みちしるべ 24年05月07日号
兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
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話題レポート
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《Eimei「みちしるべ」》

《Eimei「みちしるべ」》(5月7日→5月10日の週)

4月26日時点のQuick調査の信用評価損率は▲6.12%(前週▲7.64%)。
2週ぶりに好転。
4月26日時点の信用売り残は24億円増の6695億円。
2週ぶりに増加。
同信用買い残は1312億円減の4兆7332億円。
5週ぶりに減少。18年ぶりに高水準を維持。
信用倍率は7.07倍(前週7.29倍)。
遡れる94年12月以降で過去最高水準の7倍台。
因みにITバブル期の2000年2月が7.26倍。
7倍台は2014年以来。
ボトムは2003年、2009年が1倍台だった。
4月26日時点の裁定売り残は28億円減の4176億円。
2週連続で減少。
裁定買い残は2864億円減の2兆120億円。
4週連続で減少。
当限は売り残が75億円減の2143億円。
買い残が2865億円減の2兆101億円。
翌限以降は売り残が46億円増の2033億円。
買い残が0.4億円減の18億円。

4月第3週(4月15日─4月19日)の週間海外投資家動向。
現物5924億円売り越し(2週ぶりに売り越し)。
先物5470億円売り越し(2週ぶりに売り越し)。
合計1兆1395億円売り越し(3週ぶりに売り越し)。
個人は現物9085億円買い越し(2週ぶりに買い越し)。
先物2044億円買い越し(2週ぶりに買い越し)。
合計1兆1130億円買い越し(2週ぶりに買い越し)。
信託銀行は現物52億円売り越し(2週ぶりに売り越し)。
先物640億円買い越し(2週ぶりに買い越し)。
合計587億円買い越し(2週ぶりに買い越し)。

4月第2週(4月8日─4月12日)の週間海外投資家動向。
現物5955億円買い越し(2週連続で買い越し)。
先物2304億円買い越し(7週ぶりに買い越し)。
合計8259億円買い越し(2週連続で買い越し)。
個人は現物2953億円売り越し(3週ぶりに売り越し)。
先物1348億円売り越し(2週ぶりに売り越し)。
合計3401億円売り越し(3週ぶりに売り越し)。
信託銀行は現物366億円買い越し(14週ぶりに買い越し)。
先物2748億円売り越し(9週ぶりに売り越し)。
合計2382億円売り越し(2週連続で売り越し)。

今年の曜日別勝敗(5月2日まで)

月曜9勝5敗
火曜9勝8敗
水曜4勝12敗
木曜9勝10敗
金曜12勝4敗

OECDは2024年の世界経済成長率を3.1%、2025年は3.2%と予測した。
いずれも2月時点から0.2%の上方修正となる。
背景は「世界的インフレの鎮静化」。
特に米国の景気の好調さが世界をけん引する見通し。
ユーロ圏は24年が0.7%、25年は1.5%と好転する。
中国は24年が4.9%、25年も4.5%と0.3%の上方修正。
日本は24年が0.5%と0,5%の下方修正、
25年は1.1%と0.1%の上方修正だ。
「日銀が25年末までに政策金利を0.75%に引き上げる」という予測。


★日経平均想定レンジ

下限36733円(4月19日安値)‐上限39820円(4月SQ値)

攻めると守りで攻防戦という。
それは株式市場でも同じこと。
ただ上値を攻めるには守りを固めつつ攻める必要がある。
一方、下値を攻めるには守りはあまり関係なく攻め一方で事足りる。
ココがハンディでもあろう。
営々と築いてきた株価は、サル知恵のような悪材料でいともたやすく籠絡されることが多い。
3ヶ月かけてジリ足で上昇してきた株価は、アット言う間に3日ほどで元に戻ることもある。
後から登場するのは小賢しい悪材料。
しかし、下値に戻れば誰も悪材料を喧伝しなくなるからややこしい。
もっともどんなゲームでも負けている方は守るものはなく必死に攻めるだけ。
いわゆる背水の陣である。
株安の時にその株価を守ろうとするのは稀有のケースでもあろうか。
主客の逆転も相場の醍醐味ではあるが、その時間軸が見にくいからややこしい。
もっとも・・・。
変な合従連衡がないだけスッキリはしている。
油断も四面楚歌も苦肉の策も小さな株式市場には存在しているから面白いでも言えよう。
「鶏は三歩歩けば忘れる」も同様だ。
「甲斐なき星が夜を明かす」はまさしく株のことに思えてくる。

相場は時として「不条理」。
アメリカの金利と景気の問題などまさにそれだろう。
「筋道が通らないこと。道理に合わないこと」。
それでも人間と同じように相場は生きていけるし成長する。
相場では不条理の中で条理など片隅に追いやられてしまうことは多い。
フランツ・カフカは「芋虫になった人間」を「変身」で描いた。
アルベール・カミュは「太陽がまぶしすぎたから殺人」という意味不明な言葉を「異邦人」で描いた。
「人間を〈本質存在〉ではなく,個別具体的かつ主体的な事実存在,すなわち〈実存〉としてとらえる立場」は実存主義とも呼ばれる。
「明晰な理性を保ったまま世界に対峙するときに現れる不合理性」は相場でも同様だ。
ただ、むしろドストエフスキー「賭博者」の方が相場には役立つのかも知れない。

(兜町カタリスト 櫻井英明)



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