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下値を固める展開

下値を固める展開
1日の日経平均は大幅高。きょうは米国の債務上限停止法案が注目材料になるかと思われたが、法案が下院で可決されたニュースを消化した直後には急失速した。そうなると、きょうの上昇に関しては、きのうが下げすぎた分の反動と考えるのが自然である。5月に作った巨額の貯金を最終日に少しだけ取り崩して、6月を大幅高でスタートする。非常に理想的な流れになっている。
ただ、為替の円高が嫌気されて三菱自、マツダ、日産自など自動車株の多くが下落。ブリヂストンや横浜ゴムなどタイヤ株も全般軟調となった。4月の月次が失望を誘ったまんだらけが急落。経産省の「輸出貿易管理令の一部を改正する政令」の影響で一時的に製品の海外出荷を保留する対応を行っていると公表したイーディーピーがストップ安比例配分となった。
 
 
明日2日の日経平均株価は、下値を固める展開が予想される。
1日は小幅安で寄り付いた後にプラス転換し、大引けは前日比260円高の3万1148円と反発した。日中の安値は3万853円と、きのうの日中安値(3万785円)を上回った。
 
懸案の米政府の債務上限問題については、日本時間の1日午前中に債務上限を引き上げるための法案が議会の下院を通過した。今後は上院で審議され、タイムリミットとされる5日の前に可決・成立するかが焦点となる。一方、インフレと好調な雇用市場を背景に、FRBによる利上げ継続観測も根強く、米株についてリスクを取りにくい状況にある。高値圏で売り買いが交錯する日本株にとっても逆風になり得る要素だ。
 
米国では現地1日に5月ADP雇用統計が発表され、5月ISM製造業景況指数も控える。いずれも好内容となれば利下げ転換への期待が後退することで米株の上値を抑制する可能性がある。また、2日には5月雇用統計が出るため、債務上限引き上げ法案の動向も相まって様子見色が強まりやすい。このことは、あす以降の東京市場での一定の売り圧力になると考えられる。ただ、日本株は下値拾いのニーズも大きいとみられ、日経平均の下落余地は限られそうだ。
また、円高も日本株の潜在的な悪材料だが、財務省・金融庁・日銀による3者会合を受けた為替介入(円買い介入)への警戒は必要以上には高まっていないようだ。
 
物色動向をめぐっては、復調しつつあるグロース株に加え、調整に一服感がみられる旅行・インバウンドに注目したい。
 
■上値・下値テクニカル・ポイント(1日現在)
 
32856.28  ボリンジャー:+3σ(25日)
32745.33  ボリンジャー:+3σ(13週)
32142.21  ボリンジャー:+3σ(26週)
31883.51  ボリンジャー:+2σ(25日)
31464.99  ボリンジャー:+2σ(13週)
 
31148.01  ★日経平均株価1日終値
 
31059.29  均衡表転換線(日足)
31052.51  6日移動平均線
30910.74  ボリンジャー:+1σ(25日)
30808.35   新値三本足陰転値
30756.57  ボリンジャー:+2σ(26週)
30184.65  ボリンジャー:+1σ(13週)
29937.97  25日移動平均線
29901.05  均衡表基準線(日足)
29494.05  均衡表転換線(週足)
29370.94  ボリンジャー:+1σ(26週)
28965.20  ボリンジャー:-1σ(25日)
28904.31  13週移動平均線
28611.16  均衡表基準線(週足)
28516.14  75日移動平均線
28113.61  均衡表雲上限(日足)
27992.43  ボリンジャー:-2σ(25日)
27985.30  26週移動平均線
27830.95  200日移動平均線
 
寄り付きから水準を切り上げてほぼ高値引けしてローソク足は陽線で終了。終値は節目の31000円や5日移動平均線の上方に復帰し、短期的な上昇圧力の回復を示唆した。上昇を続ける25日線との乖離率はプラス4.04%と5%ラインを下回り、東証プライム市場の騰落レシオ(25日ベース)は中立圏中央に近い97.20%(昨日98.88%)に低下。それぞれ過熱感の解消を窺わせており、上値追い再開が期待される。
 
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