【市況】NYダウ反落384ドル安、金融株主導

 

 
17日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比384ドル57セント（1.19%）安の3万1861ドル98セントで終えた。
米地域銀行の経営不安がくすぶる中、銀行の融資態度の厳格化につながり、景気を冷やすとの見方から株が売られた。金融株を中心に幅広く売られた。
 
経営不安が高まっている米中堅銀行ファースト・リパブリック銀行を巡っては16日、米金融大手11社が計300億ドルを預金する支援策がまとまり、金融不安の沈静化が期待された。だが、この日はファースト・リパブリック銀が前日終値比30％超急落するなど、金融機関の経営に対する懸念は根強く金融株全般に売りが広がった。
ダウ平均の構成銘柄では金融のJPモルガン・チェースとゴールドマン・サックスが下げを主導した。
また、この日は経営破綻した米中堅銀行シリコンバレー銀行（SVB）の親会社、SVBファイナンシャル・グループが連邦破産法11条（日本の民事再生法に相当）の適用を申請したと発表。投資家心理が悪化し、ダウは終日軟調な展開が続いた。
スイスの金融大手クレディ・スイスの経営不振のほか、来週の米連邦公開市場委員会（FOMC）での米連邦準備制度理事会（FRB）の政策にも警戒感もあり、リスク回避の動きが優勢だった。今週のナスダックは、前日は4日続伸しており、長期金利低下がIT株の支援要因となった。
 
市場では「地銀への支援策が不十分かもしれないとの見方から、投資家が用心深くなっている」との声があった。リスク回避姿勢を強めた投資家が資金を株式から相対的に安全とされる米国債に移したとの見方もあった。
 
銀行が流動性確保のため貸し出しに慎重になれば米景気悪化に拍車をかけかねない。17日の市場では航空機のボーイングや化学のダウなど景気敏感株が総じて下げた。映画・娯楽のウォルト・ディズニーやクレジッドカードのアメリカン・エキスプレスなど消費関連株も安い。半面、長期金利の低下で相対的な割高感が薄れた高PER（株価収益率）のハイテク株の一角は買われた。
 
ナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反落した。前日比86.764ポイント（0.74%）安の1万1630.513で終えた。SNS（交流サイト）のメタプラットフォームズが5%安と下げが目立った。半面、ソフトウエアのマイクロソフト、グーグルの親会社アルファベットは上げて終えた。


 

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【シカゴ日本株先物概況】


17日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比305円安の2万6710円で引けた。金融システム不安がくすぶる中を金融株主導で反落した。
米地域銀行の経営不安を背景に米株式相場が下落し、日経平均先物にも売りが出た。
 
 

シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
26710 ( -320 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
26790 ( -240 )

(　)は大阪取引所終値比










【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

17日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前日に比べ74.63ポイント（1.01%）安の7335.40で取引を終えた。前日に上昇していたスイス金融大手クレディ・スイス・グループ株が17日に売り直されるなど不安定な動きが続いた。金融システム不安の広がりに対する懸念が投資家心理を圧迫し、銀行株や保険株などが下げた。
 
個別では通信大手BTが6．1％安と下落率トップ。オンライン食品販売オカド・グループ（4.5％安）や保険大手プルデンシャル（4.0％安）、金融大手HSBCホールディングス（2．9％安）も売られた。一方で、産金大手エンデバー・マイニング（2.4％高）や資源大手グレンコア（2.2％高）など資源株は堅調だった。



■ドイツ・フランクフルト株価指数

17日のドイツ株価指数（DAX）は反落した。前日に比べ198.90ポイント（1.33%）安の1万4768.20で終えた。欧州中央銀行（ECB）による急速かつ大幅な利上げで銀行経営にストレスがかかる環境のなか、ユーロ圏経済が下押しされるとの懸念から、金融株に加え自動車株や資本財株など景気敏感銘柄に売りが出た。
個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジー（4.3％安）やコメルツ銀行（3.5％安）などが売られた。




■フランス・パリ株価指数

フランスCAC40種指数は1．43％安だった。欧米の金融不安の高まりからリスク回避ムードが広がり、銀行株や小売株など幅広い銘柄が売られた。