みちしるべ 24年11月18日号
兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
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《Eimei「みちしるべ」》

《Eimei「みちしるべ」》(11月18日→11月22日の週)

11月8時点のQuick調査の信用評価損率は▲8.42%(前週▲9.72%)。
2週連続で好転。
11月8日時点の信用売り残は720億円増の5984億円。4週ぶりに増加。
同信用買い残は1654億円減の3兆9838億円。6週ぶりに減少。
6月21日時点は4兆9117億円。4週ぶりに4兆円台。
信用倍率は6.66倍(前週7.88倍)。
8月9日が7.48倍、8月2日が8.72倍。
11月8日時点の裁定売り残は513億円増の2720億円。2週連続で増加。
当限は147億円減、翌限以降は660億円増。
裁定買い残は1980億円増の1兆3932億円。4週ぶりに増加。
当限は1762億円増、翌限以降は218億円増。

11月第1週(11月5日─11月8日)の海外投資家動向。

現物1938億円買い越し(4週ぶりに買い越し)。
先物5723億円買い越し(2週ぶりに買い越し)。
合計7671億円買い越し(2週ぶりに買い越し)。
個人は現物7436億円売り越し(2週連続で売り越し)。
3月第3週以来約8か月ぶりの高水準。
現物1276億円売り越し(2週ぶりに売り越し)。
合計8713億円売り越し(2週ぶりに売り越し)。
信託銀行は現物766億円買い越し(2週連続で買い越し)。
先物362億円売り越し(6週連続で売り越し)。
合計403億円買い越し(2週ぶりに買い越し)。

投資部門別売買代金では個人が現物で5931億円売り越し(前週1569億円売り越し)。
信用で1504億円売り越し(前週1130億円買い越し)。
海外投資家が1938億円買い越し(前週1885億円売り越し)。
自己売買が4507億円買い越し(前週38億円買い越し)。
信託銀行が766億円買い越し(前週1640億円売り越し)。
事業法人が1594億円買い越し(前週1830億円買い越し)。
19週連続で買い越し。

今年の曜日別勝敗(11月15日まで)

月曜20勝15敗
火曜27勝18敗
水曜17勝27敗
木曜23勝23敗
金曜27勝18敗

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2024年度第2四半期運用状況(速報)。
国内株式の構成割合は、9月末時点が23.98%だった。
基本ポートフォリオ対比で1%のアンダーウエートとなった。
GPIFの6月末時点における国内株ウエートは24.37%。
9月末も上述の通り25%を下回っており、事前に国内株ウエートを引き上げるとの期待は後退。

10月に東証プライム市場に新規上場した各銘柄11月に(TOPIX)に組み入れられる。
29日より反映されることから、パッシブ運用によるリバランスは8日引けで発生する見込み。

★日経平均想定レンジ
下限37513円(75日線)―上限41054円(7月18日マド明け水準)

水曜の大幅安は複雑な連立方程式を解けなかった結果という気がする。
「大統領、上院下院ともに共和党での「トリプルレッド」がほぼ確実になった。
トランプ大統領のやりたい放題には歯止めがなるだろうとの解釈。
これが米国インフレ懸念を惹起。
金利の上昇を招きそうだからとの円安トレンド。そして国内債券利回りの上昇。
一方で毎日出てくる国内決算は思ったように増益が進まない。
「円安株高論」は当然影を潜め、大げさな金利上昇警戒論が幅を利かせた格好。
株式市場の内部要因ではなく、おそらく背景は株式使用以外の要因。
需給で見れば債券投資の直近の失敗も底流ではうごめいていることだろう。
しかし・・・。
大げさに言えば、歴史的な変化を感じさせたのは日経朝刊の1面トップ。
「日英、経済版『2プラス2』、近く新設」の記事。
大英帝国は米国に匙を投げたように映る。
東京にいると米国は巨大に見えるが、所詮保安官。
保安官に世界を支配されて約100年。
それまでの盟主の英国が黙っていられなくなったと理解したい。
そもそも日本では「日英同盟」がまだ生きている気がする。
明治維新を惹起したのは薩長を支援した英国。
その設計図の中でこの国が成長してきたのだから当然でもある。
日本の車は左側通行。
GHQ占領下でも変わらなかった。これが歴史。
香港、シンガポール、そして豪州、一部のアフリカ諸国。
左側通行の国が意外なところで頑張るかも知れない。
NYではなくロンドンとの市場連携が登場しようか。
そもそも投資主体別動向では欧州が76%。
北米は所詮6%でしかないのも事実。

日英両政府は外務・経済閣僚による経済版「2プラス2」を新設する方針。
高関税を掲げる米国のトランプ次期政権との貿易交渉で連携する。
保護主義の台頭によって後退する国際経済秩序の立て直しにつなげる考えだ。
日英政府関係者が明らかにした。
日本にとって英国は同盟関係にある米国に次ぐ「準同盟」国の位置づけで、
経済から安全保障まで協力の裾野を広げてきた。
日本は半導体や鉱物資源など重要物資の確保で欧州との協力を密にしており、
英国は欧州のなかでは最も関係が深い。
世界の動向を対立軸で見ると・・・。

成長―成熟
モノつくりー金融至上主義
技術の進歩(第二次産業革命)―マネーの膨張
自由主義・個人主義―保守主義・全体主義
自由貿易―保護貿易

アメリカは欧州からメイフラワー号で渡った人たちの移民の地。
ここで登場する構図はプロテスタントーカトリック。
プロテスタントは一生懸命働き、儲かったお金は投資に回す傾向。
カトリックは儲かったお金は教会などへ寄付する傾向。
アメリカはプロテスタントの国。
働いて働いて、投資をして国を発展させてきた。
一方、移民問題で揺れる中南米はもともとスペインやポルトガルなどの植民地。
当然ながらカトリックだ。
そういう構図で見ると、中南米からの壁は「職を奪われる」ではなく、「価値観」の壁に映る。
結構興味深い。


(兜町カタリスト 櫻井英明)



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