みちしるべ 24年01月29日号
兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
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話題レポート
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《Eimei「みちしるべ」》




(1月29日→2月2日の週)


1月19日時点のQuick調査の信用評価損率は▲8.24%(前週▲7.86%)。
3週ぶりに悪化。
1月19日時点の信用売り残は431億円増の9158億円。
2週連続で増加。
同信用買い残は678億円増の3兆5220億円。
5週ぶりに増加。
信用倍率は3.85倍(前週3.95倍)。
2週連続で3倍台。
1月19日時点の裁定売り残は10億円増の750億円。
4週ぶりに増加。
裁定買い残は388億円増の1兆3815億円。
2週連続で増加。
当限は売り残10億円増の750億円。
買い残が388億円増の1兆3815億円。
翌限以降は売り残が0億円。
買い残が0億円。

1月第3週(1月15日─1月19日)の週間海外投資家動向。
現物3841億円買い越し(3週連続で買い越し)。
先物139億円買い越し(2週連続で買い越し)。
合計3980億円買い越し(2週連続で買い越し)。
個人は現物1854億円売り越し(6週連続で売り越し)。
先物869億円買い越し(4週ぶりに買い越し)。
合計985億円売り越し(6週連続で売り越し)。
信託銀行は現物1915億円売り越し(2週連続で売り越し)。
先物105億円売り越し(2週連続で売り越し)。
合計2980億円売り越し(2週連続で売り越し)。

1月第2週(1月9日─1月12日)の週間海外投資家動向。
現物9557億円買い越し(2週連続でぶりに買い越し)。
先物4891億円売り越し(2週ぶりに買い越し)。
合計1兆4448億円買い越し(2週ぶりに買い越し)。
11月第3週以来(1兆296億円)8週間ぶりに1兆円超。
2023年4月以来の大きさで2012年以降で6番目の大きさ。
現物株買いが1兆円に迫る水準はアベノミクス相場初期の13年3月第2週(1兆172億円)に匹敵する。
そして1月第2週までの累計で買越額全体に占める現物の比率は8割を超えた。
個人は現物1兆695億円売り越し(5週連続で売り越し)。
現物8163億円、信用2532億円。
先物1433億円売り越し(3週連続で売り越し)。
合計1兆2128億円売り越し(5週連続で売り越し)。
2013年11月第2週以来10年ぶりの高水準。
信託銀行は現物105億円売り越し(2週ぶりに売り越し)。
先物2282億円売り越し(4週ぶりに売り越し)。
合計2387億円売り越し(3週ぶりに売り越し)。
海外投資家の買いVS個人の売りの構図。
信託銀行も静かに売り越し。

今年の曜日別勝敗(1月26日まで)

月曜2勝0敗
火曜1勝2敗
水曜1勝2敗
木曜2勝2敗
金曜3勝1敗

株価は、得てして一気に抜かなければならないというセオリー。
今回も通用しそうな気配だ。
株式市場は売りと買いの戦い。
おっかなびっくり高値を追うと売り方の逆襲に合う。
しかし一気に抜けると売り方は買い戻しの動きとなり上昇に拍車がかかる。
このあたりの機微は平安時代の恋物語よりも難しい。

なんだかんだと言って市場における中国の存在が高まった印象、
「中国株を売って、日本株を買おう」の動きという指摘だ。
先週水曜から続いているのは過熱した売買を背景としての日本株ETFの一時売買停止。
運用会社のコメントは「市場での取引価格はファンドの基準価額に比べて大幅に高く、
かなりのプレミアが生じている。
やみくもの売買すれば。重大な損失を被る恐れがある」。
ずいぶん親切なものである。
昨日は米株のETFも一時売買停止になった。
確かに「やみくも」は良くないが、マネーの流れは中国→海外。
これは当局にとって痛いのだろう。
「国家隊」と呼ばれる政府系資金がETFを購入し買い支えに動いたとみられるという報道もある。
政府は大規模な財政・金融政策を見送る代わりに、株価維持のための方策を打ち出す方向。
香港取引所のリンク経由でオンショア株式を買い入れる安定基金の一部として、
主に国有企業のオフショア勘定から約2兆元(約2780億ドル=約41兆円)を活用することを目指すという。
少なくとも3000億元の資金も確保したという。
昨日ハンセン中国企業株指数は昨年11月15日以来の大幅上昇となった。
同指数は前日の取引で2005年以来の安値水準近くまで下落。
「相場下支え策の検討は、株価の下げ抑制に向け中国当局の危機感の高まりを浮き彫りにする」という見方だ。
中国と香港の株式市場からは2021年のピーク以降、合計で6兆ドル(約8900兆円)余りの時価総額が失われた。
中国市場と米国市場の時価総額の差はかつてない幅に拡大した。
「当局は1月、機関投資家に株を売却しないよう指示を出した」という指摘もある。
加えて シンガポールを拠点とするアジア・ジェネシス・アセット・マネジメント。
中国と日本での取引失敗で「大幅で前例のないドローダウン(損失率)」を出した傘下ヘッジファンドを清算する。
同ファンドは1月最初の数週間で18.8%の損失を出したという。
これ以上の損失を防ぎ、資金を償還するため同ファンドを閉鎖する。
このファンドは業界のベテランであるチュア氏が2020年に立ち上げたもので、約3億ドルを運用している。
ファンドは香港と中国でロングポジションを増やし、日本ではショートポジションを増やしていたという。
まったく真逆の展開での巻き戻しが図られるということ。
やはり株価は材料よりも需給と言う気がする。

中国の動向で脳裏によみがえった言葉は「PKO」。

株価が大幅に下落しないように、政府が公的資金を活用して株価を下支えする政策。
1992年8月に打ち出された総合経済対策のひとつ。
バブル崩壊による株価下落の対応策として郵便貯金および簡易保険の株式組み入れ比率の制限を撤廃した。
国連平和維持活動(Peace Keeping Operation)をもじってプライス・キーピング・オペレーション(Price Keeping Operation)。
略して「PKO」と呼ばれる。
2014年8月には、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が国内株式の保有上限を撤廃することを決めた。
これも同政策が株価維持政策(PKO)の一種ではないかとの見方もあった。

もっともPKOなんて言っているうち、あるいは行っているうちは株価が上がらなかった、というのが歴史でもある。


★日経平均想定レンジ

下限34539円(1月10日マド明け水準)ー上限37043円(ボリンジャーのプラス2σ)

この言葉が印象に残った。
「インフレの到来で構図が一変する。
10年後、わたしたちは牛丼の並盛りを500円程度で食べられるだろうか。
米国では1杯1500円ほどもする。
株式市場は名目経済の動向を強く反映する。
インフレが続くことは、株式相場が上昇する可能性を意味している」。
そして「日経平均が10年後に3倍の10万円になるというとバラ色の世界が来るように思える。
しかし物価高で暮らしは苦しくなっている可能性すらある。
10年後はステキな世界かもしれないし、残酷にもなり得る」。
日本はデフレ経済に慣れきって、モノの価格は上がらない世界しか知らなくなった。
しかし、実は世界が恐怖するのは、デフレではなくインフレだ。
自国通貨が買われてつぶれた国家はないしデフレで消えた国家もない。
しかし自国通貨が売られれば国家は破綻するし、インフレは国家を破滅に導く。
この自然の理を忘れ去っていたことこそ、実は警戒すべきだろう。
中央銀行の役割はあくまで「インフレとの闘い、物価の安定化」。
この姿勢は変わっていない。
1970年台のあの怒涛のインフレを経験した人も少なくなってきた。
あの時は国鉄(今のJR)や都内の地下鉄の最低運賃がいきなり2倍になった。
デフレでは人は実は心地よい。
しかしインフレでは人は競争社会に放り出され競争的になる。
これは時間軸を問わないだろう。


世界経済フォーラム(WEF)の調査報告は「今後2年間に世界的な危機を引き起こす可能性が最も高い要素」。
2024年は異常気象が最大。
誤情報・偽情報が2番目のリスク。
今後2年間では誤情報・偽情報が最も深刻な世界的リスクと位置付けられた。
向こう10年では生物多様性の喪失や地球システムの重大な変化など環境リスクがトップ。
誤情報・偽情報、人工知能(AI)の悪影響が続いた。
「多極化または分断化した世界秩序が台頭。
中堅国と大国が地域のルールや規範を設定し実施するようになる」と予想。
長期的には異常気象よりも分断がリスク。
ということは、声高に叫ばれているが環境問題はいずれ収束するとみてもいいのだろうか。

「日経平均の36000円台は、1990年2月20日(36895円)以来、33年11か月ぶり。
この2月20日を挟んだ3日間の値動き。
前日の2月19日が37222円、2月21日が36734円。
当時、終値36000円台の株価は1日しかなかった」とストボの岩本さん。
これは下落過程の記録。
もっとも上昇過程でも「89年11月21日−28日。
日経平均はこの5日間しか終値の36000円台がなかった」とも。
確かに「上にも下にも通過だった」のが36000円台の歴史。
「トレンド・イズ・フレンド」

国内経済のデフレ脱却期待や外国為替市場での円安基調を追い風に年初からの上昇幅は3000円超。
歴史的な上昇局面が続く国内株式相場。個別銘柄の時価総額ランキングに着目すると、90年2月とは様変わり。
33年前の時価総額上位には日本興業銀行(現みずほ銀行)や住友銀行(現三井住友銀行)などの銀行株が目立つ。
現在では上位10社に残る銀行株は三菱UFJフィナンシャル・グループのみ。
三井住友フィナンシャルグループが17位、みずほフィナンシャルグループが28位。
首位のトヨタ自動車の時価総額は22年前と比べて6倍強。
当時首位だったNTTと比べても2倍強の規模となった。

■1990年2月と現在の東証の時価総額ランキング
  <1990年2月2日>      <2024年1月22日>
1位 NTT    21.6兆円   トヨタ   48.6兆円
2位 興銀   13.5兆円   ソニーG   18.6兆円
3位 住友銀  9.9兆円   NTT     17.3兆円
4位 富士銀  9.6兆円   キーエンス 16.2兆円
5位 第一勧銀 8.7兆円   三菱UFJ   16.1兆円
6位 三菱銀  8.0兆円   東エレク  13.5兆円
7位 三和銀  7.8兆円   ファストリ 12.6兆円
8位 トヨタ  7.5兆円   信越化   11.7兆円
9位 東電   7.4兆円   KDDI    11.6兆円
10位 野村   6.3兆円   三菱商   11.2兆円

23日日経の見出しは「円売りサイン、チャートに点灯」。
チャートのサインなどどうでもよいのだが記憶に残った部分があった。
それは「株式のようなバリュエーション(投資尺度)が存在しない為替では。
チャートが発するシグナルを手掛かりに売買する市場参加者が多い」。
これがやはり現実と言うこと。
だから経済指標やイベントばかりに注目せざるを得ない。
そして拠り所はチャート。
そんな世界が何十年も隆盛するのだから不思議なものである。
もっとも大昔には日本のいくつかの財閥がドル円取引で大儲けしたのが歴史でもある。


大統領選挙のある年の2月相場に関してはナスダック総合指数が強い経験則があるという。
トレーダーズ・アルマナックによれば、ナスダック総合指数は1971年以降、大統領選挙イヤーの2月に上昇7回、下落が6回。
平均騰落率はプラス1.8%%。
大統領選挙イヤーに限れば、2月は3番目に強い月だという。
ラッセル2000指数の平均騰落率もプラス1.2%。

最近NY大学のルービニ教授の名前にあまりお目にかからない。
かつてはリーマンショックによる世界金融危機を結果的に予言したことで「破滅博士」とも呼ばれた。
あまり登場しないということは、市場の心理が上向きだからだろうか。
昨年秋の発言は「世界の金融市場は中東全域で大規模な紛争が発生するリスクを今のところ軽視している」。
IMF・世界銀行の年次会合が行われているモロッコのマラケシュでのブルームバーグのインタビュー記事だ。
もっとも近著の「(メガスレット) 世界経済を破滅させる10の巨大な脅威」(日経BP・日本経済新聞出版)。
結構読まれているという。

たぶん良くないことは、もっともらしいコメントを聞いてもっともらしく解釈してしまうこと。
「もっともらしさ」の多くは後追い且つ弁解的且つ保身的なものを隠蔽するための一手段。
もっともらしさに対する疑問の中にこそマーケットの真実と未来があるような気がする。
同感ではなく疑問の中に明日があることはマーケットの辛く冷たいところでもある。

「株式の配当利回りと国債の利回りが逆転するまでの株高継続の可能性」。
そんなことを考えていた時期がある。
10年以上も前に同じようなことを考えた。
2013年1月の思考。
「東証1部の予想配当利回りは2.2%程度。
0.8%程度の長期金利との差は1.3%程度と約8ヶ月ぶりの低水準。
リスク回避の動きが強まった昨年は1.9%程度と異例の水準に広がる場面もあった。
金融市場が正常化しつつある証拠との声も聞こえる。
債券よりもリスクが大きい株式の配当利回りが高いのが常識だが、どこまでいくのか。
債券利回りが上昇して逆転するか、あるいは株価が上昇して逆転するか。
ひとつのメルクマークにはなろうか」。

(兜町カタリスト 櫻井英明)

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