話題レポート
《Eimei「みちしるべ」》
《Eimei「みちしるべ」》(9月30日→10月4日の週)
9月20時点のQuick調査の信用評価損率は▲9.37%(前週▲11.35%)。
2週ぶりに好転。
9月20日時点の信用売り残は995億円増の7271億円。2週連続で増加。
同信用買い残は1027億円減の3兆9831億円。2週連続で減少。
6月21日時点は4兆9117億円。
22年11月11日時点は2兆9417億円だった。
昨年5月19日時点は3兆1363億円だった。2週連続で4兆円台。
信用倍率は5.48倍(前週6.51倍)。
9月20日時点の裁定売り残は116億円減の1573億円。6週連続で減少。
裁定買い残は3909億円増の1兆8166億円。2週連続で増加。
当限は売り残が117億円減の1556億円。
買い残が3906億円増の1兆8053億円。
翌限以降は売り残が0.5億円増の16億円。
買い残3億円増の113億円。
9月第3週(9月17日─9月20日)の週間海外投資家動向。
現物5122億円売り越し(5週連続で売り越し)。
先物2500億円売り越し(5週ぶりに売り越し)。
合計7622億円売り越し(5週連続で売り越し)。
個人は現物3567億円売り越し(3週ぶりに売り越し)。
先物145億円買い越し(4週連続で買い越し)。
合計3421億円売り越し(3週ぶりに売り越し)。
信託銀行は現物2963億円売り越し(2週連続で売り越し)。
先物3697億円買い越し(2週連続で買い越し)。
合計734億円買い越し(3週ぶりに買い越し)。
投資部門別売買代金では個人が現物で2628億円売り越し(前週1340億円買い越し)。
信用で939億円売り越し(前週858億円買い越し)。
海外投資家が5122億円売り越し(前週1兆5425億円売り越し)。
5週連続売り越し。
5週間での売り越しは3兆5224億円。
今年度は2兆5857億円の売り越し。
信託銀行が2963億円売り越し(前週559億円売り越し)。
事業法人が1884億円買い越し(前週3973億円買い越し)。
12週連続買い越し。
今年の曜日別勝敗(9月26日まで)
↓
月曜18勝13敗
火曜23勝15敗
水曜14勝23敗
木曜20勝19敗
金曜22勝15敗
株価は高値を上回らないと新高値にならない。当たり前のことだ。当然売り方は抵抗する。
経験則からいくと高値近辺でもみ合うことは多い。
しかし高値を更新するときは一気に更新する。
一気に更新しないと邪魔が入るから。
そして「またダメか」と疑念が生じるから。
日経平均は35000円→38000円のレンジを抜けて次は38000円と40000円のレンジに移行した。水準は悪くない。
ただタイミングがどうなのかがこの先数日の課題だろう。
配当金再投資買いが27日にかけて総額1.4兆円ほど流入との観測。
「それを見越した思惑いも流入した」という解釈も聞こえる。
株価が高いとさまざまな憶測ばかりが横行する。
年金基金が四半期末のリバランスによる株式買いを月末にかけて執行するとの思惑もあるという。
すべて憶測。確かめようのない観測は時に相場に有利に働く。
「一部にはオイル資金の流入」という観測はそれこそ出来過ぎ。た
この「憶測でものをいう体質」はバブルのころから変わっていない。
市場に聞いてみたところで本質を知らない人は語るが、知っている人は決して語らない。
ここを市場は理解するべきだろう。
「当たらずとも遠からず」ではあるが正鵠を射てはいないケースはほとんどだ。
隔靴掻痒では満足できないのだが、それでもわかった気になるから不思議なもの。
ここにインサイダーになれない証券マスコミの限界があるのだろう。
★日経平均想定レンジ
下限36492円(マイナス1σ水準)―上限40000円(心理的節目)
日曜の夜にNHKで再放送をしている「坂の上の雲」。
その中に登場した明治陸軍の騎馬隊をつくった若き秋山好古が弟の秋山真之(日本海大海戦で活躍)に言った言葉。
ある日、弟真之が新聞を読んでいると、好古が急にひったくる。
「おのれの意見のない者が、他人の意見を読むと害になるばかりだ」。
明治時代の新聞は政治色が強く、政治主張にあふれていたから、今とは違うかも知れない。
でも、この言葉は今の時代に通じる気がする。
「おのれの考えがないうちに他人の相場観を求めてはいけない。
害になるばかりだ」。
10月4日は「証券投資の日」。
由来は「10(とう)」と4(し」の語呂合わせ。
1996年に日本証券業協会によって制定され、2009年に名称が「投資の日」で登録。
2017年に「証券投資の日」となった。
日経平均の今回の上昇相場は昨年10月4日終値30526円が起点。
昨年スタートした海外投資家とのコミュニケーションを強化するための「JAPANWEEKS」。
今年も9月30日から10月4日をコアウィークとして開催。
「資産運用立国」はお題目ではなく実務の世界に入ってきている。
今回の投資の日に関して感動したのは日本証券業協会のHP。
「きみの投資が未来をつくる」がメインのコピー。
「命のために戦う人いる。経済を止めない、そのために動く人々がいる。
熱狂できる日が必ず帰ってくる、そのためのテクノロジーが必ず生まれる」などと続く。
そして「証券投資は、そんな企業を支える力になる。私たち一人ひとりが取り組める、未来への関わり方だと信じています」と結ばれる。
毎年1回巡ってくるイベントだが「証券投資」の意義や意味を再考するよい機会。
投資は「今だけ金だけ自分だけ」と思っている人は少なくない。
しかし足りないものがある。
それは「夢」。例えばがんや心臓病が回復する薬の技術開発や生成AIや量子コンピュータなどの華々しいテクノロジー開発も夢だ。
しかし地味ではあるが必要とされる「夢」も多い。
(兜町カタリスト 櫻井英明)