話題レポート
《Eimei「みちしるべ」》
(8月21日→8月25日の週)
8月10日時点のQuick調査の信用評価損率は▲9.35%(前週▲8.88%)。
4週ぶりに悪化。
昨年12月23日が▲12.47%。
8月10日時点の信用売り残は324億円増の8640億円。
2週ぶりに増加。
同信用買い残は1214億円減の3兆6742億円。
2週ぶりに減少。
信用倍率は4.25倍(前週4.56倍)。
6週連続で4倍台。
8月10日時点の裁定売り残は214億円減の270億円。
4週ぶりに減少。
裁定買い残は12554億円増の8078億円。
2週ぶりに増加。
当限は売り残が214億円減の270億円。
買い残が1253億円増の7917億円。
翌限以降は売り残が0億円。
買い残が2億円増の161億円。
8月第2週(8月7日─8月10日)の週間海外投資家動向。
現物1799億円買い越し(7週連続で買い越し)。
先物4661億円買い越し(3週ぶりに買い越し)。
合計6460億円買い越し(2週ぶりに買い越し)。
個人は現物2395億円売り越し(2週ぶりに売り越し)。
先物1225億円売り越し(2週ぶりに売り越し)。
合計3621億円売り越し(2週ぶりに売り越し)。
信託銀行は現物2719億円売り越し(3週連続で売り越し)。
先物103億円売り越し。
合計2822億円売り越し(8週連続で売り越し)。
8月第1週(7月31日─8月4日)の週間海外投資家動向。
現物188億円買い越し(6週連続で買い越し)。
先物3970億円売り越し(2週連続で売り越し)。
合計3782億円売り越し(2週連続で売り越し)。
個人は現物2661億円買い越し(2週ぶりに買い越し)。
先物765億円買い越し(2週ぶりに買い越し)。
合計3427億円買い越し(2週ぶりに買い越し)。
信託銀行は現物1822億円売り越し(2週連続で売り越し)。
先物480億円買い越し。
合計1342億円売り越し(7週連続で売り越し)。
今年の曜日別勝敗(8月18日まで)
↓
月曜20勝10敗
火曜23勝8敗
水曜15勝17敗
木曜16勝15敗
金曜19勝12敗
17日日経朝刊では「上場企業、3期連続最高益」の見出し。
非製造業の回復が鮮明だという。
東証プライム上場のうち1103社の集計。
予想を上方修正したのは84社。
下方修正は29社。
修正額は差し引き3362億円のプラスだったのこと。
「今期は6%増益」という計算だ。
ただ、決算を通過するたびに日経平均採用銘柄のEPSは減少。
決算発表前の2180円→2137円。
横這いと言えば横ばいだが、どうも市場の肌感覚とは大きく異なる。
18日日経朝刊では「上場企業4-6月、業種7割最終損益改善、非製造業けん引」。
そして「売上高純利益率今期5.6%、リーマン危機後3番目の高水準」とも。
「コロナで改革、稼ぐ力向上」との分析だ。
バブル崩壊や円高でもう絞っても水が出ない雑巾みたいにコスト削減に励んできた日本企業。
それでも危機対応でさらにコストを削減し、稼ぐ力をつけてきた。
これは評価して良い部分だ。
なんでもかんでも負け犬では絶対に勝てない。
謙虚さは重要だが自己PRも大切である。
★日経平均想定レンジ
下限31420円(6月8日安値)−上限33488円(8月1日高値)
BofAセキュリティーズの15日付の顧客フローリポート。
同社の顧客は先週(8月7?11日)の1週間に米株を24億4600万ドル買い越し。
2週連続で買い越し。
主体別動向でヘッジファンド(HF)は2億9900万ドルの買い越し。
4週ぶりに買い越し。
機関投資家は15億9500万ドルを買い越し。
4週ぶりに買い越し。
個人投資家は5億3600万ドルを売り越し。
2週ぶりに売り越し。
企業の自社株買いは決算シーズン中に増加する傾向があるものの、この週は13億3500万ドル。
例年の季節的な傾向を下回ったままだった。
規模別では大型株に28億3100万ドルの資金が流入。
小型株も7週連続で流入。
一方、中型株からは6週連続で資金が流出した。
格付け会社フィッチ・レーティングスがまた登場した。
場所は14日のNBC。
「米銀行業界の経営環境に関する格付けが現在の「AAマイナス」から「Aプラス」に引き下げられれば、
JPモルガン・チェースを含む70超の米銀行の格付けの見直しを余儀なくされる」。
フィッチは6月、米銀行業界の経営環境に関する格付けを「AA」から「AAマイナス」に引き下げた。
米信用格付けに対する圧力や将来の利上げの道筋に関する不確実性を指摘した。
そして格付け会社ムーディーズも今月、米国の銀行10行の信用格付けを1段階引き下げ、
一部の主要行を引き下げ方向で見直しの対象とした。
この縄張り争いの連鎖の一環という印象だ。
米連邦預金保険公社(FDIC)のグルエンバーグ総裁のコメントもある。
「近く提案する新たな規制案により、大手地銀の「生前遺言(破綻処理計画)」が抜本的に手直しされることになる」。
戦いの要諦は「弱いところを突く」。
つまり銀行が弱点だからそこに兵力を投入しているということ。
大型ハイテクでは戦闘で負けるということも裏返しでもあろうか。
火曜のある市場関係者の話。
「市場関係者は反省が足りません。
年前半の景気や株価の好調を誰も予想できなかった。
この反省からスタートしなければ、年後半の見通しも見間違えるだろう。
そもそも今起こっているのは循環ではなく転換あるいは新機軸。
コロナで落ち込んでいた中国の回復が世界経済を再度けん引するというシナリオは誤謬だった。
中国はますます落ち込む一方でこれまで独占していた生産基地の役割を、他の諸国に開放せざるを得ない。
つまり中国の衰退が世界の繁栄につながるという新しい価値観の登場。
ここに気が付かなければ、今起きていることの説明がつかないだろう」。
とても興味深かった。
そしてこれも昨日聞いたあるトップの言。
「半導体製造装置の今後はいかがですか。
年後半から来年初にかけては持ち返すと言われてますが」。
「個人的には10月くらいから切り返すと思う。
半導体は作り過ぎの影響で在庫が増えて苦戦しているが、とはいえ需要が減るわけではない。
問題ないだろう」。
これも10月という時間軸が興味深かった。
電子端末の記事は「ヘッジファンドの動向。
↓
ヘッジファンドが米証券取引委員会(SEC)に2023年4?6月期の保有有価証券報告書を提出した。
4?6月期に目立ったのは主力ハイテク株の人気の高さ。
デービッド・テッパー氏が率いるヘッジファンドのアパルーサ・マネジメント。
6月末時点で画像処理半導体(GPU)のエヌビディア(@NVDA/U)株を102万株保有。
3月末時点の7倍近くに増やした。
ヘッジファンドのタイガー・グローバル・マネジメントもエヌビディア株の保有を大きく積み増し。
サード・ポイントは新たに取得した。
ヘッジファンドによる新規や追加の株式取得が目立ったのは半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイセズやネット通販のアマゾン。
MSCIの8月の定期見直し。
日本株に関しては新規採用がゼンショーHD(7550)の1銘柄、除外が日本新薬(4516)と日清粉G(2002)の2銘柄。
8月31日の大引けでの指数イベント発生に向けて個別では先回りの売買が活発化しそう。
今回のリバランスで注意したいのが、日本からは資金がネット流出となること。
ゴールドマン・サックスの12日付のリポートによれば、MSCIで中国、韓国、インドのウエイトが増加。
一方、台湾と日本はウエイトが低下。
日本株ではネットで20億ドルの流出が見込まれるという。
景気減速懸念で中国株の弱い展開が続いているものの、需給的には8月末にかけて下支え要因が働く見込みだ。
8月31日終値ベースで指数に反映される。
以前は5月・11月が先進国指数の大規模見直し時期で入れ替え銘柄数が多かった。
現在は各四半期が同等の位置付けに変わった。
次回の定期見直しは11月の予定。
市場の時間軸は今日や明日。
しかし企業の時間軸は3か月や1年や3年あるいはそれ以上の時間軸。
このミスマッチが株価の錯誤や誤謬につながっているのだろう。
まさに同床異夢。
今日の株価を気にする担当者は多いが、それ以上に頭の中を占めているのは今期や来期。
どちらがどちらにすり寄るべきかは結構難しい。
少なくとも今日や明日の株価の動きは未来のこととは言わないだろう。
(兜町カタリスト 櫻井英明)