【市況】NYダウ63ドル安、景気減速懸念根強く

  
16日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比63ドル07セント安の3万4751ドル32セントで終えた。
 
米商務省が朝方発表した8月の小売売上高は、前月比0.7％増と市場予想に反して増加した。ただ、7月が下方修正されたのに加え、新型コロナウイルス変異株の感染拡大を受け、サービス消費は伸びず、「7〜9月期の実質的な個人消費は減速する」（米銀エコノミスト）との見方が台頭した。
また、新規の週間失業保険申請件数は33万2000件と前週から増加。市場予想を上回った。
市場では、米景気減速への懸念が根強く、景気動向の影響を受けやすい銘柄を中心に売りが優勢となった。
ホームセンターのホーム・デポやクレジットカードのアメリカン・エキスプレスなど消費関連株が総じて買われた。
 
もっとも、新型コロナウイルスのデルタ型の感染拡大で米経済活動の正常化は遅れるとの懸念は根強く、消費関連株以外に買いは広がらなかった。機械のハネウェル・インターナショナルや建機のキャタピラーが安い。原油相場の上昇が一服し、シェブロンなど石油株も全面安だった。
 
ダウ平均の構成銘柄以外では銅価格の下落などを背景に、鉱山のフリーポート・マクモランやニューモントなど資源株の下げも目立った。
 
ダウ平均は午前中に一時270ドル超下げた。もっとも午後には下げ渋り、取引終了前に小幅高に転じる場面もあった。値ごろ感からの打診的な買いが入ったとみられ、下値の堅さもうかがえた。
 
ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比20.394ポイント（0.1%）高の1万5181.924で終えた。動画配信のネットフリックスやネット通販のアマゾン・ドット・コムが買われた。ネット検索のアルファベットや交流サイトのフェイスブックは下げ、主力株はまちまちだった。
 
NYダウ工業株30種（ドル）
34,751.32−63.07
S&P500種
4,473.75−6.95
ナスダック
15,181.924＋20.394
NY金（ドル/トロイオンス）
1,756.70−38.10
NY原油（ドル/バレル）
72.65＋0.04
円・ドル       
109.69 - 109.73＋0.34
 


 

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【シカゴ日本株先物概況】


16日のシカゴ日経平均先物は反落した。12月物は前日比80円安の3万0335円で引け、16日の大取終値を135円上回った。
16日の米株式市場でNYダウ工業株30種平均は、8月小売売上高や9月フィラデルフィア連銀製造業景況指数の良好な結果を受けて、景気回復期待が再燃し、上昇して寄り付いた。しかし、新規失業保険申請件数の増加で雇用や景気回復への懸念がくすぶったほか、金利先高感を警戒した売りに下落に転じた。
米株が反落し、日経平均先物の上値を抑えた。市場には新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速への警戒感が根強い。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)　
30335 ( +135 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
 30375 ( +175 )
(　)は大阪取引所終値比





【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100　7027．48（＋10．99）
16日のFTSE100種総合株価指数は小幅ながら3日ぶりに反発した。前日の終値に比べ10.99ポイント高の7027.48で引けた。構成銘柄の7割超が上昇した。
他の欧州主要国の株価指数も軒並み上昇した。資源株がさえなかったものの、新型コロナウイルスの渡航規制緩和などを背景に、観光関連株が相場をけん引した。引けにかけて上げ幅を縮めた。
 
個別銘柄では、建機・産業機器レンタルのアシュテッド・グループが大幅高で引けた。通年の決算結果が期待を上回るとの見通しを示し、アナリストが目標株価を引き上げたことが手掛かりになった。航空大手のインターナショナル・エアラインズ・グループ（IAG）と航空機エンジンのロールス・ロイスの上げも目立った。
半面、アングロ・アメリカンやリオ・ティントなど鉱業株は大きく下げた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX　15651．75（＋35．75）
16日のドイツ株式指数（DAX）は反発した。終値は前日と比べて35.75ポイント高の1万5651.75だった。
前日に下落した時価総額の大きい産業機器のシーメンスや、消費財のヘンケルが割安感から買い戻された。
 
個別では、タイヤのコンチネンタルが大幅に下落した。フォルクスワーゲンなど自動車株も売りに押された。欧州自動車工業会（ACEA）が16日に発表した2021年8月の欧州主要国の新車販売台数（乗用車）が前年同月比で大幅に減ったことを嫌気した。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40　6622．59（＋38．97）