話題レポート
《Eimei「みちしるべ」》
《Eimei「みちしるべ」》(6月24日→6月28日の週)
6月14日時点のQuick調査の信用評価損率は▲6.07%(前週▲6.79%)。
2週ぶりに好転。
6月14日時点の信用売り残は210億円増の7608億円。
3週ぶりに増加。
同信用買い残は436億円増の4兆8697億円。
2週連続で増加。
4月19日時点の4兆8645億円以来の水準。
22年11月11日時点は2兆9417億円だった。
昨年5月19日時点は3兆1363億円だった。
4兆円台に乗せたのは2月22日時点。
信用倍率は6.40倍(前週6.52倍)。
6月14日時点の裁定売り残は758億円増の4267億円。3週連続で増加。
6月7日時点の裁定買い残は4321億円減の2兆384億円。2週連続で減少。
当限は売り残が752億円増の2225億円。
買い残が1118億円減の2兆364億円。
翌限以降は売り残が6億円増の2041億円。
買い残が3202億円減の19億円。
6月第2週(6月10日─6月14日)の週間海外投資家動向
現物2494億円売り越し(4週連続で売り越し)。
先物2997億円買い越し(2週ぶりに買い越し)。
合計503億円買い越し(2週ぶりに買い越し)。
個人は現物853億円買い越し(2週連続で買い越し)。
先物136億円買い越し(2週連続で買い越し)。
合計990億円買い越し(2週連続で買い越し)。
信託銀行は現物1562億円買い越し(4週ぶりに買い越し)。
先物1898億円売り越し(2週連続で売り越し)。
合計326億円売り越し(4週連続で売り越し)。
6月第1週(6月3日─6月7日)の週間海外投資家動向
現物1986億円売り越し(3週連続で売り越し)。
先物1405億円売り越し(3週ぶりに売り越し)。
合計3392億円売り越し(2週ぶりに売り越し)。
個人は現物2861億円買い越し(2週ぶりに買い越し)。
先物945億円買い越し(3週ぶりに買い越し)。
合計3806億円買い越し(2週ぶりに買い越し)。
信託銀行は現物1304億円売り越し(3週連続で売り越し)。
先物404億円売り越し(2週ぶりに売り越し)。
合計1708億円売り越し(3週連続で売り越し)。
投資部者別売買代金では個人が現物で231億円売り越し(前週354億円買い越し)。
信用で1085億円買い越し(前週2507億円買い越し)。
海外投資家が2494億円売り越し(前週1986億円売り越し)。
信託銀行が1562億円買い越し(前週1304億円売り越し)。
事業法人が2526億円買い越し(前週2921億円買い越し)。
今年の曜日別勝敗(6月21日まで)
月曜13勝7敗
火曜13勝11敗
水曜6勝17敗
木曜13勝13敗
金曜15勝8敗
★日経平均想定レンジ
下限38175円(マイナス2σ水準)―上限39863円(3月メジャーSQ値)
JPX総研はTOPIX(東証株価指数)の一段の見直しを進めると発表した。
スタンダードやグロースにも対象を拡大。
浮動株時価総額や売買代金回転率など流動性に基づいて銘柄の定期入れ替えを実施する。
これにより、構成銘柄は25年1月見込みの1700から1200程度になる見通し。
初回の定期入れ替えは2026年10月。
初回入れ替え時に継続採用されない銘柄は移行措置銘柄として四半期ごと8段階でウエートを低減。28年7月にゼロとする。
2回目の定期入れ替えは28年10月。
以後は毎年10月最終営業日に定期入れ替えを行う。
基準日は8月最終営業日とする。
TOPIXに選定されない銘柄を対象に、一定の流動性のある銘柄で構成する「TOPIX Next−tier」の算出を26年10月に開始する。1200でも採用銘柄数が多いという声があるが、それでも前進。
「スーパースタンダードやスーパーグロース」指数の可能性は減るが、「なんちゃってTOPIX」からは一歩前進だろう。
株価の形成要因で大切なのは「業績・需給そして心理」。
特に心理の傾きの影響を受けやすい。
その心理というのが外部環境に左右される。
金利動向、景気動向、為替動向、イベントなど。
そして、心理と言う曖昧模糊としたものに具体性を持たせるために各種の指標が引用される。
あるいはイベントスケジュールが重視される。
確かに心理は必要だが真理ではない。
目くらましや煙幕に眩惑されて本質から離れた議論ばかりが横行する。
むしろ本質から離れた世界が歓迎される傾向でもある。
本質の反意語は「現象」とされる。
目の前の出来事ばかりに視点が向かうということ。
どうして業績や需給に目が向かわないのか。
株式市場の不思議さだ。
農林中央金庫の債券売却の報道。
24年度中に、保有する米国債や欧州国債を10兆円以上売却する。
運用収支悪化の主因となっている利回りの低い外国債券の損失を確定。
債券運用のリスクを引き下げる狙い。
損失処理に伴い、5000億円超と見込んでいた2025年3月期の最終赤字額は1兆5000億円規模に拡大するとみられる。
背景は「3月末時点で約2兆2千億円の債券含み損の状況を改善するために運用を抜本的に変える必要があると判断した」。農林中金は3月末時点で56兆円の市場運用資産のうち、42%にあたる約23兆円を外国債券で運用している。
日銀によると、国内預金取扱機関の外債残高は3月時点で117兆円。
農林中金はこのうち約2割を占める巨大投資家だ。
欧米の金利上昇(債券価格は下落)に伴って、過去に買い入れた高価格(低利回り)の外債の評価額が下がり、含み損が膨らんでいた。
代替の投資先は株式や社債、企業向け融資、プライベートエクイティ(PE)、企業のローン担保証券(CLO)などの証券化商品を検討。
多様な資産に分散することで、含み損が再び膨らみ経営の懸念材料となるのを防ぐ目的だという。
それにしても・・・。プロが運用しての巨大な評価損。
難しいことを考えずに、配当利回りだけで株を買っていてもこんなことにはならないハズ。
そもそも運用資産の大半が債券ということが間違っていることに気が付かなかったのだろうか。
株式トレーニーを廃止して債券トレーニーばかり育ててきたツケがここで出てきた格好に映る。
バブル崩壊は株式のリスクをあぶり出したが、債券の方が、運用金額が大きいだけに損失は常に大きくなる。そして「債券」というネーミング持つ根拠のない「安全性」は誤解と錯覚にしかすぎない。
市場関係者とか専門家にもいろいろな出自がある。
証券市場出身者(例えば証券会社など)と証券市場外出身者(例えばマスコミなど)
その違いは経験則から行くと結構ある。
証券市場外出身だと、他の市場関係者の見方を紹介することが多い。
どちらかというと外部材料にこだわる傾向がある。
証券市場出身だと、自分の相場観を披露することが多い。
どちらかというと需給や市場内部の材料を優先する傾向がある。
過ごしてきた立場と場所が異なるのだからこれは致し方ないことなのだろう。
因みに、その昔、トレーディングルームには場電と呼ばれる人がたくさんいた。
かれらの興味は「今日のイベント」。
どちらかというと経済指標などではなく、SQとか上場日とかの市場内部のこと。
「あれはなんで上がっている」とか「この売りは誰」なんてことを詳しく知っていた。
「今日や明日に市場では何がある」ということも把握していた。
ただ、それが何を意味しているのかには、彼らはあまり興味がなかったような気がする。
そしてそれら多くの情報が表に出ることは少なかったし、社内でも出回ることは少なかった。
(兜町カタリスト 櫻井英明)