買い越し(6週連続で買い越し)。
合計6億円売り越し(7週ぶりに売り越し)。
個人は現物887億円買い越し。
先物258億円売り越し。
合計629億円買い越し。
信託銀行は現物1339億円売り越し(15週連続で売り越し)。
先物714億円売り越し。
合計2053億円売り越し。


今年の曜日別勝敗(3月10日まで)

月曜5勝3敗
火曜6勝3敗
水曜6勝4敗
木曜5勝4敗
金曜7勝3敗

★日経平均想定レンジ

下限27516円(3月月足陽線基準)−上限29222円(昨年8月17日高値)

春の日経平均株価の構成銘柄の入れ替えは初めて。
新規採用はOLC(4661)、ルネサス(6723)、日本航空(9201)。
除外は東洋紡(3101)、日本軽金属(5703)、東邦亜鉛(5707)。
大和証券の推計。
各銘柄について約2700万株と推計。
パッシブ連動資産のリバランスによる売買インパクトは、新規採用銘柄のオリエンタルランドが約7.08日。
ルネサスエレクトロニクスが約3.14日、日本航空が約8.16日、
除外銘柄の東洋紡が約7.14日、日本軽金属が約7.43日、東邦亜鉛が約14.79日と推定。
実際の入替えは3月31日終値ベースで実施。
新規採用銘柄と除外銘柄の換算係数調整株価の合計額の差が約8200円と新規採用銘柄の方が大きい。
リバランスに伴い日経平均全体としては約2200億円の換金売りが生じる。

「八専(はっせん)」は陰暦の二十八宿の一つ。
1年間に6回ある。
降雨が多いといわれ、農家に厄日とされている。
八専の入り日が雨ならば八専中は晴れが多く、反対に入り日が晴れならば八専中雨が多いという。
一般に八専は、法事や婚礼には厄日とされている。
「2022年の八専はすべて下落でした」と市場関係者コロさん。
今年始めの八専(2月23日−3月6日)の日経平均は27104円(22日終値)だったので上放れ。
昨年とは様相が違ってきた。
今年の残りの八専。
4月24日−5月5日。
6月23日−7月4日。
8月22日−9月2日。
10月21日−11月1日。
12月20日−12月31日。
そして水星の逆行は4月24日−5月15日、8月24日−9月16日、12月13日−1月2日。

プライム市場指数とスタンダード市場指数とグロース指数。
昨年4月にそれぞれ1000ポイントからスタートした。
3日時点でスタンダード指数が1053ポイント。
プライム指数が1039ポイント。
グロース指数が958ポイント。
あまり注目もされず地味に頑張ったスタンダード指数が一番上昇していることになる。
残念ながら1日の売買代金はプライムが3兆2500億円。
スタンダードは1024億円。
グロースの1528億円よりも少ない。
それでもグロースの半分以下だった時からは増加している。
因みに時価総額はプライム719兆円。
スタンダード23兆円、グロース73兆円。
割り負けの克服は徐々に始まってきたのかも知れない。
東証2部やジャスダックの時のような存在感が出始めそうな印象。

週末の光景。
「評論家とか市場関係者の意見に左右されない。
相場を自分自身のシナリオで考える」。
などとたっぷり話したあとで質問に来られた高齢のご夫婦。
「海運株は配当取った方がよいでしょうか。取らない方が良いでしょうか」。
「何を目的に買ったのですか」と伺ってみると・・・。
「配当利回りが高いので」。
目的は明確だった。
ただ「海運株は配当落としたら上がらない、とかもう相場は終わりだ、
バルチック海運指数が下がっている、とかいう人が多いから心配で」。
株は買った瞬間から心配になるのは理解できる。
でも「いくらになったら売ろうと思ってかったのですか」には「特に決めてません」。
目的は明確だが目標は曖昧模糊。
その日「自分の相場観を信じましょう」と言ったことなど忘却の彼方。
他力本願的投資の典型的な事例だった。
「どうしたいのですか」には「わかりません」。
たぶんこういう投資家さんは多いのだろう。
これは「株を買っているのではなく株価を買っている」ケースでもあろう。
株価は日々移ろい、相場は刹那に変化するものではある。
しかし心理も日々移ろうもの。
その刹那の心理に惑わされていては相場で行きぬくのは難しい。
アレコレと移り気になることを俊敏と言えるかもしれないが、当初の目的を完遂することが愚直な投資。
最期に「配当を取ったらどうですか」といったら何か悄然として姿勢。
おそらく「売ってほかの銘柄に乗り換えたらどうですか」というような答で背中を押して欲しかったのかも知れない。

「上場企業の4割が増配」の見出し。
2023年3月期日の配当は全体の4割の900社が増配。
配当総額は6%増と過去最高。
総額で14.6兆円の見通し。
純利益が2%増だが配当は6%増で配当の伸びの方が大きい。
配当性向は34.8%。
DOE(自己資本配当率)を目安にする銘柄も増えてきた。
例えばセイノーHDは配当性向30%かDOE2.4%が天秤だ。
増配だけでPBR1倍になることは難しい。
次に控える一手は「明確な未来像」をともなった設備投資になるのだろう。

平家物語の冒頭の有名な一節。
記憶されている方も多いだろう。

「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。
猛き者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵におなじ」。

これを市場チックにしてみると意外とマッチするかもしれない。
そして深い。
永遠に上昇する株など見たことはないし、消えゆく銘柄も多い。
それが相場の宿命なのだが、渦中にいると気がつかないことばかり。
我が世の春とばかりに短期上昇した銘柄の上場廃止。
あるいは株価100分の1になっての長期低迷。
疾風怒濤に上がり続ける有頂天外の時間は短く
市場からほとんど顧みられることもなく記憶の彼方に消え去り、雌伏の時間を過ごしている銘柄は多い。
そういう銘柄が数多く脳裏に去来するのもまた相場である。

「株式市場の鐘の声、諸行無常の響きあり。
ストップ高にテンバーガー、盛者必衰の理をあらはす。
奢れる高値も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。
ダブルバーガーの夢も遂にはほろびぬ、ひとへに売り板の前の塵におなじ」。

8日付け日経朝刊での見出しは「ロシア財政赤字拡大」。
1-2月の財政赤字は約4.6兆円。
背景は石油・ガス収入の減少と戦費の増加。
1-2月の赤字はロシアが想定している23年通年の90%に達したという。
この先に控えているのはロシア国内のインフレ。
ウクライナ問題でも国民の実感はあるだろうが、インフレは直撃する。
国民生活の安定と言う課題をプーチン氏がどう克服するのというのは戦況とともに大きな問題となる。
因みに日露戦争のとき。
膨大な戦の調達の鍵を握ったのは蔵相高橋是清。
戦費に3分の1を外債に依存していた日本は苦しかった。
5000万ポンドの起債をバーズ銀行、香港上海銀行、横浜正金銀行のシンジケート銀行団に認めさせた。
高橋は利回りは4%として交渉したが、結果は6%となり、期限5カ年という厳しい条件が付けられた。
しかしこの条件を飲むより他に道はなかった。
「高橋是清は日本はこれまでに得た外債の元本・利子を1厘たりとも怠ったことはない」と訴えた。
当然ながらカネの問題は戦の問題。
これは戦国時代も今も変わらない。

PBRのパラドックス。
PBR1倍割れ問題が市場に広く言われ始めた。
PBRを挙げるために必要なのは、フツーに考えれば株価の上昇。
これは明確な未来計画や強い経営などで肉付けされるのだろう。
PBRは株価÷1株当たり純資産(BPS)。
株価が一定と仮定するとBPSが増加するとPBRは低下する。
純資産を増やすことはPBRの低下に拍車をかけることになる。
だったら純利益を使い、純資産を使えば良いという市場関係者もいる。
配当だろうと、設備投資だろうととにかくおカネを使うか資産を売りまくる。
それでいいのかは別にして、割り算の分母を減らせばよいという不毛の議論にもなりかねない。
ここには自社株買いも加わる。
これら全部をやろうとして発表されたのが昨日の大日本印刷。
自社株買い、ROEの向上、事業投資、遊休資産の売却、そして中計。
PBR1倍への道筋の百貨店みたいなものだ。
前向きには「お金を使って未来を開発」。
後ろ向きには「なんでも配っちゃえ」。
面白いが不毛でもある。

(兜町カタリスト 櫻井英明)

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