神経質な展開が続く
神経質な展開が続く |
グロース株は敬遠され続け、景気敏感株を中心にバリュー株も強く売られるものが多かった。値下がり銘柄も多く、指数だけが弱いという下げ方ではない。決算発表集中期で、かつ、出てくる内容も悪いわけではないだけに、ここで総売りのような下げが続いたことは警戒を要する。指数は一時2万8000円を割り込み、3月および4月の安値を下回った。26週線も割り込んでいるが、同水準を下回るのは昨年5月以来で、コロナからの回復相場が一巡した印象も受ける。
明日13日の日経平均株価は、乱調展開か。
現地12日発表の米4月消費者物価指数(CPI)が注目される。市場予想は、前年同月比3.6%上昇と3月(同2.6%上昇)から一段高が見込まれ、結果を受けて米長期金利が上昇すれば、株安につながる可能性がある。もっとも、物価上昇圧力の高まりはある程度織り込まれており、米金利が落ち着いた反応を示せば、直近の大幅な株安の反動も予想される。
足元で米国のインフレへの警戒が株安を招いているだけに、発表を受けた米国株、特にナスダックの動向が注目されるだろう。
来週に入ると決算発表も少なくなり、余計に米国動向に神経質となると思われる。今週中にそれなりの反発が見られないようだと、目先は弱材料への反応が大きくなり、上げづらく下げやすい地合いが続く可能性がある。
市場では、「米インフレ懸念を背景にハイテク・グロース(成長)株売りが根っこにあり、当面はボラタイルな(値動きの激しい)動きになりそうだ」との声が聞かれた。
■上値・下値テクニカル・ポイント(12日現在)
29844.96 ボリンジャー:+1σ(13週)
29807.56 ボリンジャー:+1σ(25日)
29664.74 ボリンジャー:+1σ(26週)
29341.46 25日移動平均線
29321.45 13週移動平均線
29269.49 75日移動平均線
29189.52 均衡表雲上限(日足)
29186.80 均衡表転換線(週足)
29172.16 均衡表雲下限(日足)
29048.74 均衡表基準線(日足)
28962.71 6日移動平均線
28875.36 ボリンジャー:-1σ(25日)
28797.94 ボリンジャー:-1σ(13週)
28787.00 均衡表転換線(日足)
28418.12 26週移動平均線
28409.26 ボリンジャー:-2σ(25日)
28274.43 ボリンジャー:-2σ(13週)
28147.51 ★日経平均株価12日終値
28070.06 均衡表基準線(週足)
27943.16 ボリンジャー:-3σ(25日)
27750.92 ボリンジャー:-3σ(13週)
27171.50 ボリンジャー:-1σ(26週)
26315.15 200日移動平均線
25924.88 ボリンジャー:-2σ(26週)
24678.26 ボリンジャー:-3σ(26週)
23911.78 均衡表雲上限(週足)
21207.75 均衡表雲下限(週足)
ローソク足は胴体の長い大陰線を引いて終了。終値は25日線とその下を走る5日線を下放れたほか、パラボリックと新値3本足がともに陰転し、強い売り圧力を窺わせた。
一目均衡表では基準線と転換線が下向きで大引けを迎えた。遅行線は14日にかけて応当日株価が上昇するため弱気シグナル増大による相場全体の買い余力低下が警戒される。ボリンジャーバンドで-2σを下回ったこともあり、下値拡張リスクが増大している模様だ。