話題レポート
《Eimei「みちしるべ」》
(6月12日→6月16日の週)
6月2日時点のQuick調査の信用評価損率は▲9.47%(前週▲10.57%)。
2週ぶりに好転。
2週ぶりに2ケタ。
6月2日時点の信用売り残は739億円減の9071億円。
4週ぶりに減少。
同信用買い残は274億円増の3兆2157億円。
2週連続で増加。
信用倍率は3.55倍(前週3.25倍)。
4週連続で3倍台。
6月2日時点の裁定売り残は444億円増の1551億円。
2週連続で増加。
同裁定買い残は1433億円増の1兆3379億円。
3週連続で増加。
当限は売り残が427億円増の700億円。
買い残が1317億円増の1兆2866億円。
翌限以降は売り残が16億円増の851億円。
買い残が116億円増の510億円。
5月第5週(5月29日─6月2日)の週間海外投資家動向。
現物5352億円億円買い越し(10週連続で買い越し)。
10週連続買い越しは13年12月以来10年ぶり。
10週間での現物買い越し合計は4兆5484億円。
先物3136億円売り越し(5週ぶりに売り越し)。
合計2216億円買い越し(9週連続で買い越し)。
9週間の買越額は累計で4兆9307億円。
個人は現物388億円買い越し(8週ぶり)。
先物1305億円買い越し。
過去10週は2兆3672億円の売り越し。
合計1694億円買い越し。
2週連続で買い越し。
信託銀行は現物7344億円売り越し(10週連続で売り越し)。
これは過去最大の売り越し金額。
10週連続での売り越し額は2兆523億円。
先物1000億円買い越し。
合計6343億円売り越し(9週連続で売り越し)。
5月第4週(5月22日─5月26日)の週間海外投資家動向。
現物3816億円億円買い越し(9週連続で買い越し)。
先物2137億円買い越し(4週連続で買い越し)。
合計5954億円買い越し(8週連続で買い越し)。
8週間の買越額は累計で4兆7091億円。
個人は現物442億円売り越し。
先物872億円買い越し。
合計429億円買い越し。
信託銀行は現物2421億円売り越し(9週連続で売り越し)。
先物313億円売り越し。
合計2735億円売り越し(8週連続で売り越し)。
今年の曜日別勝敗(6月9日まで)
↓
月曜15勝6敗(月曜3連勝中)
火曜16勝5敗(火曜2連勝中)
水曜11勝11敗(水曜3連敗中)
木曜12勝9敗
金曜17勝5敗(金曜6連勝中)
株は材料で動くものではあるがリズムも重要。
NYダウの騰落レシオが6日連続で70%台を続ければ大幅高。
サイコロが2勝10敗まで行けば反発。
陰極めれば転じるし陽極めても転じる。
いつまでもトレンドが継続するものではない。
時折未来永劫の流れが続くような錯覚にとらわれる時間帯もある。
しかし、時を経てみれば「やはりあそこだった」の思いに駆られるもの。
厄介なのはこのリズムが材料に化粧されて曲解されたり増幅されること。
市場の雑音が相場本来の姿を見えなくしている。
小さなざわめきが大きなうねりになることを見逃してはいけない。
材料は目くらまし。
リズムこそ本質と考えたいところだ。
もっとも同じ数字や同じ動きを見ていても市場が感じるのは千差万別。
ポジにも見られるしネガにも見られる。
ココが難しいところだ。
因みに日経平均5カ月連続高は2018年1月以来。
その先は2012年8月→2013年4月の9か月連続高。
★日経平均想定レンジ
下限30786円(5月31日安値)−上限33797円(ボリンジャーのプラス3σ水準)
計算だけは誰でもできる。
しかしNY市場並みにPER20倍前後まで買われてもおかしくないだろう。
因みに、S&P500の最低PERは1917年12月の5.31倍。
過去最高は2009年5月の123.73倍だったのが歴史。
直近は実績PERで20倍台前半。
日経平均採用銘柄のEPS2189円×PER15倍=32835円
×PER16倍=35024円
×PER17倍=37213円
×PER18倍=39402円
×PER19倍=41591円
×PER20倍=43780円
「相場は常に進化する」。
この発想での想像力がないと相場見通しは見間違う。
投資家さんから金曜に送られてきた画像には「今日の日経平均レンジは31400円ー31900円」。
専門家の予想だ。
寄ってみたら安値は31900円をわずかに下回ったが、ほぼ32000円台での推移。
過去の陋習と過去からの延長線上で相場観測をすると見間違えるという証左だろう。
1日のレンジが当たらないのだから中長期の見通しなど的中するはずがない。
そもそもどうして「メジャーSQで相場のトレンドは反転する」という想像になるのか。
売るべきものは昨日前の2日間で売ったのだからその先は反転という思考がどうして出てこないのか。
不可思議だ。
「相場は常に驚きをもって進化する。
だから大勢意見を尊重すると見間違える」。
これは結構重要な戒めだろう。
ワープした相場では、データもテクニカルも全く役に立たない。
つまり過去の経験則の延長線上で相場が動かないから意味不明となり、未来館が彷徨う。
アレコレと都合の良い数字や紙芝居だけを持ってきて解釈することが不可能になるのだ。
つい先日まで「債務上限や金利の上昇が懸念要因」と言っていた向きも変身してしまった。
「注意しましょう」や「警戒しましょう」といっていたのに、今度は強気材料や紙芝居を持ち出しての節後な強気。
だから市場関係者は信用されないのだろう。
「弱気論者の突然の強気」もはやそれこそ注意が必要だ。
「移動平均が下向きにならなければ株価は下がらない」。
もっともらしく聞こえるが株価が下がらなければ移動平均は下がらない。
順序を逆にして、論理を想定すると、大きな誤解や錯覚を見事に惹起する。
まさにレトリックだ。
「今年は前半安、後半高」なんて声はどこかへ消えてしまった。
日経元旦朝刊の「経営者が占う2023年」のアンケート。
今年の見通しは21人中19人が3万円以上。
味の素の蟹江社長は12月33000円と予想していた。
高値33000円はあと2名が予想していた。
因みに年初の株式新聞の株価アンケート。
当方の回答。
2023年の日経平均株価の高値と安値
高値(35280)円 時期(8)月
安値(25000)円 時期(1)月
その理由
高値=年末は下落となったが日経平均28000円×20%上昇
プラス来期5%増益で計算。安値24681円(今年3月安値)
通常は当方予想よりも3000円下の水準が高値となることが多い。
しかし今年は実現しそうな気配となってきた。
最近の藤井聡太七冠の活躍。
名人戦の対局後に「32手先まで読んでいた」との言葉。
32手先は10億通り以上の局面があらわれ数千手を読むことが必要だと言われる。
株の世界もここまでとは言わないが「先を読む」という行為が求められる、
しかし、どうもその読み方が単純過ぎるような気がする。
換言すれば「1手先」しか見ない戦法のように映る。
もともと複雑思考があまり見られない株式市場だけにそれが目立つ。
一つの材料に拘泥し、通過すれば次の材料に拘泥する姿勢。
これでは勝てない。
「答えにたどりつくまでどこまででも読む」という詰将棋の言葉は重く響く。
ただ「莫大な時間を費やしても、指せる手は一手だけ」というのは微妙に違うが核心だろう。
株式市場ではヘッジという手もあるからだ。
それでも真の目的は勝つことのため最善手を差すことに変わりはない。
序中盤では、どれだけ先に進めるかというよりも、形勢判断の正確性が重要。
詰む詰まないを考えなければならない終盤は、あらゆる可能性について、直線的に何手先までも読んで、つぶしていく感覚。
答えにたどりつくまでどこまででも読む」。
これは株式市場に応用可能だろう。
「読みの大半は実際の指し手には表れません。
その読みの無駄は決して無駄にはなりません。
形が変わるかもしれないけれど、必ずどこかで応用できます」。
これは羽生三冠の言葉だが重い。
その意味で市場ではストーリーやシナリオが大切になる。
「ニュースは自分で想像し、創造する。
その先の市場動向も想像し、創造する」。
これを日々行い鍛錬することで少なくても一手先以上は読めるようになるに違いない。
受けの相場観、単品営業の相場観でなくなる。
つまり自立的な攻めの相場観、クロスセル相場観に近づける筈だ。
6日の日経朝刊に登場したローンスターの創業者ジョン・グレケン会長。
「米景気は後退局面に入る可能性が高く、不良債権の投資機会が出てくる」。
いわゆるハゲタカファンドの面目躍如だ。
しかし・・・。
「日本市場は割安感は安定性から投資先としての魅力が増している。
インフレ率は欧米に比べれば低水準にとどまり金利は低い。
だから不良債権の投資機会は少ない。
むしろ日本市場の資産価格は他地域と比べると割安感があり透明性が高い」。
ハゲタカも時に天使のような言葉を発するらしい。
もっとも、その笑みの向こう側はうかがい知れない。
「名目GDP成長率32年ぶりの伸び」。
今年度の成長率は4.0%との予測。
昨日発表された1?3月の成長率は前期比年率2.7%。
年間を通じるとそれよりも多くなるということだ。
ただいつも思うのだが成長率ばかりがクローズアップされ実額はあまり触れられない。
因みに2022年度の実質GDPは548.5兆円。
名目GDPは561.9兆円だ。
1?3月期日では実質で年率換算551兆円。
名目で同572兆円。
成長率という抽象化された数字だけが論じられるが「それはいくら」という疑問はないのだろうか。
伸び率だけに着目しているが、その基礎になるはずの実学を無視している印象。
市場は学者ではないのだから具体的数字が求められる場所だと思う。
まあ内閣府の記者向け公表資料を見ても成長率だけが目につく。
下の方にいかないと実額が登場しないので無理もない。
面白い解釈。
「値上がり銘柄数が値下がり銘柄数よりも多ければ株高継続。
値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を上回ってくるようなら注意が必要」。
確かにそうだが、当たり前のことだろう。
直近株価下落基調で新高値銘柄が多かった。
それは日中値幅が大きくプラス局面とマイナス局面が同居していたから。
株式市場には因果関係のあることが多い。
しかし原因と結果を逆にした論理にすると市場はもっともらしく解釈する場所だから面白い。
大和のレポートは「7月初高値との昨年末の見通しに今のところ変化はない」。
さまざまな仮説が登場している。
↓
騰落レシオ(25日)が13日に底入れする(26日まで底這い)
岸田総理が13日に記者会見を行うと報じられた。解散表明なら株高のパターンに期待
20日から配当支払いが増加し、配当再投資も再開に期待
22日頃に米銀ストレステストの結果発表予定でリバウンド期待
バフェット効果は3ヵ月が経験則。4月11日来日からみると7月初が外国人買いの限界
日経平均1月4日大底の信用売り残の買戻し終了は7月4日まで
配当再投資は6月末までで、7月7・10日にETF分配金捻出売り1.1兆円
7月9日総選挙なら、その後国民負担の話ばかりになる可能性
(兜町カタリスト 櫻井英明)