話題レポート
《Eimei「みちしるべ」》
《Eimei「みちしるべ」》(12月9日→12月13日の週)
11月29時点のQuick調査の信用評価損率は▲8.73%(前週▲8.66%)。
2週ぶりに悪化。
11月29日時点の信用売り残は791億円増の7280億円。4週連続で増加。
同信用買い残は1114億円増の4兆3509億円。3週連続で増加。
6月21日時点は4兆9117億円。2週連続で4兆円台。
信用倍率は5.98倍(前週6.53倍)。
9月20日時点以来の5倍台。
8月9日が7.48倍、8月2日が8.72倍。
11月29日時点の裁定売り残は65億円増の3511億円。5週連続で増加。
当限は126億円増、翌限以降は60億円減。
裁定買い残は1509億円減の1兆7704億円。4週ぶりに減少。
当限は1508億円減、翌限以降は1億円減。
11月第4週(11月25日─11月29日)の海外投資家動向)
現物1794億円売り越し(2週連続で売り越し)。
先物1665億円売り越し(3週連続で売り越し)。
合計3460億円売り越し(2週連続で売り越し)。
個人は現物1409億円買い越し(2週連続で買い越し)。
現物661億円買い越し(2週ぶりに買い越し)。
合計2070億円買い越し(3週連続で買い越し)。
信託銀行は現物854億円買い越し(2週ぶりに買い越し)。
先物566億円買い越し(9週ぶりに買い越し)。
合計1421億円買い越し(3週ぶりに買い越し)。
投資部門別売買代金では個人が現物で224億円買い越し(前週358億円売り越し)。
信用で1184億円買い越し(前週2142億円買い越し)。3週連続で買い越し。
海外投資家が1794億円売り越し(前週3300億円売り越し)。2週連続で売り越し。
自己売買が1122億円売り越し(前週75億円買い越し)。
信託銀行が854億円買い越し(前週138億円売り越し)。
事業法人が2964億円買い越し(前週2326億円買い越し)。22週連続で買い越し。
今年の曜日別勝敗(12月6日まで)
↓
月曜22勝16敗
火曜29勝19敗
水曜19勝29敗
木曜25勝24敗
金曜28勝20敗
OECD世界経済見通し。
保護主義の再燃で貿易の回復が妨げられなければ、世界経済は今後2年間安定的に成長するとの見通し。2024年の世界経済の成長率は3.2%、25年と26年は3.3%と予想。
インフレ率の低下、雇用の拡大、金利の引き下げにより、一部の国の財政引き締めが相殺されるとみている。9月の予想では今年と来年の成長率を3.2%としていた。
26年の見通しは今回初めて公表された。
OECDは米経済について、雇用市場の冷え込みにより消費が鈍化するとの見方。
今年の成長率は2.8%となり、25年は2.4%、26年は2.1%にさらに鈍化すると予測。
中国も24年の4.9%から25年は4.7%、26年は4.4%に減速する見込み。
備えのための貯蓄が高水準で消費者支出が低迷していると指摘。
ユーロ圏はECBの金融緩和が投資を促し、労働市場の引き締まりが個人消費を支えると予想。
成長率は今年の0.8%から25年は1.3%、26年は1.5%に加速するとした。
英国の成長率今年は0.9%、25年は1.7%と予測。
26年は1.3%に鈍化する見通し。
日本の成長率今年はマイナス0.3%。
ただ景気刺激策を追い風に25年は1.5%のプラス成長を回復。
26年は0.6%へ鈍化する見通し。
★日経平均想定レンジ
下限37721円(ボリンジャーのマイナス2σ)―上限40260円(ボリンジャーのプラス3σ)
1日(日)の日本経済新聞朝刊2面の「直言」。
見出しは「トランプ氏は市場が正す」。
リーマンショックを予言したとされえる「破滅博士」NY大学のヌリエル・ルービニ名誉教授
2022年に出版した近著のタイトルは「MEGATHREATS(メガスレット)」。
不況とインフレが同時に襲うスタグフレーションなど、 世界経済を揺るがす巨大なスレット(脅威)を指摘。
「トランプ次期米大統領の政策は脅威を深めるリスクがある」というのがインタビューの趣旨だ。
ルービニ氏は危機を回避する方法として、技術革新に期待を寄せる。
トランプ氏の政策にもプラス面があるとみる。
「日本はインターネット革命の最初の波を取り逃したかもしれない。
しかしロボットや自動化、AI、原子力、バイオなどの研究は質、量ともに優れている。
バブル崩壊以降、長期停滞に陥ったが、前向きな変化が起きている。
企業部門の収益効率は上がっている。
AIの時代は、むしろ人口減少の国の方が追い風になりうる。私は日本の将来に対して楽観的だ」。
そして「破滅博士」ヌリエル・ルービニ名誉教授はこうも言う。
「『ドクター・リアリスト』と呼んでほしい。
危機やリスクの存在は、個人や社会、世界全体のすべての問題を解決する機会になる。
警報が鳴っているときに人は居眠りしていられない。問題に立ち向かわなければならないのだ」
若い世代は将来を心配している。気候変動や地政学リスク、貧富の問題などどれも変えねばならない。
懸念が正しい方向に向けられていれば、必ず人々は前向きな変化につなげる。
身を隠すのではなく、建設的に世界をより良くする努力をしなければならない」。
問題は破滅や恐怖がテーマだったルービニ氏の変身とも思える言動。
リーマンショック後、彼の恐怖予想は外れてきた。
「反対指標」として絶大な信用があったのが、変身されると困るのが市場。
鉄板の外れ屋であて欲しいという気がする。
因みに「ルービニ氏が指摘する10の巨大な脅威」。
これだけあれば変身していないとも考えられる。
↓
積みあがる債務
誤った政策
人口の時限爆弾
過剰債務の罠とバブル
大スタグフレーション
通貨暴落と金融の不安定化
脱グローバル化
人工知能
米中新冷戦
気候変動
8月にはこんなことも言っていた。
「市場は米経済がハードランディングに向かっているとの見方から積極的な利下げを織り込んでいる。悲観的になり過ぎている。
景気減速の重大な証拠はいくつかある。
だがデータが近い将来のハードランディングを示唆しているとは思わない。
どちらかといえば、経済には力強さがある。
市場はリセッション(景気後退)に神経をとがらせているが、市場の予測は過去に間違ってきた。
株式市場のリセッション予想は10回のうち当たったのは3回程度だ。
債券市場や逆イールドについても同じことが言える。
市場はFOMCについてさえ間違ってきた。
経済状況や金融政策の行方に関して、市場はしばしば間違えている。
先月大阪証券取引所に言ったときに聞いた話。
堂島の米相場を誰よりも早く知りたがったのが投資家たち。
鞘取り取引をするためには価格が必要だった。
1745年ごろ、大和の国平群(へぐり)郡若井村の源助さん。
最初は煙、次に大傘、提灯、手ぬぐいの振り方などで堂島から2キロメートルほど離れた本庄の森から情報発信。
大阪の街を一望できる十三峠から遠眼鏡で確認していた。
後にこれを大旗による信号に発展させたのが「旗振り通信」の初期の記録として残っているという。
ところが1775年、幕府は旗振りなどで相場を知らせることを禁ずるお触れを出した。
禁止の対象となっていたのが摂津、河内、播磨の三国。
商人たちは堂島から飛脚を国境まで走らせ、禁止区域を出た地点から旗振り通信をしていた。
幕府はその後もたびたび禁止のお触れを出した。
しかし通信ルートは堂島を起点に京都・大津方面、奈良方面、和歌山方面、兵庫方面などへ放射状に拡大。
西は岡山、広島、博多。東は京都、名古屋、静岡、江戸。
因みに・・・。
堂島から和歌山へは3分、京都まで4分、神戸まで7分、桑名まで10分。
岡山まで15分、広島まで27分だったという。
1分で平均12キロ先に伝わると考えれば平均時速720キロ。
HFT顔負けのスピード感。ただ江戸までは8時間かかった。
三島?小田原間は飛脚による箱根越えに頼らざるを得なかったというのが理由。
それでも、早飛脚で3?5かかっていたのと比べれば格段のスピードアップだ。
もっとも雨天時など視界が悪く旗振り通信が使えない場合は、視界が回復するまで待つか、飛脚を使った。
天気任せという側面は否めない。
(兜町カタリスト 櫻井英明)