【市況】NYダウ36ドル高、FRB会見後にに持ち直す

18日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比36ドル28セント高の2万7147ドル08セントで終えた。
 
米連邦準備制度理事会（FRB）はこの日最終日となる金融政策会合で、市場の大半の予想通り、0.25％の利下げを決定。貿易摩擦や世界経済の減速、インフレ率の2％目標未達などを背景に「先行き不透明感が残っている」と利下げの理由を説明した。2019〜20年の利下げ停止を示唆し、結果発表後にダウ平均は一時211ドル下落する場面があった。
 
一方、午後2時半に始まったパウエル議長の記者会見を受け、ダウ平均は上げに転じた。世界景気や貿易摩擦の不透明感は根強く「（米経済の成長維持に向け）適切に行動する」と繰り返し、市場では「追加利下げを否定しなかった」とみなされた。
 
19日からワシントンで開かれる米中の次官級貿易協議を前に、協議進展期待に支えられ中国事業への依存度が高い銘柄の一角にも買い戻しが入った。
 
市場関係者は、金利見通しが「市場が期待するほどハト派でなかった」と指摘。さらに「参加者の間で見通しがかなり割れていたことから株価が不安定な動きを見せたが、議長会見を受けて買い安心感が広がった」とも説明した。
 
セクター別では、銀行やテクノロジー・ハード・機器が上昇する一方で運輸や電気通信サービスが下落した。
 
ナスダック総合株価指数は反落し、前日比8.624ポイント安の8177.392で終了した。FOMCの結果発表後は大幅に下げたが、議長の記者会見を受けて大幅に下げ渋った。
 
 
NYダウ工業株30種（ドル）
27,147.08＋36.28
S&P500種
3,006.73＋1.031
ナスダック
8,177.392−8.624
NY金（ドル/トロイオンス）
1,515.80＋2.40
NY原油（ドル/バレル）
58.23＋0.12
円・ドル
108.40 - 108.41＋0.21

 

---

【シカゴ日本株先物概況】


シカゴ日経平均先物は小幅続伸した。12月物は前日比55円高の2万1910円で引け、18日の大取終値を110円上回った。
18日の米連邦公開市場委員会（FOMC）後にパウエル米連邦準備理事会（FOMC）議長が記者会見で金融緩和に柔軟な姿勢を示し、好感した買いが入った。
 
この日の12月物高値は2万1915円、安値は2万1755円。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
21910 ( +110 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
21945 ( +145 )
(　)は大阪取引所終値比



【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100　7314.05（-6.35）
FTSE100種総合株価指数は小幅続落した。前日の終値に比べ6.35ポイント安の7314.05で引けた。構成銘柄の半数以上が下落した。
米連邦公開市場委員会（FOMC）の結果発表を直前に控えていた上、19日には日銀や英イングランド銀行（中央銀行）の金融政策発表もあり、様子見気分が強かった。サウジアラビアの石油施設に対する攻撃で一時高まった原油の供給懸念も落ち着きを取り戻し、全体的に動意を欠いた。指数構成銘柄全体の約6割が下落した。
　
主な個別銘柄では、原油相場の下落を受けて石油のBPも下げた。上期決算が減益となった小売りのキングフィッシャーが3.2%安と下落率トップ。高級衣料バーバリーが2．5％安と軟調で、流通大手マークス＆スペンサー1.1%安、モリソンズ1.3%安と小売株が総じて緩んだ。
 
半面、航空のインターナショナル・エアラインズ・グループは高かった。傘下のブリティッシュ・エアウェイズで9月下旬に予定されていたパイロットのストが取りやめになったとの報道が好感された。景気動向に左右されにくいとされるディフェンシブ銘柄の公益株も買われた。前日安く引けた旅行のTUIとロシアの鉄鋼大手エブラズは上げた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX　12389.62（+17.01）
ドイツ株式指数（DAX）は小幅ながら3日ぶりに反発した。終値は前日と比べて17.01ポイント高の12389.62だった。
米連邦公開市場委員会（FOMC）の結果公表を控えた様子見姿勢で取引は低調だった。
 
個別では、オンライン決済サービスのワイヤーカードが高かった。不動産のボノビアは続伸し、電力株も上昇した。
半面、ドイツポストは米物流大手のフェデックスの株価急落を材料に下落した。物流需要の減速が欧州にも波及するとの懸念から売られた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40　5620.65（+5.14）