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ダウ反落59ドル安 コロナ拡大懸念
【市況】ダウ反落59ドル安 コロナ拡大懸念

 
3日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比59ドル71セント(0.2%)安の3万4580ドル08セントで終えた。
米国を含む世界各地で新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染者が相次いで確認され、感染拡大への懸念が投資家心理を冷やした。投資家のリスク回避姿勢が強まり、年初からの上昇率が大きい高PER(株価収益率)のハイテク株中心に売りが優勢だった。
 
オミクロン型はアフリカ南部で11月に初めて確認されて以降、米欧や中東、日本を含むアジアなど世界各地に拡散。これまで変異型の主流だったデルタ型より感染力が強いとの見方もある。投資家の間で神経質なムードが高まっており、金融市場では総じて不安定な値動きが続いている。
 
3日発表の11月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比21万人増と市場予想(57万3000人増)を大幅に下回った。平均時給の伸びも鈍化した。一方、失業率は低下し、労働参加率が上昇するなど雇用情勢の改善を示す部分もみられた。強弱混じる内容だったが、インフレへの懸念を強める米連邦準備理事会(FRB)は金融政策の正常化を加速させるとの見方が維持されたことも相場の重荷となった。
 
ダウ平均は寄り付き直後に、160ドル超上げる場面があった。買い一巡後はハイテク株中心に売りが広がり、午後に一時、375ドル安まで下げ幅を広げた。その後は取引終了にかけ買い戻しの動きも入り、再び下げ幅を縮小する不安定な展開だった。
 
不安定な動きを反映し、相場の変動率は上昇した。投資家心理を測る指標である変動性指数(VIX)は前日比9.7%高の30.67で終えた。一時は35を超えるなど1月下旬以来の水準に上昇した。不安心理が高まった状態とされる20を大幅に上回っている。
 
ソフトウエアのマイクロソフトが2%下げた。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムとスマートフォンのアップルの下げも目立った。米長期金利の低下を受け、長短金利差の縮小による利ざやの悪化懸念から金融のJPモルガン・チェースなども売られた。一方、日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)や医薬品・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)などディフェンシブ株への買いが目立った。
 
米国市場での上場を廃止すると3日に発表した中国の配車アプリ最大手滴滴出行(ディディ)が22%安と急落。中国の電子商取引(EC)最大手、アリババ集団など他の中国企業の米預託証券(ADR)にも連想売りが広がった。
 
ナスダック総合株価指数も反落し、前日比295.848ポイント(1.9%)安の1万5085.472と1カ月半ぶりの安値で終えた。電気自動車のテスラが6%安と下げが目立った。2日に米連邦取引委員会(FTC)が半導体設計の英アームの買収を阻止する目的で提訴すると発表した画像処理半導体のエヌビディアも4%下げた。2日夕発表の決算を受けて業績鈍化懸念が強まった電子署名サービスのドキュサインは4割下げた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,580.08−59.71
S&P500種
4,538.43−38.67
ナスダック
15,085.472−295.848
NY金(ドル/トロイオンス)
1,783.90+21.20
NY原油(ドル/バレル)
66.22−0.28
円・ドル
112.75 - 112.77−0.51
 

【シカゴ日本株先物概況】


3日のシカゴ日経平均先物は反落。12月物終値は、前日終値比105円安の2万7790円で引けた。3日の大取終値は280円下回った。
NYダウは、11月雇用統計で雇用者数が予想の半分の伸びにとどまり失望感から、下落に転じた。同時に連邦準備制度理事会(FRB)の金融緩和解消の軌道に変わりはなく、時期尚早の金融緩和解除への警戒感も強まり、さらなる売りに繋がった。上場廃止への懸念を受けた中国ハイテク株の下落が重しとなりナスダック総合指数も大きく下げた。
世界各地で新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染確認が相次いでいる。経済の先行き懸念から米株が売られ、日本株もつられて下げた。
 
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
27790 ( -280 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
27790 ( -280 )
( )は大阪取引所終値比
 



【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

3日のFTSE100種総合株価指数は小幅に続落した。前日の終値に比べ6.89ポイント(0.10%)安の7122.32で引けた。午前は上昇していたが、午後に米国株が下落に転じると英国株もつれ安となった。新型コロナウイルスの新たな変異型「オミクロン型」の拡大懸念から売りが先行し、指数構成銘柄の5割超が値下がりした。
鉱業株の下落が株価指数を押し下げる一方、原油相場の上昇を受けて石油株が買われ指数の下値を支えた。
 
個別では、鉱業のリオ・ティントが約3%安、同BHPグループ2.7%安も売られた。だった。ネット専業スーパーのオカド・グループの下落も目立った。
 
一方、ホームセンター大手キングフィッシャーが2.5%高と買われたほか、原油価格の上昇を好感して石油大手BP(1.3%高)や同ロイヤル・ダッチ・シェル(A株、B株ともに1.1%高)も堅調だった。
 
 

■ドイツ・フランクフルト株価指数

3日のドイツ株式指数(DAX)は続落した。終値は前日と比べて93.13ポイント(0.61%)安の1万5169.98だった。
 
個別では、料理宅配大手のデリバリーヒーローは4%超下げた。タイヤのコンチネンタルの下落も目立った。保険のアリアンツは、中期業績見通しを引き上げたことが好感され買われた。
 
 

■フランス・パリ株価指数

CAC40(仏)6,765.52- 30.23


 
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