話題レポート
《Eimei「みちしるべ」》
《Eimei「みちしるべ」》(9月24日→9月27日の週)
9月13日時点のQuick調査の信用評価損率は▲11.35%(前週▲11.19%)。
2週ぶりに悪化。
9月13日時点の信用売り残は198億円増の6276億円。3週ぶりに増加。
同信用買い残は186億円減の4兆859億円。4週ぶりに減少。
6月21日時点は4兆9117億円。
22年11月11日時点は2兆9417億円だった。
昨年5月19日時点は3兆1363億円だった。2週連続で4兆円台。
信用倍率は6.51倍(前週6.75倍)。
9月13日時点の裁定売り残は2543億円減の1690億円。5週連続で減少。
裁定買い残は3072億円増の1兆4256億円。3週ぶりに増加。
当限は売り残が2483億円減の1673億円。
買い残が3072億円増の1兆4147億円。
翌限以降は売り残が60億円減の16億円。
買い残が0.5億円増の109億円。
9月第2週(9月9日─9月13日)の週間海外投資家動向
現物1兆5425億円売り越し(4週連続で売り越し)。
過去最大規模。
従来の過去最大は2016年3月第2週の1兆1932億円だった。
この多くは裁定取引との見方。
証券自己の現物買いが9040億円ありこちらも異常に多い。
中間期末を控え、配当をめぐる国内と海外での二重課税を回避するための裁定取引が出やすいとの見方。
先物4444億円買い越し(4週連続で買い越し)。
合計1兆981億円売り越し(4週連続で売り越し)。
個人は現物2193億円買い越し(2週連続で買い越し)。
先物90億円買い越し(3週連続で買い越し)。
合計2284億円買い越し(2週連続で買い越し)。
信託銀行は現物559億円売り越し(8週ぶりに売り越し)。
先物291億円買い越し(2週ぶりに買い越し)。
合計268億円売り越し(2週連続で売り越し)。
投資部門別売買代金では個人が現物で1340億円買い越し(前週1973億円買い越し)。
信用で858億円買い越し(前週2698億円買い越し)。
海外投資家が1兆5425億円売り越し(前週8235億円売り越し)。
4週連続売り越しで過去最大規模。
今年度は2兆735億円の売り越し。
信託銀行が559億円売り越し(前週1500億円買い越し)。
事業法人が3073億円買い越し(前週3544億円買い越し)。
11週連続買い越し。
今年の曜日別勝敗(9月20日まで)
↓
月曜18勝13敗
火曜22勝15敗
水曜14勝22敗
木曜19勝19敗
金曜21勝15敗
地方の基準地価が32年ぶりに上昇している。
背景は訪日外国人中心の観光需要の高まりとや半導体の工場新設など。
台湾の半導体受託生産世界最大手TSMC進出で湧く熊本県菊陽町は16.9%の上昇。
東隣の大津町が19.4%上昇し1位となった。最先端半導体のラピダスの工場建設が進む北海道千歳の上昇率は高い。
半導体の生産とサプライチェーンの確保は国策でもあり、将来にわたる期待要因だ。
大きな流れが、日本の国土を変化させているということになる。
NYダウのスマートさ、そして強さというのを改めて感じた。
日経平均が42000円台の高値を撮った7月11日。
NYダウは39753ドル。
2000ポイント余り劣後していた。
それがいつの間にか過去最高値を何度も更新し41000ドル台。
一方日経平均は31000円台まで下落し36000円台。
両者を比較することに意味はないが、それでも気になる。
1896年に12銘柄で算出開始。
1928年から30銘柄になり、常に時代を背景にして成長銘柄を採用してきた。
とても賢い入れ替えで常に主役銘柄を採用し、過去の銘柄を除外してきた歴史。
「いいものはいい。ダメなものはダメ」。
この採用銘柄選択に関するスマートさが日本株にも欲しいものだ。
いわゆる評論家というのは経済指標やイベント、たまに個別銘柄の業績に留意する。
しかし、経験則からいくと、現場の株式部とかエクイティ部の人間の多くは需給を気にしていた。
FOMCや雇用統計などほとんど話題にもならず、「誰が買っているのか誰が売っているのか」が話題になった。
あるいは銘柄入れ替えや指数イベントなどが興味の中心だった。
この違いは大きい。
たぶん今でも投資家さんの多くの興味の対象は需給。
ところがいわゆる株式市場関係者は需給については多くを語らないし語れない。
たまに聞くことがあるとしても、全体を俯瞰したような数字ばかり。
欲しいのは「どういう需給イベントがあるのか」。
「銘柄入れ替えはいつなのか」。
「売り方買い方どちらが有利になっているのか」。
「信用期日はいつだったか」。
「相場は何をめざしているのか」。
消費者物価指数や裁定残推移などには表れない課題こそ実は投資家側が求めている「情報」なのではなかろうか。
必要性の少ない情報を雨あられのようにばらまき、その結果についてはほとんど顧みられない。
欲しいのは「経済指標ではなく、需給情報とその解釈」。
ここがよく理解されていないから、相場解釈がピンボケになるのではなかろうか。
もっとも、逆に言えば株式部関係者の多くは経済指標やイベントにはほとんど興味がなかったとも言えるのだが・・・。
債券部や調査部出身者とは全く異なる人種というともいえる。
だから、他人の相場解釈を聞くときはその出自を確認した方がよいとも言える。
「大切にしたいこと」
下手な経験則より素人考え
踊る大調査戦
世界経済よりも大切なのは自分の銘柄のゆくえ
相場、銘柄、三日会わざれば刮目して見よ
重要なのはコピペでない相場観
上がる銘柄がヒーローなのではなく、夢のある銘柄がヒーロー
株式市場での値動きは作品でもある
疑うより信じること
ありふれた日々の中でいまの気持ちのままで相場を見つめていること
二度と過去には戻れない
微分より積分、些末でなく大局
★日経平均想定レンジ
下限36504円(マイナス1σ水準)―上限39332円(プラス2σ水準)
S&P500株価指数が最高値付近(1%安以内)の水準にある。
1974年以降の利下げ局面を分析した結果、過去10回の利下げサイクルのうち、
5回は開始時点でS&P500種株価指数は52週(過去1年)高値から5%以内で取引され、
3回は1%以内で取引されていたという。
1984、89、95年の3回は景気後退と関連性のない利下げだった。
一方、2007年と19年の利下げは景気後退開始から7カ月以内に行われた。
利下げ開始から3カ月、6カ月、12カ月と経つにつれパフォーマンスは改善。
リーマンショックに通じる07年は例外的にパフォーマンスが悪化傾向をたどった。
利下げ開始以後の平均パフォーマンス(上昇率)は1カ月で0%、3カ月で4%、6カ月で6%。
12カ月で8.6%だった。
複雑な需給が絡み合う9月末が接近。
直近まで大きな日本株の支え役となっている企業の自社株買いが不在になりやすい。
10月には大型の新規株式公開(IPO)を控えて需給悪化への警戒もある。
一方、配当の再投資や日経平均の構成銘柄変更に伴う売買などが支えとなりそうとの見方。
日本取引所の自主規制法人が定める自社株買いのガイドラインで注視する行為形態として
「決算期末の買い付け」という項目があり、企業による自社株買いが控えられる時期になる。
決算期末以前の5営業日が該当期間。
ただ「高水準の自社株買いが永続的に続くとは想定してないがEPSの引き上げ効果はある」という声もある。
また10月には東京メトロ、半導体メモリー大手のキオクシアホールディングスのIPOを控える。
「2社のIPOで30%ほどの市場で放出されると6000億円強、50と仮定すると1兆円強の資金を市場から吸い上げる」という声もある。
一方、9月末は特殊需給の支えもある。9月26日が3月末を中心とする企業の配当権利付き最終売買日、翌27日は配当落ち日。
この2日間にはパッシブ投資家による配当落ちに伴う運用誤差を極力回避する目的の配当の再投資がある。
配当の再投資として1兆20000億円程度の買い需要が発生するという見方。
9月末には日経平均の構成銘柄変更に伴い、日経平均には広く1700億円程度の買い需要も発生見通し。
日経平均・TOPIXの配当落ち試算(大和証券)
↓
9月配当落ち額は、日経平均では261円、TOPIXでは25.3ポイントと試算。
パッシブ連動資産がすべて配当落ちに伴う先物買いに動いた場合、
日経平均先物で2000億円弱、TOPIX先物で1兆1000億円程度の配当落ちによる買い需要が予想される。
ノーベル賞が話題になってきた。
世界中の研究論文を分析するイギリスの学術情報サービス会社「クラリベイト」。
世界の研究者が発表したおよそ6100万本の研究論文の引用回数などを分析。
毎年、ノーベル賞の受賞が有力視される研究者に「クラリベイト引用栄誉賞」を贈っている。
今年は6か国の研究機関から22人が選ばれた。
このうちノーベル化学賞の有力候補として、東京大学の堂免一成特別教授(70)が選ばれた。
堂免特別教授は、太陽の光を当てることで水を水素と酸素に分解する「光触媒」を使った人工光合成の研究で、
水素を効率的に取り出す手法を開発したことが評価された。
また、生理学・医学賞の有力候補として東京大学出身で、運動や学習などをつかさどる「大脳基底核」の生理学的な研究に貢献した、
アメリカの国立衛生研究所に所属する彦坂興秀氏が選ばれた。
「クラリベイト引用栄誉賞」を受賞した研究者は、去年までに421人。
このうち75人がノーベル賞を受賞している。
因みに昨年ノーベル賞受賞を有力視されたのは以下の方々。
〇生理学・医学賞
過剰な免疫反応を抑える「制御性T細胞」を発見した坂口志文大阪大学特任教授。
「インターロイキン6」というたんぱく質を発見した岸本忠三大阪大学特任教授。
青カビが作り出す「スタチン」という物質が動脈硬化の原因となる血液の中のコレステロールを下げることを発見。
治療薬の開発に貢献した遠藤章東京農工大学特別栄誉教授(残念ながら6月に90歳で逝去)。
後天性免疫不全症候群の世界初の治療薬を開発した満屋裕明国立国際医療研究センター研究所所長。
細胞どうしを結び付けて臓器などを形作る分子「カドヘリン」を発見した竹市雅俊理化学研究所名誉研究員。
「小胞体」と呼ばれる細胞の器官が、不良品のたんぱく質を修復したり分解したりする仕組みを解明した森和俊京都大学教授。
脳で分泌される「オレキシン」という神経からの信号を伝える物質が睡眠の制御に関わっていることを発見した柳沢正史筑波大学・国際統合睡眠医科学研究機構 機構長。
〇ノーベル物理学賞
消費電力が極めて少ないコンピューター用の記憶媒体の実現につながる金属の化合物「マルチフェロイック物質」の特徴を解明した十倉好紀理化学研究所センター長。
電力ロスが少ない次世代の送電線などへの応用も期待される「鉄系超電導物質」を発見した細野秀雄東京工業大学栄誉教授。
100億年で1秒も狂わない極めて正確な「光格子時計」と呼ばれる時計を開発した香取秀俊東京大学教授。
〇ノーベル化学賞
水中の「酸化チタン」に紫外線を当てると、水が水素と酸素に分解される現象を世界で初めて発見。
有害物質の分解などに利用される「光触媒」の実用化の道を開いた藤嶋昭東京理科大学栄誉教授。
「光触媒」の研究で汚れや有害物質のほか、細菌やウイルスを分解する力があることを明らかにした橋本和仁科学技術振興機構理事長。
ナノマシンと呼ばれる極めて小さい物質に薬を乗せて狙った場所に送り届ける技術を開発した片岡一則川崎市産業振興財団の副理事長。
カビならティムス(4891)。
いよいよ片岡教授のナノマシンならNANO MRNA(4571)。
インターロイキンなら中外(4519)、小胞体ならアステラス(4503)。
光触媒ならレゾナック(4004)、大チタ(5726)、石原産業(4028)。
ひょっとしてペロブスカイト電池なら積水化学(4204)、伊勢化学(4107)、ホシデン(6804)。
光合成なら三菱ケミカル(4188)、高分子ならカネカ(4118)。
日本証券業協会の投資の日のHPが素晴らしい。
テーマは「きみの投資が、未来をつくる」。
「熱狂できる日が、必ず帰ってくる。そのためのテクノロジーが必ず生まれる」。
(兜町カタリスト 櫻井英明)